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老化は治療できる?消化器内科医の美肌評論家に聞く「老化を遅らせる方法」

2022.06.19

美肌ドクターが教える老化を防ぐ食べ方とは?

「アンチエイジング(抗老化)」という言葉が登場して久しい。とはいえ、基本的に「老化」は不可逆的なもので、誰しもやがては年老いていくというのが共通認識であろう。

ところが、医学の世界では、「老化は病気」「老化は治療可能」という考えが広まりつつあり、さまざまな研究が進んでいる。

さすがに「不老不死の妙薬」は今のところ現実性がなく、飲んだら10歳ぐらい若返るサプリメントの類も当面は難しそうだ。

ただ、老化の要因はいくつか特定されており、その要因をストップさせることで、老化現象を遅らせることが期待できるという。例えば、年齢を否応なしに感じさせる顔のシミやしわ。年相応どころか、まだ若いのにこれが目立つ人は、「酸化や糖化が進んでいるおそれがあります」――そう説くのは、消化器内科医で美腸・美肌評論家の工藤あき医師。

工藤医師は、「むき卵肌ドクター」の愛称で呼ばれるほどの美肌の持ち主。肌は、その人の老化の度合いを知るバロメーターの1つであるが、その若々しさの秘密を著書『老けない人が食べているもの』(アスコム)で明かしている。

■シミ・しわの原因となる酸化ストレスを抑えるコツ

ここでキーワードとなるのが、前出の「酸化や糖化」だ。この言葉が始めての人でも、「活性酸素」という言葉は聞いたことがあるだろう。活性酸素とは、呼吸で取り込んだ酸素の一部が変化(活性化)したもの。人が生きていく上で必要なものだが、多すぎると害をなす。これが「酸化ストレス」。工藤医師によれば、シミやしわは、「皮膚の細胞が酸化ストレスによって傷ついた結果」なのだという。

活性酸素自体は、体内で発生するのは止められない。それどころか、紫外線、食品添加物、排気ガス、ストレス、時間が経った揚げ物など外部の要因が、活性酸素を過剰に増やすという。逆に考えると、活性酸素を減らすヒントが、ここにありそうだ。工藤医師は、次のように語る。

「活性酸素は、免疫機能の向上や感染防御といった人体にとって重要な働きを担いますが、活性酸素が作られ過ぎたりそれを除去する力(酸化防御機構)が追いつかなくなったりすると、処理しきれなかった活性酸素が体内に蓄積され体に悪影響を及ぼします。

激しい過度な運動は逆に活性酸素が発生するので運動は少し息が上がる程度の強度が理想です。タバコの煙には体を酸化させる活性酸素をはじめ多くの有害物質が含まれているため、喫煙習慣のある人は少しでも控えることで酸化ストレスを軽減できます。
アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドは体内で過酸化水素を生み酸化ストレスを高めるので、摂りすぎは禁物です」

■体内の糖化を抑えて老化を遅らせる

次は、「糖化」についてみてみよう。これは、体内で糖とタンパク質が結合して起こる化学変化を指す。糖分たっぷりの焼き菓子の焦げ目と似たような現象が、体内で起きていると考えていい。

この糖化を経て、最終的にAGEs(糖化最終産物)という物質ができるが、これが老化を促進させる。例えば、皮膚のシミやくすみを生じさせ、筋肉が硬くなり、疲れやすくなり、心筋梗塞といった疾病の素因ともなる。まさに老化の元凶が、この糖化だ。

糖化を防ぐためには、どうしたらいいのか。工藤医師は次のようにアドバイスする。

「糖化によって作られたAGEs は、一度体内にできてしまうと代謝されにくく、細胞にどんどん蓄積されます。AGEsはタンパク質を変性・劣化させ本来の働きを阻害し、老化と密接に関わっているため、できるだけ糖化を抑えることが、老化を遅らせるポイントになります。

食事の際にご飯や麺から食べ始めたり、甘いお菓子やスナックのとりすぎは糖化を加速します。血糖値の上がりにくいGI値の低い食材を摂る、そしてゆっくり食べることも大事です。

生 → 蒸す → 茹でる・煮る → 炒める → 焼く → 揚げるの順にAGEsが上がるので生や蒸し調理がおすすめです。また、食後に運動を取り入れることも血糖値の上昇を抑えることができ、糖化の予防になります」

■見落とされがちな亜鉛・酵素に注目

ここで、酸化や糖化から離れて、現代人の老化を促進する別の要因をみてみよう。

それは「亜鉛」。必須ミネラルの1つでもあるが、不足している人が多い。薄毛など髪のトラブル、爪が割れる、口内炎ができるようなら「亜鉛不足の恐れがあります」と工藤医師は言う。

対策としては、亜鉛を豊富に含む食材を、日常の食卓に加えることにつきる。著書『老けない人が食べているもの』の中で工藤医師は、「牡蛎、豚レバー、赤身肉、卵黄、のり、チーズ」を挙げる。「ビタミンCと一緒にとると吸収力アップ」とのことで、ビタミンCを含む食材を組み合わせるとよいだろう。

また、注目すべきは「酵素」。工藤医師は酵素を、「炭水化物やタンパク質、脂質、ビタミンなどの栄養素が体内で吸収されて、エネルギーに変換されるときに大切な働きをする物質」と説明する。

そして、この酵素も現代人が不足しがちな栄養素だという。

「酵素には、腸内環境をととのえて皮膚のターンオーバーを促進する働きがあるのですが、ストレスやタバコ、加工食品ばかりの食生活などで体内の酵素が不足すると、便秘や疲労感を招くとともに、肌のシミやたるみが目立つようになります。

また、保存料や甘味料など、添加物の多い食品は、消化吸収するために酵素を大量に消費してしまうため、体内にストックしていた酵素が不足して、肌トラブルが起きやすくなります」

そこで注目したいのが「食物酵素」。読んで字のごとく、食物に含まれている酵素のことで、主に生肉や魚、野菜、フルーツ、発酵食品に含まれている。こうした食品を摂ることで、酵素を外部から補給することが可能となる。ただし、熱に弱い性質があるので、加熱しないで食べることが肝心。

工藤医師の話を聞いて、いかにふだんの食事(というか不摂生)が、見た目の老化に深く関わっているかがよくわかる。いきなり健康的な食事だけを摂るというのは難しいが、できるところからチャレンジしてみるとよいだろう。

文/鈴木拓也(フリーライター)


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