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【深層心理の謎】ストレスを感じて困った表情をしている人ほど支援を受けやすい理由

2022.06.22

 どんなに平静を装っていても、困っていれば顔にも動作にも出るというものだ。それがたとえマスク越しであったとしても――。そしてささやかではあるが感動的なシーンな目撃することになった。

雨の街角でささやかな“感動シーン”を目撃する

 今回のコロナ禍ですっかりマスクが定着してしまっているわけだが、マスクを着けている人物の表情が読み取りにくいということは確かにあるだろう。

 しかしそれでもマスクをしている人物が今どんな気持であるのか、ある程度近くからであれば我々はけっこう正確に把握できるのではないだろうか。サングラスをしていれば話は別だが、その人物の“眼差し”だけでも感情や思考はある程度理解できたりするものだ。

 梅雨なのだから当然だが、雨続きで気分のほうもあまり晴れない。東京メトロ丸の内線を新大塚駅で降りて地上に出る。朝からの雨がまだ降り続いていた。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 時刻はちょうどお昼を過ぎたところだ。タイミングがいい。どこかで昼食にしてみることにしよう。

 自分も含めて街を歩く人の大半はマスクをしているが、この梅雨が明ければ今年も猛暑がやってくる。暑くなればマスクが厳しくなるのは昨年、一昨年と経験済みだが、そろそろマスクを外すことも意識してみていいように思える。厚生労働省も「屋外で2m以上」の“社会的距離”があればマスクは不要だという見解を先日示した。

 マスクをした人物ばかりに囲まれることで、子どもの認知機能の発達に悪影響を及ぼすという話も聞こえてきている。科学的な裏付けはまだなさそうだが、そうであったとしても不思議ではないようには思える。とはいっても今の子どもたちはメディアの中の人物から強く影響を受ける傾向もあるので、実際に目にする人物がマスクをしていたとしても、あまり変わるところはないようにも思えてくる。

 そして“目は口ほどにものを言う”という言葉もあるように、口元が覆われていたとしても“眼差し”だけでその人物についてかなりのことを知ることができるはずだ。“目は心の窓”という言葉もある。

 交差点で横断歩道の信号を待っていると、右腕で松葉杖を突き、しかも左手で傘をさしている私服姿の中年男性の姿が少し先に見えた。右足はギプスに包まれていてたぶん骨折しているのだろう。駅の出入口の前にある信号のない横断歩道を杖を突きながらゆっくりと渡ろうとしていた。

 バッグをたすき掛けにしていて、片手で杖を突いて歩き、もう一方の手で傘をさしているというのは見るからに困難な動作である。平静を装ってはいるのだろうが、マスク越しにも男性のフラストレーションが感じられてくる。近づいてきた車が停まり、男性が渡り切るのを待っているのだが、それが余計に男性にとってストレスになっているようだ。

 そしてちょっとした感動シーンが目の前で繰り広げられた。近くにいた女性が男性に近づくと男性の傘を代わりに持ち、付き添って一緒に歩いたのである。男性は女性に礼を述べながら歩き続けて、無事に4、5メートルほどの横断歩道を渡り切った。ともあれ一件落着である。

困った顔をしていると支援を受けやすくなる?

 その後男性は駅のエレベータに乗って地下へと降りていった。ともあれよかった。信号が変わり自分も横断歩道を渡る。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 雨の日はなにかとストレスを感じることが多いだろう。たとえば側を通り過ぎる車が起こした水しぶきを浴びて、不快感でいっぱいの表情の人を見れば思わず同情してしまう。

 最新の研究では困った表情や不愉快さを感じている表情などのストレスの兆候を示すことで、好感を持たれて支援やサポートを受けやすくなることが示されていて興味深い。


 研究者はストレス行動のパラドックス、つまり他の霊長類と同様に人間が今弱い状態であることを伝えるストレスの兆候を示す理由(頭を掻きむしる、爪を噛む、そわそわする、顔や髪に触れるなど)を調べました。

 彼らは誰かがストレスを感じている時を正確に特定できるだけでなく、ストレスの兆候を示した個人に対して人々がより積極的に反応することを発見しました。

 タスク中にストレスが多いと特定された参加者は、他の人からも好感が持てると認識され、人間がストレス信号を表示するように進化した理由についての手がかりをもたらしました。

 私たちは他の多くの動物と比較して非常に協力的な種であり、これが弱さを伝える行動が進化することができた理由である可能性があります。

※「University of Portsmouth」より引用


 ノッティンガムトレント大学とポーツマス大学の合同研究チームが2022年5月に「Evolution and Human Behavior」で発表した研究では、感じているストレスを素直に表情などにあらわす人は好意を持たれる傾向があり、他者からの支援を受けやすいことを報告している。人間は他者が感じているストレスを正確に特定できるだけでなく、ストレスの兆候を示した個人に対してより好意を持ち援助したい気持ちになるということだ。

 実験参加者はこれからすぐに模擬プレゼンテーションと模擬面接を受けることになるので直ちに準備をすることを求められた。つまり準備不足でプレゼンテーションを行い、面接を受けるというストレスフルな体験をすることになったのだ。そしてその後に各自がどれほどストレスを受けたのかを評価して自己申告した。

 このプレゼンテーションと面接の模様はビデオで撮影されたのだが、一方で別の参加者はそのビデオの人物がどれほどのストレスを受けていたのかを評価した。

 収集した回答データを分析した結果、主観的なストレスの程度と観察して評価したストレスの程度がきわめて一致しており、人は他者が感じているストレスをかなり正確に把握していることが明らかになった。そして面白いことにストレスを感じている者を見て好感を抱く傾向も浮き彫りになったのだ。したがって困った顔をしていたり、不快感をあらわにしている人物は支援されやすくなるのである。

 そしてこのメカニズムは人間が他者からの支援を得るために、ストレスの兆候を示すように進化した可能性が示唆されるということだ。

 なぜストレスを素直に表現すると好感を持たれるのか? 研究チームによればそのような感情表現度の高い人々は、よりソーシャルでありより活発な人的交流を持っていることが予測されるため、好ましい人物に感じられてくるということである。

 雨の日は何かとストレスを感じてそれが顔にも出てしまうかもしれないが、先ほどの男性のようにそんな時には意外にも他者からの援助の手を差し伸べられやすくなっているかもしれない。

地下にあるベトナム料理店でフォーと生春巻を堪能する

 雨が小降りになってきた。池袋方面に向かう春日通りではなく、大塚駅に通じている通りを進む。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 ラーメン店に続き、唐揚げのテイクアウト店、さらにコンビニを通り過ぎると、雑居ビルの入口にベトナム料理店の立て看板が置かれていた。フォーを売りにしている店であることがわかる。そういえばフォーも久しぶりだ。入ってみよう。

 店は地下1階にあり階段を降りる。けっこう暗くてちょっとスリリングでもある。店はすぐにわかった。店先にベトナムの国旗が掲げられているのだ。

 半分開いていたドアを開けると、先客はいなかったがお店の人が迎えてくれる。こぢんまりとした店内でテーブル席が4卓とカウンターがあり、たぶん10人も入れそうにない。それもそのはずというか、女性1人できりもりしているようなので、一度に対応できるのはせいぜい5人くらいなのだろう。

 奥の2人掛けのテーブル席に着くように促されて着席する。冷たいお茶のコップを持ってきたお店の人にランチメニューの「牛肉のフォー」を注文する。まずはコップのベトナムのお茶をひと口飲む。美味しい。

 小麦の価格が上昇している今、パン屋をはじめラーメン店やうどん店、スパゲッティ専門店やピザ店には打撃になることは明らかだが、むしろこれを契機に米粉を使った麺のフォーや米粉パン、あるいは十割そばなどが見直されるとすれは個人的には嬉しい限りだ。フォーを出す店は少しずつではあるが増えてきているように見える一方で、十割そばの店はこのコロナ禍で少し減ってしまったようにも思える。残念でならない。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 フォーがやってきた。見るからに美味しそうだ。別皿に盛られている葉物類は、追加の具材として適時フォーの器に入れながら食べるようにとお店の人から教えられた。

 まずはスープをひと口飲むがこれが美味しい。魚介出汁で優しい味だ。続いて麺を啜るも申し分ない。もちろんラーメンやうどんに比べればフォーはフニャフニャしていて歯応えはないのだが、それがフォーというものでこれはこれでいい。

 生春巻はけっこうなボリュームで、酢が効いている甘辛いソースにつけてひと口噛み千切る。生春巻の皮がモチモチしていて、一方で具材の野菜類はシャキシャキしていて食べ応えがある。

 美味しいものを食べている時の自分がどんな顔をしているのか、グルメ系YouTuberのように自撮りしたことはないのでよくわからないが、見るからに美味しそうに食べていればそれなりに共感を得られるのだろう。困ったりストレスを感じている表情だけでなく、どうせ見られるのであれば人を明るい気分にできる表情をしたいものでもある。

文/仲田しんじ

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