小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

プラントベースのまぐろ、サバの端材フレーク、フードロス削減実現に向けたオイシックスの最先端ビジネス

2022.06.16

環境への意識を高めるため、6月5日は「世界環境デー」と定められている。また、6月8日は「世界海洋デー」ということで、日本では、6月の1か月間を「環境月間」とし、環境保全の重要性を認識するためのさまざまな行事が行われている。フードロス削減に取り組んでいる「オイシックス・ラ・大地」からは、アップサイクル食品やプラントベースの代替魚の新商品が発表された。

ビジネスモデルとテクノロジーでフードロスゼロへ

テクノロジーを活用したビジネスモデル。

オイシックス・ラ・大地は、小売店舗ではなくサブスクリプションによる宅配販売。安定した需要を生み出すことで、農家は安心して生産でき、フードロスも最小限に抑えることができる。全国4,000軒の農家の作物状況データや、45万人の顧客の購買データを活用し、最適な需要マッチングも可能だ。

GHG(Green House Gas)排出量は、実店舗型小売業平均と比べて、個別宅配を含めても約50%と大幅に低く抑えられている。また、アップサイクルやフードロス削減型商品の導入で、1年間に約310トンの畑のフードロスを削減し、さらなる活用を目指している。従来は産地で廃棄されていた素材を活用した商品の開発や、流通過程で規格外とされた素材の活用、またプラントベースの食材の販売を推進している。

例えば、ふかひれをとったあとのモウカザメの正肉は、ヨシキリザメと違い水分が多く、すり身に向かないため、流通にのりにくかった。その水分が多いぶん、熱を通しても硬くなりにくく、しっとりした食感になるという特徴をいかし、オリジナルメニューとして商品化したところ好評で、今後、定番化される予定だ。

Kit Oisixで登場した今後定番化を予定している「サメ肉竜田揚げ生姜入り出汁仕立て」

他にも、サバをさばいたときに出る端材から骨をとってフレークにし、手軽に使えるようにしたものが、時短になって便利と人気のミールキットに採用されている。レシピカードには、どのような経緯で生まれた食材であるかの説明もあり、家族でフードロスについて考えるきっかけになってくれることを期待している。

廃棄されていた芯をアップサイクル。

アップサイクルの素材としては、リンゴやパイナップルの芯を活用したチップスが7月7日から発売される。すでに販売されているブロッコリーの茎や大根の皮のチップス同様、今まで食べられないと廃棄されていた部分をおいしく食べられるように加工されている。

試食すると、リンゴは芯に近い部分に甘い蜜があるため、一般的なリンゴチップスより濃厚な味。今まで捨てていたのがもったいないと感じる一品だ。そのほか、不揃いの有機セロリは、凡庸性が高い野菜出汁にし、収穫後に廃棄されていた部位250キロが20万杯分のスープに生まれ変わっている。

バイオ炭を活用しカーボンニュートラルに向けた取り組みも

土壌に細かく砕いたバイオ炭を混ぜて栽培する。

光合成により二酸化炭素を吸収してくれる農作物だが、土壌中の炭素と酸素が結びつくことで二酸化炭素を排出してしまう。そこで、バイオ炭を土壌に埋めるバイオ炭栽培をとり入れている。農林水産省の「みどりの食料システム戦略」でも推進されているバイオ炭は、土壌中から二酸化炭素の排出を抑制する効果があり、温室効果ガスを吸収する栽培方法として注目されている栽培法だ。水質の浄化といった土壌改良効果もあるそうだ。まずは、バイオ炭栽培をとり入れた畑で育った青果をOisixで販売し、その後、ほかのサービスでも取り扱いを行う予定にしている。

取り組みについて説明してくれた(左から)オイシックス・ラ・大地株式会社 執行役員 グリーンプロジェクト責任者 東海林園子さん/Oisix EC事業本部販売推進室 神田聡美さん。

魚が食べられなくなる前に水産業の新たな取り組みとは

2050年までに養殖量を倍増しなければ需要に追いつかない。

サメやさばの廃棄されていた部分の活用も進めているが、それだけでは需要に追いつかないのが日本の水産業の現状だ。2021年の漁業、養殖業の生産量は、前年比1.4%減の417万トン(農林水産省2021年5月)で、輸入量は増加している。ただ、輸入にばかり頼っていると、現在も品薄のサーモンのような状況が起こり、高額になるだけでなく、食べられなくなる可能性も出てくる。さらに、世界的な水産物需要に対応して、漁獲量を増やすことは乱獲にもつながり、持続的ではないことから、養殖を増やす必要がある。

一方で、単純には増やせないという問題もある。海面養殖の場合、波が穏やかなところに限られる。また、陸上養殖の場合、水資源を畜産や農業とシェアすることや排水処理のエネルギーも必要になる。そこで、新たな養殖ソリューションとして、浄水して循環させたり、IoTなどで飼料の管理や調整を行い、陸上養殖システムを使えばどこでも養殖できるようにしたりするなど、さまざまな取り組みが行われている。

FRDジャパンの陸上養殖生サーモン「おかそだち」もそのひとつだ。おかそだちは、一般的な循環型陸上養殖では、1日30%以上の水替えが必要だが、人工海水をほぼ100%循環させることで、1日の水替えは1%未満。

循環型のため、取水や排水の許可が不要で、場所を選ばない。外的影響を受けないため、水温、水質、餌などすべての飼育条件をち密に管理でき、魚病もないという。試食したところ、脂がのっていて食感もとてもよかった。

新たなソリューションについて紹介してくれたオイシックス・ラ・大地株式会社 Future Food Fundキャピタリスト ジェニファー・ペレスさん。

水質や設備も重要だが、養殖で欠かせないのが餌だ。多くは、魚粉を餌にしているが、魚粉を作るために魚が必要になる。養殖が増えれば、魚粉の需要も増加する。すると、また魚が減ってしまうということになれば、本末転倒だ。

そこで、新たな魚粉代替飼料として着目されたのが、食品廃棄物を食べさせた昆虫だ。こおろぎなど、近年新たなたんぱく源として注目され始めたが、魚粉にも、こおろぎやかいこ、はえの幼虫が活用されている。

「世界のプラントベースシーフード企業は、120社で、そのうち87社がスタートアップ企業です。代替シーフードスタートアップの投資額は、230億円。前年に比べて92%増加しています。」と、Future Food Fundキャピタリスト ジェニファー・ペレスさん。世界で魚介類の養殖を2050年までに倍増しなければ需要に追いつかないことを考えると、当然の動きといえるだろう。

関西電力グループも陸上養殖事業に参画

天然の海に近い環境で育てられる国産エビ。

気づいていない、または、解決をあきらめている問題をビジネスとテクノロジーで解決することをミッションに、エビの養殖を行う関西電力のグループ会社「海幸ゆきのや」。なぜ、電力会社が養殖事業を行うのか。それは、再生エネルギーの余剰電力を食品に変換することにより、電力の有効活用のほか、社会問題の解決、地域活性化、食のインフラを守り創ることに貢献するためだ。

陸上養殖プラントで育てられた「幸えび」は、薬品を一切使用せず育成され、臭みがなく、旨味成分もクルマエビと同等だそうだ。プリッとした歯ごたえと、しっかりしたエビの甘味が感じられた。エビは、9割を輸入に頼っているため、輸入が途絶えると、ほぼ食べられなくなってしまう。また国内生産のため、フードマイレージも大幅に削減できる。しかも収穫後、すぐに活〆して瞬間冷凍されるため、1度の解凍であれば生食も可能だ。

こだわりのエビ養殖について話す関西電力株式会社 経営企画室 イノベーションラボ 山崎美緒さん。

食品廃棄ゼロを目指して、養殖中に間引いた小さいエビも商品にできるよう工夫し、脱皮した殻は、エビせんべいなどアップサイクル商品の開発も行っている。

プラントベースのまぐろも登場

プラントベースのImpactマグロ。

養殖技術の進歩も大切だが、将来起こりうる水産物資源の危機に着目し、プラントベースのシーフードも登場した。それが、「Impact Food Inc.」のImpactマグロと、「ネクストミーツ株式会社」のNEXTツナだ。

Impactマグロは、研究開発中で未発売だが、フードサイエンスの知識を活かして、マグロの個性を再現できる食材を選択して誕生したプラントベース。食感は、ややしっかりめといった感じ。日本で一般的に流通するころには、さらなる進化を期待したい。NEXTツナは、大豆が主原料の植物性100%の代替魚だ。すでにフレークになっているということもあるかもしれないが、まったく違和感なし。料理に使われていたら、これがプラントベースだとは気づかないのではないかと感じた。

2050年には、海洋プラスチックごみの量が世界の魚の総量を超えるといわれている
今、プラントベースのシーフードや養殖の需要は高まっていくだろう。今後、魚が食べられなくなるなんて日がこないように、環境月間が終わっても、環境に配慮したものを選ぶように心がけたいものだ。

オイシックス・ラ・大地
https://www.oisixradaichi.co.jp/

取材・文/林ゆり

興味のあるジャンルを登録して@DIMEをもっと便利に!話題のコーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」やAmazonギフト券が当たるキャンペーン実施中

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2022年6月16日(木) 発売

DIME最新号の特別付録は「LEDテープライト250」! 特集は「超快適ウエアラブル」「最新EV図鑑」!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。