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日本で爆買いができなくなった中国人消費者は今、どんな家電を買っているのか?

2022.06.24

コロナ禍で訪日旅行が停止し、中国人観光客による日本での爆買いも見られなくなった今、中国人の家電製品に対する考え方と消費行動には、どのような変化がもたらされているのだろうか。

近年の中国家電メーカーは、新しい家電製品の開発を加速させ、デザイン性・機能面ともに優れた商品を中国人消費者に向けて提供している。その結果、「中国産の家電製品が良い」という考え方が広まってきているようだ。

そんな中、ヴァリューズは、直近1年以内に指定したブランド・価格以上の炊飯器を購入した中国人400人を対象にした「アフターコロナにおける中国人の家電製品に対する考え方と消費行動」に関する意識調査を実施。その結果をグラフ化して発表した。

炊飯器ブランドの平均認知率は中国産優勢だが、パナソニックも8割強と健闘

まず家電製品の中でも炊飯器について、日本と中国の各4ブランドの認知率および購入検討率をまとめた。全体的に中国の炊飯器ブランドの認知率が高いなか、日本ブランドではパナソニックが8割強の認知率を獲得していた。

「信頼」の中国ブランド、「憧れ」の日本ブランド

次に、炊飯器の購入理由について尋ね、日中ブランドで購入者を分けて回答を整理した。グラフを見ると、「中国ブランド:ブランドへの信頼、性能の高さ」「日本ブランド:ブランドへの憧れ」といった要素が、ブランドや商品の選定に寄与していることがわかる。

日本での爆買いが起こった背景には、日本製品の品質の高さや安心感、コストパフォーマンスの高さがあったと言われているが、コロナ禍で国内ブランドに目を向けるようになった結果、中国ブランドへの信頼が高まっていると言えそうだ。

さらに本レポートでは、「価格が安かったから」という理由で購入に至った割合は僅か6.8%であったという結果についても触れられている。「とにかく安いもの」よりも、「良いもの・納得できるもの」を買おうという消費者意識が伺える。

日本寄りの「ブランド重視クラスター」と中国寄りの「機能重視クラスター」

次に、アンケート回答者に対してクラスタリングをおこなったところ、5つのクラスターに分類することができた。クラスターのうち、前述の日中ブランドの棲み分けを最もよく表しているのが、「ブランド重視クラスター」と「機能重視クラスター」だった。

相対的にブランドへのこだわりが強く、価格にも敏感な「ブランド重視クラスター」については、購入ブランドの上位を日本ブランドが占めている。日本ブランドへの憧れと商品のコストパフォーマンスの高さが、選ばれる要因になっているようだ。

一方で、ブランド志向に加えて機能面でのこだわりが強い「機能重視クラスター」には、中国ブランドが選ばれやすいことがわかる。中国ブランドへの信頼と商品の優れた機能が、中国人消費者に向けた主な訴求軸になっているのかもしれない。

また、近年中国国外からも注目を浴びる下沈市場在住者にも注目した「下沈市場のプチセレブ」クラスターの詳細も見た。機能・ブランド・トレンドの3項目が高く出ており、価格を問わず、品質が良い家電を購入する人のイメージが浮かび上がってくる。平均個人月収が最も高いなか大都市よりも生活費が抑えられるため、金銭的な余裕があり、欲しい物にお金を惜しまない傾向にあると考えられる。

購入した炊飯器で1・3・4位を日本ブランドが占めていることからも、憧れ消費を実現するような積極的な様子が伺える。

<下沈(かしん)市場とは>
地方都市を意味する言葉で、具体的には中国の3級都市以下の都市および農村を指す。北京や上海のような大都市に比べて人口母数が大きく、消費力の向上やインフラ投資の拡大が進み、中国国内だけでなくグローバル企業からも注目を浴びるようになってきた。

下沈市場では大都市に比べて消費者が自由に使えるお金が多く、欲しいと思ったものはそのまま購入に至りやすいという消費者意識が明らかにされている。

家電購入はオンライン優勢

続いて、炊飯器だけでなく家電一般に範囲を広げて調査を行った。マルチアンサーで、直近1年間にどこで家電を購入したのかという設問に対し、オンライン購入が85%、オフライン購入が69.3%という結果になった。

日本ブランドが売れやすいECとは

ブランドごとに、オンライン・オフライン含めて購入チャネルを調査したところ、日本ブランドは国美オンライン、PinduoduoといったECでよく購入されていることがわかった。

国美Onlineは家電小売企業の「国美電機」が運営しており、日本のビックカメラと提携するなど、家電領域に強いサイトと言える。PinduoduoはPanasonicなどの日本企業も公式旗艦店を開設しているECサイトで、ここでしか販売されない商品もあるそうだ。

<調査概要>
インターネットリサーチにて、2021年12月13日~12月20日にアンケート調査を実施。
対象は、直近1年以内に指定したブランドの500元以上の炊飯器を購入した中国人400人。
指定ブランド:SUPOR、Midea、Joyoung、MI、Panasonic、ZO JIRUSHI、TIGER、TOSHIBA購入者の各50人

出典元:株式会社ヴァリューズ

構成/こじへい

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