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【深層心理の謎】雨の日に書くレビューは手厳しく辛辣な内容になりがちな理由

2022.06.18

雨が本降りになっていた。普通の傘を持っていて正解だった。まだ雨が降っていない時点で普通の傘を持って外出するのはあまり気分がいいものではないが、そういうことの含めて梅雨時期なのだと諦めるしかない。雨続きで気分もくすみがちになっていることを自覚すべきなのだろう。

雨の夜に中野駅南口界隈を歩く

 某所からの帰路、JR中野駅の南口界隈に来ていた。もうすぐ夜8時になろうというところだ。さっきまでの小雨が本降りになりつつある。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 

今日の昼に家を出る時にはまだ雨は降っていなかったが、夕方以降の降水確率が高かったので、折り畳み傘ではなくてわりとしっかりした傘を持って出ることにした。その思惑は功を奏した。こうして雨が本降りになった今、心もとない折り畳み傘だったら、早々に電車に乗って帰路に就くことになっていそうだが、しっかりした傘であればいい時間でもあるし、どこかで「ちょっと一杯」という気持ちにもなってくる。少しこの界隈を歩いてみよう。

 思えば昨晩も外で少し飲みたい気がしていたのだが、夕方から降り出した雨があがらず面倒になって断念した。夜になって仕事を切り上げるも外出は諦め、部屋でお酒を飲みながらパソコンでメールをチェックしてみると、某ネットショッピングサイトから、最近購入した商品のレビューを求めるメールが届いていた。

 レビューを求められた購入品は、普段使っている5枚刃カミソリの替刃のセットなのだが、届いた後になって少し調べてみると、どうやら本体と替刃がセットになっている商品を買ったほうが単価あたりで得なことがわかった。面倒なので返品はしないものの、この替刃のセットがお勧めの商品になっていたので購入したのは事実だ。

 お勧めの商品が本体セットの商品より高いのはどういうわけなのか、そのことについて指摘するレビューを書いてみようかと思い手を着けてみたのだが、少し書いて読み返してみると我ながらクドクドとした嫌味たらしい文章になっているのを自覚し、軽い自己嫌悪を覚えて書くのをいったん中断した。最後まで書いて投稿すべきかどうか保留中だが、面倒なのでこのまま書かなかったことになりそうだ。慣れないことをしないほうがよかったのかもしれない。

 両端に立つ2本1組の街灯の左側に「ファミリーロード」、右側に「中野南口駅前商店街」という表示が架かっている通りを進む。これまであまり来たことがなかったが、この辺にもいろんな店がありそうだ。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 昨晩、結局外で飲まなかったのは言うまでもなく雨が最大の原因である。こうして所用で一度外出した後であれば、雨でも飲もうという気にもなるが、雨が降り続く中部屋を出て、あえて外で飲もうという気になれなくとも無理はない。何かと気分があがらない梅雨時期なのだが、まぁそれならそれで無理にテンションを高めようとしなくてもよいのだろう。梅雨時期はそういうものだと割り切り、雨が降るのがわかっている日の外出は折り畳み傘ではなく、しっかりした傘を持つようにすればいくぶんかは気分の落ち込みも防げそうだ。

雨の日には手厳しく辛辣な気持ちになりやすい?

 通りを進む。喫茶店や焼肉屋、中華チェーンの店がある。その先にはどうやらパチスロ店があるようだ。もう少し先に進んでみよう。

 それにしても昨晩、普段はまず書くことのない商品レビューをなぜ書こうと思ったのか。それはやはり、雨足が強まり外で飲むのを諦めて少し手持無沙汰な時間ができたことも影響しているのだろう。しかし書きはじめたはいいが、我ながら辛辣でネガティブなレビューになってしまった。ひょっとするとこれも雨が関係しているのだろうか。最新の研究では、ホテルの評価についてのオンラインレビューは雨の日に投稿数が増え、評価が厳しくなることが報告されていて興味深い。


 この実証的研究では、不快な天候がオンラインレビューの提供とコンテンツに影響を与えるかどうかを調査します。

 ホテルの予約とレビューに関する12年間のデータと、消費者の自宅とホテルの住所の気象条件情報を組み合わせた独自のデータセットを使用しています。

 結果は悪天候がレビューの提供を増やし、過去の消費経験の評価スコアを下げることを示しています。

 これらの結果は、悪天候が否定的な消費者ムードを誘発し、評価スコアを低下させ、消費者の時間的制約を緩和し、レビューの提供を増やすというシナリオと一致しています。

※「Oxford University Press」より引用


 スイス・ルツェルン大学とイスラエル・ヘブライ大学の合同研究チームが2022年1月に「Journal of Consumer Research」で発表した研究では、書かれた時の天候がオンラインレビューの内容と評価に影響を及ぼしていることが示されている。

 研究チームは12年間で30万件にも及ぶホテルのオンラインレビューと、投稿者の住所の気象情報データを照らし合わせることで天候がオンラインレビューに及ぼす影響を検証した。

 分析の結果、悪天候がレビューの投稿数を増やしており、評価スコアを下げていることが浮き彫りになったのである。具体的には雨天ではレビューの投稿数が6.5%増え、加えて評価は平均で0.1ポイント低くなっていた。加えてレビューの文字量も増え、内容もより詳細な記述になる傾向も確かめられたのだ。つまり雨の日にはクドクドと長く辛口なレビューが増えているのである。

 昨晩の自分のように、雨などの悪天候の際には外に出にくいことから、普段よりも自由に使える時間が増えて、普段はやらないようなことをしてみる可能性が高まるだろう。

 そこで柄にもなく商品レビューなどを書いてみる気持ちにもなったりするのだが、雨で気分もくすみがちであるため、レビューの評価が厳しめになったとしても確かに不思議ではない。雨の日に行動力が低下し、加えて意味もなく辛辣な気持ちになっていないのかどうか、特に梅雨の時期には折に触れて自己チェックしてみてもいいのかもしれない。

ハイボールと前割り焼酎を立ち飲む

 通りを進むと十字路にさしかかる。3方向に延びるうちの左の路地にはあまり店はなさそうだ。左の路地を曲がってすぐのところには立ち飲みの店がある。生憎の天気であるというのにけっこうお客が入っている。人気店なのだろう。入ってみたい。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 店の入口の上には「酒屋がやってる立ち呑み屋」という看板がかかっていることもあり期待できそうだ。お店の人に好きな場所に着くように促されて、窓から外が見えるカウンターの一角に陣取らせてもらう。

 カウンターを仕切るパーティションに印刷されたメニューが貼りつけられていて、そこに記されていた店名が冠されたハイボールをお願いする。加えて店内に貼り出されている本日のお勧めメニューの中から「刺身盛合せ」を注文した。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 ハイボールに続いて刺身もやってきた。店員さんが運んできたタイミングで串焼きのネギマ、スナギモ、ボンジリを各1本でお願いした。

 ウイスキーブレンド焼酎で作ってあるというハイボールは確かに初めて味わう風味でなかなか美味しい。これは進みそうだ。刺身盛合せのほうもさっそくいただく。分厚いカツオが食べ応えじゅうぶんだ。

 梅雨だからといって引きこもっていれば気分も悶々としてきて、嫌味な商品レビューを書いてしまうことにもなりかねない。雨でも億劫がらずにこうして外で普段は飲むことのないお酒と料理を堪能することができれば、気分だけでも晴れるというものだ。

 串焼きもやってきた。もうすぐイボールを飲み干してしまうので、メニューにあった前割り芋焼酎を注文する。前割りというのは予め水割りにしてある焼酎のことで、九州・鹿児島の居酒屋などではわりと普通にあるのだが、東京で注文するのは初めてかもしれない。

※画像はイメージです(筆者撮影)

 すぐに提供された前割り焼酎をひと口飲む。まろやかな口当たりが水割りとはひと味違う。思いがけず味わうことができた前割り焼酎に気分も上がる。しかし当然だが水で割ってしまうと日持ちしなくなるので、お店側には注文が見込めないと仕込めないというリスクはあるだろう。

 雨が降るとそれなりに肌寒くもなるのが梅雨時期で、Tシャツにジャケットだけだと今夜もひんやりする。しかしこの梅雨が明ければ今年も猛暑がやってくるのだ。そう考えれば梅雨時期は猛暑の前にひと息つける貴重な時期と言えなくもない。立ち飲み屋で芋焼酎を飲みながら過ごす雨の夜も後で思い返せば少しは懐かしい思い出になるのだろうか。

文/仲田しんじ

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