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食の世界における共創を生み出す「シェアキッチン」が注目される理由

2022.06.19

近年、ユニークなシェアキッチンが続々誕生している。シェアキッチンとは、料理教室などのイベントに使える、キッチン付きのレンタルスペースのこと。イベントに参加しない限り、素人には縁遠い場所と思ってしまうかもしれないが、コロナ禍において飲食業界がさまざまな変容を見せる中、新しい試みを積極的に行っているシェアキッチンを2つご紹介しよう。

(写真提供: Social Kitchen TORANOMON)

こんなところに広々スペースが!新大久保駅直結のシェアキッチン

JR山手線の新大久保駅直結という交通至便な場所にある、「Kimchi, Durian, Cardamom,,, (キムチ、ドリアン、カルダモン、、、)」。JR東日本が数年前から展開する山手線ブランド「東京感動線」により2021年3月に誕生した施設だ。

「山手線の各駅に特色を設け、町を元気にしようという取り組みで、新大久保のテーマとなったのが“食”です。韓国料理をはじめとする多国籍なレストランが多く存在し、幅広い世代に人気のあるこの街にピッタリだということで決まりました」と語るのは、運営会社CO&CO事業統括部長の伊崎陽介氏。

(写真提供:Kimchi, Durian, Cardamom,,,)

この施設は、4階が会員制の食のコワーキングスペースとテストキッチン、3階がフードコートとなっている。

「大手食品メーカーや料理人、料理家などもネットワークがあり、食・農に関するさまざまな方が日々出入りしています。食に関するセミナーも定期的に開催しており、会員だけではなく、外部の方も参加できます」(伊崎さん)。

つまり4階はBtoB、3階はBtoCのスペースとなっている。実際、4階でメニュー開発を行ったチャレンジャーが、3階に出店するということもあるそうだ。

「4階のコミュニティにおける、さまざまな食のチャレンジャーの掛け算で新たな価値が生まれるのはもちろん、4階で生まれたものを3階で試してみるという流れもあります。実際にあった例でいうと、中華料理のレストランをしている人が、台湾屋台料理をやってみたいとなり、 3 階でイベント出店をしたことがあります。

また、JR東日本のグループ会社のホテルが試験的なメニューで3階に出店し、好評だったものをホテルのメニューに加えるといったこともありました。また近々、『 K,D,C,,, Food Challenge』というコンテストも予定していて、勝ち残った方には 3 階へ出店してもらうという企画も計画中です。」(伊崎さん)。

地方と都市部のつながりを作り出す、3階のフードコート

地域に根ざす鉄道会社がオーナーであるからこその、地方食材を使ったイベントも多数行われているという。

(写真提供:Kimchi, Durian, Cardamom,,,)

「東北の三陸地方の『ほや』を使ったり、佐渡からシェフを呼び、地元の食材で料理を出すイベントもありました。東京にいながら地方を体験し、いずれその土地に旅行に行くというストーリーになるのが理想ですね」(伊崎さん)。

また、新大久保にあるレストランの有志が集い、3階のフードコートでしか食べられない特別メニューを展開するなど、地域に密着した企画も進めているそうだ。

「この施設の一番の目的は、新たな食のプロや食文化を育むこと。アメリカやスペインのバスク地方にあるような 、 食の事業家・起業家を育み支援するプラットフォームの役割を果たすのが目標です」(伊崎さん)。

今後もたくさんのイベントが控えているという。筆者は韓国料理が大好きでよく新大久保には行っているものの、今回の取材までこの施設の存在も知らなかったのだが、次回はぜひイベントが行われているときに、食べることで“地方の風”を感じてみたいと切に思った。

異業種のプロが集う、次世代型のシェアキッチン

次に話を聞いたのは、虎ノ門ヒルズ内にある「Social Kitchen」ディレクターの薬師神 陸氏。2020年12月にオープンしたこの施設は、90坪の約2/3がシェアキッチン、残り1/3が8席のみの完全予約制レストランだ。 

そもそも、この施設が誕生したきっかけは、コロナの時期に薬師神氏がさまざまな活動を形にしてきたことにあるという。

「2020年秋に、初めてD2C(Direct to Consumer…製造者がダイレクトに消費者と取引すること)のチョコレートのブランドを作ったんです。サイト構築から始め、オンラインショップも立ち上げ、好評でした。その制作過程において、既存のシェアキッチンの問題点を強く感じたんです。そもそも数が少ない、そして使用料が高い。

私たちの仕事は、仕込みや試作にとても時間がかかるので、高い使用料では難しい。また、プロ用の調理機器などを備えているところがないのが現状です。実際、活動の幅を広げたいシェフはたくさんいるのに、彼らの力を発揮できる場所がなかったんです」(薬師神さん)

最初は10人弱だったパートナーシェフと呼ばれる会員が40名弱に増え、さまざまな形で利用しているというが、その分野は多岐に渡るそう。

(写真提供: Social Kitchen TORANOMON)

「パン職人、バーテンダー、中華のシェフ、チョコレート職人など、ジャンルはさまざま。1日複数のシェフがキッチンを使えるのですが、異なる分野のシェフが集まる日は盛り上がりますね。普段触れることのない食材もありますから。『それ、どうやって使うの?』などの情報交換も盛んです」(薬師神さん)。

従来のシェフのコミュニティは、例えばオーナーシェフ同士が仲良しで、その弟子もつながる…というように限定されがちで、業種・業態が異なる人が交わることはなかったが、ここではそれが可能というわけだ。

会員は紹介制で、経歴などを重視するのはもちろん、ミレニアル世代以下、と限定しているそう。

「その理由は、デジタルネイティブだから、です。レシピをしっかりとデータとして残したい、調理プロセスをアーカイブに残したい、自分の作品やイベントをインスタグラムでPRしたい…となったときに、それを自らしやすい方たちだからです」(薬師神さん)。

フットワークが軽く、チャレンジ精神にあふれる世代ならではの活動とも言えるだろう。

プロのシェフたちが安心して働け、幸せになれる場所を目指して

「Social Kitchen TORANOMON」として、さまざまな企業のメニュー開発を請け負ったり、その試作から撮影まで行うことが多い現在だが、客を入れてのイベントも開催しているという。

「例えば、パティシエとバーテンダーが組んで、スイーツとドリンクのペアリングを楽しむ会などを催しました。普段、パティシエは店の奥のキッチンで調理をしていることが多く、お客様からフィードバックを得ることはなかなかできないので、生の声を聞けたことが嬉しかったそうです。私たちは、お客様に喜んでもらうのはもちろんですが、自分たちも幸せを感じるために、この場所を発展させていきたいのです」(薬師神さん)。

飲食業界にとって大きな痛手となったコロナ禍において、リアルにレストランで収益を得るのみではなく、例えばオンラインで販売できるプロダクトをつくって販売することで“働く保険”をかける――。そんな挑戦をする若いシェフをサポートする場にしていきたいとも、薬師神氏は語っていた。

今回の取材で、食のプロたちの熱い想いに触れ、コロナ禍でダメージを受け続けてきた飲食業界ではあるが、これからの未来は明るい!と実感した。この2つのシェアキッチンを始めさまざまな共創から生まれるアイデアやプロダクトが、今後大きく話題になるに違いないと確信した。

[問い合わせ]
Social Kitchen TORANOMON

Kimchi,Durian,Cardamom,,,(キムチ、ドリアン、カルダモン、、、)

※2022年6月19日(日)には、「バレニンミートダイニング東京'22」を開催。クジラ肉を使ったメニューを1日限定で堪能できる貴重なチャンス。参加費は無料。

取材・文/増本紀子(alto)

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