同じ音源であっても、質の高いオーディオ機器を通すことで全く別物に化けることがある。そのため高い音質を求めケーブルや接続端子だけでなく、部屋の湿度や電源にまでこだわる猛者もいるほどだ。
そんなオーディオファンに向けて、アドパワーがレコーディングエンジニア森元 浩二氏の監修のもとで開発したのがオーディオ機器・楽器用の音質改善シート『AdPower Sonic(アドパワー・ ソニック)』シリーズだ。
果たしてどのような効果が期待できるのか。さっそく概要を紹介しよう。
日本独特の低音のキレの悪さは静電気が原因だった!?
エイベックスエンターテイメントのチーフレコーディングエンジニア、そして日本レコーディング・エンジニア協会副理事も務める森元浩二氏のアドバイスのもと、クリアで雑味のない音を多くの人に楽しんでもらいたいという想いで自動車用製品から発展したのが、この「AdPower Sonic」シリーズだ。
その〝正体〟はスピーカーやアンプなどのオーディオ機器、またギターやドラムなどの楽器に貼り付けて使用する音質改善シート。
その開発の経緯や効果について、森元氏は次のように語っている。
湿度や電源の違いはそれほど音質に影響を与えない
森元氏 1985年にレコーディングの仕事を始めて、当時所属していた会社がロサンゼルス(LA)にも支社があり、年に数ヶ月LAでの仕事をする環境にありました。日本とLAを行き来する中で一番感じたのが、日本の音の独特な感じです。
低域のキレが悪く、全体に音の速度が遅い。それが私の日本の音の印象です。その後、ニューヨーク、ロンドン、ベルリン、パリ、ハワイ、ソウル、北京など海外で仕事をする機会が多かったのですが、そこでも日本の音の印象は変わりませんでした。
2002年に現在の本拠地、prime sound studio formを設立した際には、これまで培ったノウハウを投入して、「海外の音に近づく」ということを目標に設計をしました。結果、非常に音のいいスタジオになったのですが、日本の音の範疇を出ることは出来ませんでした。
LAは乾燥しているから音が良いなどと言われたりしていますが、我々レコーディングエンジニアは乾燥している冬も、湿気の多い梅雨もそれほど音が違うとは思っていません。
また電源の違いを言う方もいて、確かにそれは一つの要因なのですが、電源を使わない楽器の生音が先に述べたような「日本の音」をしていますので、大きな原因だとは思いません。そういった経験から、私は土地の音がある、それは地盤の違いなのでは、と結論づけていました。
静電気を除電することで電気信号を空気振動に変換する効率が向上
森元氏 しかし今回アドパワーと出会って、その効果を体験して、まるでロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドンで聞く様なキレの良い音になった、「海外の音」に少し近づいたのでは、と感じました。
今回製品開発の中でいろいろな実験をしましたが、静電気が音に与える影響は想像を超えるもので、あらゆる音響機材に対して静電気除電の効果があるのにびっくりしています。
スピーカーは電気信号を空気の振動に変換する部分で、空気は粒子で構成されています。粒子が静電気を帯びていると動きが悪くなり、静電気を除電することで粒子の動きが良くなる。そうして、電気信号を空気の振動に変換する効率が上がっていると考えてます。
そのような要因からか、スピーカーからの音のパワーが増して感じ、部屋の反射音などの影響を受けづらくなっているように感じています。まずは実際にスピーカーに使用して音のスピードの変化を体感して頂きたいです。
『AdPower Sonic』シリーズは、同社が特許を取得している静電気抑制技術を応用。製品裏の両面テープの剥離紙を剥がして機器に貼り付けるだけで手軽に装着ができるので、誰でも手軽に今使っているオーディオ機器や楽器の音質の改善が期待できるという。
利用できる機器はスピーカー、各種プレーヤー、アンプ、ドラム、ギター、ベース、マイクなど。ラインアップは、AdPower Sonic Lサイズ、AdPower Sonic Mサイズの2アイテムで、同社ではSサイズ、ドラム用など順次新商品を追加していくとアナウンスしている。
製品概要
品名:AdPower Sonic Lサイズ
価格:2枚1セット:税込9,990円
サイズ:36×98×0.5mm
品名:AdPower Sonic Mサイズ
価格:2枚1セット:税込6,990円
サイズ:27×75×0.5mm
関連情報:https://adpower-sonic.com/
構成/Ara