『Pixel Watch』で目指すのは「Wear OS」陣営の拡大
グーグルがスマートウオッチに初めて参入する、ということになるわけだが、そこにはかなり布石も多い。
2021年にグーグルは、フィットネス機器メーカー・フィットビットの買収を完了しているものの、その成果はまだあまり目立っていない。そんな状況下で『Pixel Watch』を発表したのは、昨年にスマートウオッチ向けOS「Wear OS」を大幅に刷新したのに加えて、フィットビットとの連携の結果が反映できるタイミングになったから……と考えられる。
スマートウオッチの市場は、世界的に見てもアップルが3割を占め、トップシェアを誇る。そのほかはシェア10%以下の企業が乱立している状態だ。フィットネスを軸とするスマートウオッチ市場のビジネス自体は拡大中なので、グーグルとしては、このままアップルにシェアを取られっぱなしの状態でいると、スマホ市場にもマイナスの影響が出かねない。2021年、最新の「Wear OS」を採用する『Galaxy Watch』がシェアを伸ばしたこともあり、今年は自社でも対応モデルをリリースすることで〝Wear OS陣営〟の拡大を目指そうとしているのだろう。
一方、今年発表したことが布石に近いのは「Google I/O 2022」の基調講演における締めくくりとして発表された、音声と手話の翻訳機能を持つ「スマートグラス」だ。グーグルはかねてより、スマートグラスの開発を進めてきた。その有望な用途として「翻訳」を据えているのは間違いない。グーグルはこれまでに多数の言語翻訳技術を培ってきており、英語や日本語などのメジャーな言語以外も幅広くカバーしてきている。そうした技術のアピールという意味も含めて、他社のスマートグラスとの違いをアピールするには格好の機能というところなのだろう。
ただし、すぐに製品化されるものではないだろうし、時期なども明かされなかった。「来年までに商品として出てくる」と考えるのは難しいだろう。登場するのをしばらく心待ちにしたい。
グーグルの参入による今後の動向に注目です
ITジャーナリスト 西田宗千佳さん
ネットワークや先端技術などの分野を中心に取材・執筆活動を行なっているフリージャーナリスト。著書は『漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たち』(講談社)など多数。
『Pixel Watch』のお披露目に会場の参加者が大いに沸いた!
グーグルが開発者向けに開催している年次イベント「Google I/O」。今年の基調講演では〝チラ見せ〟された次世代スマホ『Google Pixel 7』シリーズや、待望の『Pixel Watch』など、盛りだくさんの新製品を発表した。
「Google I/O 2022」で発表された話題のウエアラブルはコレ!
ウオッチフェイスの曲面が美しい
丸型のウオッチフェイスに、省電力性能を高めた最新「Wear OS」が採用される見込み。「Googleマップ」「Googleウォレット」「Google Home」「Googleアシスタント」などのアプリに加えて、グーグル傘下となったフィットビットの歩数、心拍数、睡眠などに関する機能も搭載予定。セルラーモデルも用意される模様だ。
相手の言語や手話をリアルタイムで翻訳
基調講演では新しいAR(拡張現実)グラスも紹介された。グーグルが法人向けに販売している『Google Glass Enterprise Edition 2』とは異なり、見た目はメガネそのもの。だが、相手が話している言葉をリアルタイムに字幕化し、翻訳して表示する機能も備える模様。発売時期などは不明だが、期待が膨らむ製品だ。
気圧やノイズを自動的に最適化!いつでも心地いい音楽を鑑賞できる
同イベントで発表されたワイヤレスイヤホン『Google Pixel Buds Pro』。耳に合わせて気圧やノイズキャンセリングを最適化する機能を備える。音声AI「Googleアシスタント」にも対応。カラーは4色でイヤホンはIPX4、ケースはIPX2の防水に準拠。7月21日から予約を開始する。各2万3800円。
取材・文/西田宗千佳、太田百合子
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2022年5月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
DIME8月号はウエアラブルの大特集、豪華付録はLEDテープライト250
大特集は「仕事も暮らしもジブン最適化! 超快適!ウエアラブル」
ついに発表されたグーグル初のスマートウォッチ「Pixel Watch」から約130インチの映像をどこでも気軽に視聴できる「Nreal Air」まで、注目のウエアラブルデバイスが続々登場。中でも、単体で使える機能が充実し、スマホ全盛時代の終焉を告げる「ポストスマホ」の本命デバイスを、WATCH、MOBILE、HOME、SPORTS、WORK、HEALTH CAREのカテゴリーに分けて編集部がセレクト。その実力を検証した!
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