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食事、運動、睡眠、肌を網羅したヘルスケアサービス実現に向けてソニーネットワークコミュニケーションズとポーラが合弁会社「SOULA」を設立

2022.06.29

スマートフォンアプリを使って自分の健康状態や日々の活動を記録している人は増えている。一方で、いざ便利と聞いて使ってみても、なかなか毎日・毎度の記録が習慣づかなかったり、もっと自分向けの情報が欲しいのにそこまではカスタマイズされていないなど、まだまだ課題は多い。

企業側にとっても、開発は一筋縄ではいかない。メーカーとしてのノウハウはあるものの、それまでに蓄積された知見をどうスマートフォンアプリに反映するか、またその開発コストや人材も必要となり、導入のハードルは高い。

その領域に挑むべく、ソニーネットワークコミュニケーションズとポーラの合弁会社として2022年2月4日設立されたのがSOULA株式会社だ。食事・運動・睡眠・肌ケアの4領域のヘルスケアサービスを提供することを事業領域としたのは、同社代表取締役の木下氏によると、「この4領域にまたがって本格的に展開しているサービスはあまりないのではないか?」という考えからだ。

SOULA株式会社 代表取締役社長の木下直人氏

そのスタートとして、2022年7月4日から提供するのが、企業・団体向けのヘルスケアサービスの支援アプリ「SOULA pie」だ。このアプリは、食事・運動・睡眠・肌ケアを領域に、アプリユーザーがプログラムを選択し、それに沿って記録・分析・アドバイス・調理レシピなどのリコメンドを提供するしくみづくりを目指している。

このアプリでは各々のユーザーに発信できる「マルチテナント形式」を採用。SOULA pieをプラットフォームとして活用しながらも、各社の特色を出しながら、最新のヘルスケア機能を低コスト・低負荷・短期間で効率的な導入運用ができる仕様となっている。

マルチテナント方式の運用イメージ図

プラットフォームを活用しての開発でも、企業ごとの特色を出したコンテンツづくりも可能だ。また、管理ツールを活用することで、定期的なコンテンツのアップデートやアプリの利用によって蓄積されるユーザーデータを提供し、企業・団体のマーケティングやサービス進化をサポートしていく。

SOULA pieの運用イメージ図

業界の動向としては富士キメラ総研の調査によると、2021年度から2025年度にかけてヘルスケア・ヘルステック市場は年平均成長率11%を予測されている。一方で、企業や団体が独自にヘルスケア・ヘルステック領域での事業規模の拡大に挑むとなると、膨大なコストと長期間に渡る開発期間などハードルは多い。SOULAではSOULA pieを通じてそれらの課題解決を行い、市場を活性化すべくB2B2C/Eから事業展開を行っていく。

DELISH KITCHENとの業務提携でまずは食事と運動から挑む

7月4日のアプリリリース時点では、4つの領域のうち睡眠と肌ケアの領域は今後の開発予定とされており、まずは食事と運動の領域から始める。まず業務提携を組んだのはレシピ動画メディアの「DELISH KITCHEN」だ。

エブリーが運営するDELISH KITCHENは、国内1位の総計5万本以上のレシピ動画を保有しているプロコンテンツメディア。その特徴は、動画が管理栄養士など食のプロによって考案されていて、有料会員向けには減塩や糖質オフなど、健康を意識したレシピを提供している。

7月4日時点では、ユーザーがSOULA pie初回起動時に「栄養バランス重視プログラム」「ダイエットプログラム」「筋力プログラム」などから自分に合ったものを選択。これに応じて、食事や運動の記録・分析・アドバイス・リコメンドを提供する。

プログラムの選択画面。

食事の記録は、アプリ内で日々の記録の写真を撮るだけで、画像解析によってその食事で摂取した栄養素の抽出ができる仕様になっている。

食事ごとの栄養素の表示イメージ。

すでに多くの会員を獲得しているDELISH KITCHENだが、この提携により「健康」に興味はあるものの、「食」には興味がなかったユーザーにもサービスを提供できるというメリットがある。今後は睡眠と肌ケアの分野にも広がることを踏まえ、良い効果をもたらす可能性がある新たなレシピの研究や、食を通じた有用な情報発信にも取り組んでいく。

垂直統合の打破から他社との業務提携でスピード感をもってサービスを実現

アプリ名「SOULA pie」の「pie」という言葉は、1日の時間配分や食事のPFCバランスなど、人々の生活のリズムやサイクルを表すワードとして円グラフ(pie chart)から発想。ロゴの横についたモチーフは、データエビデンスに基づくサービスをシンボライズし、異なる4つの重なりからAIが作り出す新たな価値の提供を表現している。

SOULA pieのロゴ。

ソニーネットワークコミュニケーションズとポーラとのパートナーシップは、肌解析の事業で業務提携したことに始まっている。当時はソニーネットワークコミュニケーションズでIoT事業部でヘルスケア事業に携わっていたのが、SOULA代表の木下氏だ。ソニーネットワークコミュニケーションズは様々な化粧品会社と付き合いがあったが、コンサルティングや肌データについて持っているのはポーラだったという。そのなかで人間の行動変容についての考え方において双方の意見が合ったことから、今回の提携に行きついた。

「ソニーのなかではどうしても垂直統合をやっていこうという思想があって、そこを打破しないとできない。ヘルスケアの領域は他社と業務提携をしてやっていこうと方向転換した。私たちのなかでも、実際にはヘルスケアの事業をいくつも潰してきた過去があり、私が入ってから統合して黒字化した。お客さんを400社ぐらい回ってなんとなく業界が見えてきたというのもあって、こういう座組を作り出したというのがある。

ポーラさんも同じく垂直統合でやってきた会社で、外と組むということがなかなかなかった。私たちが持っていた肌解析によって“時間を買う”ということができた。アルゴリズムができて、クラウドでできる。お客さんを1か月待たせていたものをその場で提供できるものに変えられる」(木下氏)

ユーザーにとってヘルスケアを習慣しやすい環境づくりの実現が可能になるのか。すでに保険会社など様々な企業とのコンタクトが進んでおり、今期の目標額は10億円だという。ヘルスケア事業における一大プラットフォームになるのか、注目したい。

SOULA pie

取材・文/北本祐子

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