IT企業に勤務するごく普通の猫好き独身男性が、ある日神様から救世主に任命されて……。
2022年6月15日よりNetflixにて独占配信中の『フェイバリット・イディオット: 神に選ばれたメッセンジャー』は、アメリカで制作されたコメディドラマ。
主演のメリッサ・マッカーシーとベン・ファルコーンは、夫婦。
原作・制作は、ベン・ファルコーン。
同じくNetflixの『サンダーフォース~正義のスーパーヒロインズ~』でもマッカーシーが主演、ファルコーンが監督・脚本を手掛けている。
あらすじ
猫とサウナを愛する心優しき独身男性クラーク(ベン・ファルコーン)は、ある日庭で雷に打たれる。
それは、世界を救う存在として、神がクラークを指名したことを意味する現象だった。
しかしクラーク本人は、その事実に気づいておらず、雷に打たれた直後も通常どおり出社する。
ある夜、クラークが発光しながらひとりで残業している姿を、同僚のアミリー(メリッサ・マッカーシー)が目撃する。
しかしアミリーがそのことを周りの同僚たちに話しても、誰も信用してくれない。
アミリーに片思いしていたクラークは、勇気をふり絞ってレストランでのデートを申し込むが、レストラン内で突然発光してしまい、その様子がSNSで拡散されて大騒ぎになる。
その後クラークがアミリーと一緒に公園を歩いていると、突然空から白い翼を持った男性が舞い降りる。
シャムエルと名乗るその男性は、「クラークは世界を救うために神から選ばれた人間だ」と告げる。
見どころ
破天荒で強気なアミリーに、少し不器用だが穏やかで優しいクラーク。
キャスト同士が実生活で夫婦であることが公表されているのもあるかもしれないが、片思いの段階から既にお似合いカップルに見える。
さすが神様に指名されるだけあって聖人君子のようなクラークは、レストランの中で突然光輝いてしまった時も、「驚かせてごめんよ、本当に申し訳ない」とひたすら周囲を気遣い謝り続ける。
“咄嗟の行動に人間性が出る”とよく言われるが、クラークはトラブルが起こってもまず「自分より他人を優先」。
そんな徳の高い人間なので、神様だけでなく同僚からの人望も厚い。
クラークの異変に気づいた同僚たちは、職場でも仕事そっちのけで何日間も超常現象や宗教についての調べ物を行う(サボる口実だったのかもしれないが……)。
職場の問題児も、聖なるクラークにかかれば号泣しながら改心してしまうのだ。
そんな愛されキャラのクラークだが、彼を嘘つき呼ばわりしながら執拗に攻撃してくるスロップ牧師やサタンなど、エピソードが進むにつれて敵も増えていく。
お人好しクラークの人柄と、仲良しでユルい職場の雰囲気に和みつつ、しっかり笑える良質コメディドラマ。
Netflixシリーズ『フェイバリット・イディオット: 神に選ばれたメッセンジャー』
独占配信中
文/吉野潤子