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ル・マンで活躍したベントレー「スピードシックス」の復刻モデルが12台限定で復活

2022.06.30

1929年と30年にル・マンを制したベントレーのレースカーを再現

ベントレーのビスポーク部門であるマリナーは、アイコニックなスピードシックスを12台限定の特別なコンティニュエーションシリーズとして、よみがえらせる予定であることを発表した。

この1929年と1930年にル・マンを制したベントレーのレースカーを、メカニカルも外観も忠実に再現する。これは、オリジナル車の功績を称えるとともに、マリナーの歴史ある技術を発展させ保存することを目的としており、ベントレーマリナーが手掛けたブロワーに続き、世界で2番目の戦前車のコンティニュエーションプロジェクトとなる予定となっている。

スピードシックスは、当時のレースカーとして最も成功を収め、ベントレーの歴史上最も重要なクルマのひとつとされている。さらに、ベントレーの世界最高水準の性能を示しただけでなく、快適でありラグジュアリーでありながら長距離を楽に移動できる性能を持つという、グランドツアラーのコンセプトを明らかにした。これ以来、すべてのベントレーは同じ理念を踏襲することとなった。

今回の12台は、世界初の戦前車のコンティニュエーションプロジェクトであるブロワーコンティニュエーションシリーズを手がけたのと同じマリナーのスペシャリストチームによって設計されており、これから開発、製造される予定となっている。

4½リットルのブロワーコンティニュエーションシリーズは、1930年にスピードシックスと一緒にレースに参戦した世界で最も有名で貴重なベントレーである1929年のチームカー#2をベースに12台制作され、高い評価を得て即完売となった。新しいスピードシックスコンティニュエーションシリーズも、すでに世界中で全12台が予約されている。

スピードシックスとは

6½リットルの高性能バージョンであるスピードシックスは、ウルフ・バーナート氏、ヘンリー・ティム・バーキン卿、グレン・キッドソン氏によって1929年と1930年のル・マンで優勝し、ベントレーで最も成功したレースカーとなった。

このスピードシックスは、1926年型6½リッターの改良型モデルであった。W.O.ベントレー氏は、ティム・バーキン卿がスーパーチャージャーを信奉していたのとは対照的に、パワーを増大させるには排気量を増やすことが最良の方法であると考えた。

そこで彼は、4½リッターの後継となる、より大きなエンジンを新たに開発したのである。ボア100mm、ストローク140mmの新型直6エンジンは、ほぼ6.6リッターの排気量を実現。スミス製シングル5ジェットキャブレター、ツインマグネト、圧縮比4.4:1を備えた基本形で、6½リッターのエンジンは147bhp/3500rpmを発揮した。

同モデルは、ロンドン北部のクリックルウッドにあるベントレーの工場で362台が製造され、各顧客のボディスタイルの要求に応じて、長さの異なるさまざまなシャシーが作られた。

さらにスピードシックスのシャシーは、6½リッターのエンジンをよりスポーティにしたモデルとして1928年に導入。エンジンはよりパワフルに改良され、SUキャブレターのツイン化、高圧縮比化、高性能カムシャフトの採用により、180bhpに向上した。そのシャシーは、138インチ(3,505mm)、140.5インチ(3,569mm)、152.5インチ(3,874mm)のホイールベースが用意されていたが、ショートシャシーが最も人気であった。このスピードシックスは、1928年から1930年にかけて182台が製造されました。

また、レーシングバージョンのスピードシックスには、ホイールベースが11フィート(132インチ、3,353mm)、圧縮比6.1:1、200bhpのエンジンが開発された。1929年と1930年のル・マンの2回の優勝により、スピードシックスはベントレーの歴史にその名を刻むことになった。

ウルフ・バーナート氏とヘンリー・バーキン卿が運転するスピードシックスは、1周目からチェッカーフラッグまでリードし、他の3台のベントレーがそれに続いた。バーキン卿は、それまでのベストラップを46秒縮める7分21秒の新記録を樹立し、平均時速83マイルを記録したほか、2,844kmを走破して最長距離も達成。このような1つのメーカーによる圧倒的な強さは、その後30年近くル・マンで見ることはできなかった。

歴史的なアイコンの再現

1929年と1930年のレースカーのデザインに忠実な12台の新しいスピードシックスを制作するために、マリナーチームはまず、オリジナルの設計図とオリジナル車の詳細な分析を行ない、車の完全な3D CADモデルを作成した。この過程で参考にしたのは2台の車両であった。

「オールドナンバー3」は、ベントレーが1930年のル・マンにエントリーした3台のスピードシックスのうちの1台。困難なレースにもかかわらず、その試練を乗り越え、以来、完璧な状態で保存されてきた。現在も公道走行が可能で、オーナーによって活発にレースが行われているオールドナンバー3は、デザインの詳細や新車製作の参考となる貴重な情報源となっている。

また、ベントレーが所有するスピードシックス (GU409) は、オールドナンバー3と並んで、ベントレーのヘリテージコレクションの一部であり、オリジナルのレースカーと同じ4シーターのヴァンデンプラボディをまとい、同じ仕様にレストアされた1929年のロードカー。

このGU409は、12台のコンティニュエーションシリーズに、パワー/トルク曲線を含む、ベンチマークとなるパフォーマンスとハンドリングのデータを提供。92年ぶりの新しいスピードシックスは、今年後半に組み立てられ、このプロジェクトの技術試験車となる。スピードシックス・カーゼロはベントレーの所有となり、ブロワー・カーゼロとともに、このプロジェクトに貢献するファミリーの先達となるだろう。

ベントレーの会長兼CEOであるエイドリアン・ホールマーク氏は、次のようにコメントしている。

「ブロワーコンティニュエーションシリーズの開発を通じてマリナーのチームは信じられないほどの技術を習得し、その車がお客様から好評を博したため、スピードシックスにも敬意を表する機会を得られたことは、大変素晴らしいことです。歴史上重要な車そのものだけでなく、これらのクラシックなベントレーに関わることで得た知識も合わせて保護し、保存し、発展させることが重要です。

スピードシックスは、103年の当社の歴史の中で最も重要な車の一つであり、12台のコンティニュエーションシリーズは、エンジニアリングの品質と細部への執拗なまでのこだわりを持って製作されたW.O.ベントレーのオリジナルと同じ価値を体現します。幸運なオーナーは、世界中を自分の車でレースし、オリジナルのベントレーボーイズの活躍を追体験することができるのです」

マリナーチームは、英国中のクラシックカーのスペシャリストである職人たちから再びサポートを受けることになる。彼らは、物理的に同一であるだけでなく、多くの場合1920年代に使用されたのと同じ技術で作られた再生パーツを提供してくれる。このような複雑なプロジェクトを成功させるためには、完璧さと信頼性が求められるのだ。

関連情報
https://www.bentleymotors.jp/

構成/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)


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