コンセントに挿すだけで漏電リスクがわかる
日本では、毎年約2万件の建物火災が起きているが、その約1割が、配線の劣化などによる漏電火災だという。
漏電とは、電気設備・配線の中に流れている電気が漏れ出すこと。それを防ぐため絶縁処理が施されているが、経年劣化や損傷によって絶縁能力が失われると、漏れた電気が埃などに引火して火災になる。
コンセントの奥で起きることなので、外部から見て異常がわかるわけでなく、多くの場合専門業者の助けを借りる必要があった。
その手間を省き、専門知識がなくても漏電リスクを判定できるのが、今回紹介する「WIRECARE」だ。
「WIRECARE」は、手のひらサイズの四角い筐体。隅からプラグがのぞいている。サイドの一辺には、インジケーターが見える。唯一のボタンは、同じ個所で検査を2度したいときのリスタートボタンである。
使い方は、実に簡単。検査したいコンセントにプラグを挿して10秒ほど待つだけだ。検査結果は、インジケーターの色で表示される。
■実際に使ってみた
さっそく使ってみよう。筆者は、とある大きな宿泊施設でワーケーションをしているが、およそ築30年くらいだろうか。電気設備は建築時からそのままものが多いので、気になって検査してみた。まず大広間のコンセントから。
上の写真のとおり、インジケーターのほぼ全体にわたってグリーンのランプが点灯した。この場合は「安全、優良」。現状、漏電の心配はないサインとなる。ただし、グリーンでも点灯部分が少し短いと、要注意。この時は、1か月に3回の検査を行なうことが求められる。
壁のコンセントだけでなく、電源タップも漏電のリスクはありうる。タコ足配線になって負荷が大きいし、踏まれたりで破損しやすいので、むしろ壁のコンセントよりも漏電リスクは大きいはずだ。
かなり使い込まれた電源タップがあったので、検査してみる。
さっきのコンセントの時より、グリーンの長さは1段階短いが、一応セーフであった。
次に壁のコンセントに直接挿すタイプの電源タップ。外観は汚れもなくきれいだが、パソコンやライトスタンドなど、常時ここから電気が使われている(検査時は、電気機器類のプラグは全部抜いておく)。
こちらは、オレンジランプが点灯。念のため、電源タップを外し、壁のコンセントに直接挿しても同じ結果となった。
オレンジランプは5段目のところまで点灯しているが、これは「修理・メンテナンスを推奨」のリスクレベル。1か月に3回の検査が求められ、これが悪化してレッドランプが灯るようになると、専門業者を呼んで適切な処置を受けることが必要となる。
以上、「WIREtおCARE」の機能はこれだけだが、漏電火災という見落とされがちなリスクへの気づきを促し、専門業者の定期検査費用が節約できるのがうれしいガジェットだ。
「WIRECARE」を開発したのは、台湾の電子機器メーカーであるBlook Livin。台湾最大のクラウドファンディングzeczec.comdで2千人以上の支援者を集め、米国連邦通信委員会などの認証を得ており、信頼性は折り紙付き。
日本では、正規販売代理店である合同会社Go Trading & Valuationsが、クラウドファンディングのCAMPFIREにて予約販売中。終了日(6月23日)まで間近なので、興味ある方は早めにチェックしておこう。
編集部注:記事掲載時には、記載のリターンが売り切れてしまっている場合があります。クラウドファンディングには立案会社の問題でプロジェクトが頓挫する可能性や支援金が戻らなくなるリスクも稀にあります。出資に当たっては、お客様ご自身でご判断いただきますようお願い致します。
文/鈴木拓也(フリーライター)