質実剛健な公立サウナの水風呂は高倉健のように黙々と冷えていた!!
何と、今回の施設は町田市営!
つまり公立なんですよ。地方とかにはたまにあるかもしれませんが、首都圏では珍しいですよね。
それも2022年年4月1日にオープンしたばかりの『町田市立室内プール健康増進温浴施設』。
どうですか? いきなりの17文字という超ロング施設名! さらにいえば、なんのヒネリもなきネーミング! これを〝堅ッ苦しい〟と感じる人もいるかもしれませんが、逆にワタシは飾り気のない清々しさを感じましたよ。
ほら最近は公営でも変にシャレッ気を出してカタカナだったり、逆にカタカナ言葉をひらがな表記するような施設もありますが(例えば「ルーム」を「る〜む」にしちゃうセンス)、そんな世間に迎合する風潮とは対極にある質実剛健さがありますよ。
とはいえ! 〝公立〟と聞いて、守りに入った平均点狙いのサウナなんじゃないか? と勝手にイメージしておりました。
要するにナメていたんです。
すみません!! そんな予想が、見事に外れました!
守りに入るどころか、攻めに攻めている驚愕のサウナでした。
だって水風呂の温度は、11℃だもん!!
もちろん、ここより冷たい水風呂も最近は増えてきたけど、そういう施設って水風呂の冷たさを売りにしてたりするじゃないですか。
でもここは、特にそれを宣伝するワケでもなく、それこそ質実剛健に飾りたてることもなく、いつも平常運転って感じで冷えてる!
これはもはや、口数少なく控えめなのに、自然と男らしさがほとばしる高倉健に通じるものがある。あの黙々とした男らしさ同様、黙々と冷えてる!
その水風呂の前には、手桶で水がくみやすいように胸の高さに設置された、温浴施設でたまに見るかけ湯槽があるんだけど、普通、あの中はお湯ですよね。ところがここは常温の水なの。
要するに水風呂に入る前の汗流し兼、水の冷たさに慣れるため用の「かけ湯槽」ならぬ「かけ水専用槽」。なんかイイでしょ〜!
もちろんサウナ室も、遠赤外線が体にグイグイ浸透してくる感じで芯から温まる!
実際のオペレーションは民間の協力会社によるものとはいえ、こんなに攻めてるサウナを市で作った町田市にただただ脱帽です!
で、ここには〝休憩室〟という、お酒や食事も提供してるけど飲食はせず、入浴後にただ休むだけでも利用できる部屋がある。
けれどこの休憩室。よくある温浴施設の食堂みたいに、荷物や服をロッカーに預けたまま利用できるのではなく、完全に温浴施設を退出した後に利用するというシステムなので、それを知らなかったオレは最初かなり戸惑いました。
でも最初からそういうものだとわかっていれば問題はないし、この休憩室のありがたいところは飲食物の持ち込みが可能なところ!
オレなんか焼酎をちょいと家から持ってきて、自販機の飲み物で割って呑んだもん。おかげで酒代も大幅に節約!
改めて町田市に脱帽中である。
ロウリュはできないが、ストーブ上にはサウナストーンてんこ盛り!! ここから体の芯に染み入る遠赤外線が大量に放射されている模様。
浴室内に1か所、天井にイイ風が噴き出してくる通気孔がありまして、その下が水風呂後休憩のベスポジ!!
落成時の休憩室の写真。今は椅子にテーブル、マッサージチェア、座卓&座布団完備。
持参の焼酎に自販機で買ったキリンレモンは150円! これに、『やきとり塩/もも』(150円)。安上がりって最高!
【DATA】
[住]東京都町田市図師町199-1 [電]042・792・7761 [料]大人700円(温浴) [時]10:30〜21:00 [休]第1・第3月曜(月曜が祝日の場合は翌日休) [交]町田バスセンター14番乗り場より「市立室内プール行」、または「室内プール経由(野津田車庫行)」で約25分、「市立室内プール」下車。町田市立室内プール併設施設。
カーツさとう
コラムニスト/プロドランカー。グルメ、旅、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。@DIMEの新・サウナ専門サテライトメディア『Saunner』もチェック!
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2022年4月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
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https://www.shogakukan.co.jp/books/09104258