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リテールイノベーションを進めるギフト販売大手シャディが発刊した「メタバースカタログ」の革新性

2022.07.05

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

ECサイトでの弱点だった実店舗に近い一覧性をメタバースで実現

創業97年のシャディは、日本で初めて実店舗でのギフト販売や、贈られる側が商品を選べるカタログギフトを始めたギフト販売の先駆者。47都道府県すべてに実店舗を持ちその数は1400店舗。自社ECであるシャディギフトモールには年間1億2000万人が訪れる。

実店舗、ECサイト、カタログギフトとタッチポイントの多さがシャディの強みだが、次世代に向けてリテールイノベーションを加速させており、DXだけでなく広範な概念でトータルなギフトソリューションを提供するため、今夏のギフト商戦に向けて、業界初の「メタバースカタログ」を発行した。

「1400店舗は非常に重要なタッチポイントですが、メタバースは店舗とeコマースの中間に位置し、双方とシナジーを紡ぎ出すと考えています。商品についての説明を受ける、内容を確かめることでは実店舗が優位ですが、時間がない、緊急性がある場合はECサイトに利便性があります。その間を意欲的につなぎさらに良いギフト体験を作り出すのがメタバースです。

我々リテーラーにとってのメタバースの魅力は、優れた一覧性、隣接性、視認性です。一目でどこに何があるかわかり、どのような商品群なのか、どのようなカテゴリーが隣り合っているのかなど、実店舗のような感覚で探すことができる空間を作ることができます。

eコマースが出てきてから20年あまり経ちますが、一覧性に欠けるのが難点。eコマースの主戦場がモバイルに移るほどにそれが顕著になってきました。シャディで扱っている商品は8万点を超えますが、商品数が多くなるほど、実店舗ならあそこにあると気付くものが、eコマースでは気づきにくくなり、“スリーパー”と呼ばれるような、商品力が高いにもかかわらず、お客様に見つけていただけない商品も出てきてしまいます。

こうした部分を補完してくれるのがメタバース。我々はテクノロジー企業ではなく小売業なので、厳密な定義には捉われず、メタバースは実店舗、ECではない空間という概念で考えており、メタバースは新たなタッチポイント、新たな売り場、新たな拡張性あるものだと捉えています。今後もメタバースは進化していくと思いますが、進化に合わせて自分たちのビジネスの成長につなげていくのは必須であり、非常にパワフルなツールになると考えています」(シャディ 代表取締役社長 飯田健作氏)

「メタバースカタログ」は、バーチャル空間において商品カテゴリーを超えた様々なアイテムを一目で見て選ぶことができ、まるで店舗にいるかのような直感的なギフト選び体験と、移動中など時間や場所を問わずどこからでもアクセスすることができるECの利便性との双方を叶えたタッチポイントとなっている。

バーチャル空間に広がる商品群をクリックすると商品が表示され、「購入はこちら」から、ECサイトのシャディギフトモールへ。現段階ではメタバースカタログ内では決済できないため、購入はシャディギフトモールで行う。

「メタバースの開発会社にも現在さまざまなリクエストを伝えており、実用化が間近な技術もあり今後はさらに取り込んでいきたいと考えています。実店舗とeコマースをつなぐだけでなく、メタバースしかできないところを先鋭化していきます。

技術的に期待しているところではメタバース内で完結できる容易な決済機能。もともとゲーム由来の技術でもあることから決済機能については弱い部分があると感じています。決済機能が実装されてくると、メタバースにおける売上がよりクリアになり、事業者側も“メタバースによる売上高”をより意識していくと思います」(飯田氏)

まだデモの段階だが、シャディが運営する「亜州太陽市場」店内もメタバース化を進めている。同店は中国、台湾、韓国、ベトナム、タイ、インド、ベトナムなど、アジア地域の食品、食材、飲料などを揃えた店舗で、現在は吉祥寺、千歳船橋、浜田山の3店舗とECサイトで展開している。

商品カテゴリーごとに並べられた陳列や、その食材の出身である店舗のスタッフが、おいしい食べ方などの情報を手書きしたポップも実店舗での魅力だが、遠方で実店舗には行けずECサイトを利用している顧客からは「亜州太陽市場のサイトでは個々の商品の確認ができるが、店舗のように全体を見ることができない」という声が寄せられていた。

メタバースにより、店舗にいるときと同じような感覚で見ることができ、実店舗におけるスタッフとのやり取りもECサイトではチャットで補っているが、メタバースはその部分でもさらに活用が期待できる。

【AJの読み】いずれは実店舗を模したバーチャル空間で買い物ができるようになる?

小売業のデジタル活用を推進するリテールイノベーションは、業界の活性化策として注目されている。D2Cや無人コンビニなど小売業とデジタル技術を融合させた新たな取り組みが続々と出てきている中、次なる潮流と目されているのがメタバースの活用だ。

「メタバースが実用化されるようになり小売にも組み込まれる流れができて、リテール側からするとついに実店舗とeコマースをつなぐ新しい空間ができたという印象です。今後テクノロジーがさらに進化すると予想され、空間の拡張性が無限にあるのはエキサイティングですね。

メタバースはリテールの体験を補完してくれる非常に強いツール。シャディ店舗のメタバース化も進めていきたいと考えています。また、現在のカタログだけでなく、他のプラットフォームで街のような空間に出店するということも検討しています」(飯田氏)

現段階の「メタバースカタログ」は一覧性が優れていて見つけやすいが、決済はメタバース上で完結できず“見るだけ”状態。消費者からすると、店舗を訪れた時と同じように、通路を歩いて左右の陳列棚や値札、ポップを見ながら、欲しいものを手に取るような感じでクリックして買い物かごに入れて、最後はレジでお会計といった、バーチャルなお店がメタバースに求める理想の形。飯田社長も話していたように、メタバース技術は日々進化しているので、近い将来、実店舗に限りなく近い仮想空間の買い物が楽しめる日が来ると期待したい。

文/阿部純子


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