Facebook Japanが4月に開始した「コミュニティマッチングプログラム on Facebook」。社会にSNSが定着し、多様なサービスが展開される昨今、同社は独自性を際立たせることができるか!? コミュニティの未来像を提示するプロジェクトの詳細を掘り下げる。
異なるコミュニティとの出会いが活動の幅を広げる
Facebook上で活動しているコミュニティ同士を、Facebook Japanがマッチングするプログラム。複数のコミュニティを統合したFacebookグループの立ち上げ、交流を活性化するMessengerルームミーティングの設定などを支援。さらに相互関係を深めるコミュニケーションの支援など、仕組みの提供以外の領域でも伴走する。
「ひとつのコミュニティだけでは達成出来なかったことも、コミュニティとマッチしたことで達成に近づくことができる」と同社。シナジーによってオンライン/リアル問わずグループの活動の幅を広げ、さらに新たな取り組みを生み出す狙いだ。
当面は、価値観を共有するコミュニティ同士をFacebook Japanが選定し、出会いの機会を提供する。第一弾として、毎週10分からのゴミ拾いを推進する「世界ゴミ拾い習慣化軍団〜世界一清潔な日本の文化を広げよう〜」、ビーチクリーン活動を行う「宮古の海をキレイにし隊」マッチングした。今後、事例を積み重ねながら試行錯誤し、サービスの提供価値を掘り下げていく。
Facebookの進む道がみえるプロジェクト
SNSでは、人と人が出会いコミュニティを形成する、既存のコミュニティに人が集まる、といった活動が行われてきた。だが、コミュニティとコミュニティを結びつける発想は、あまりなかったのではないだろうか。
今のところ成果は未知数だが、「コミュニティマッチングプログラム on Facebook」は、SNSとコミュニティの新たな可能性を提示し得る。
また、Facebookの進む道を、より具体的に示す取り組みでもある。Meta社(旧Facebook)は2017年、ミッションを「人と人との繋がりをサポートし、よりオープンで繋がった世界を実現する」から「コミュニティづくりを応援し、人と人がより身近になる世界を実現する」へ変更した。
Facebookが一般公開された2006年以来、さまざまなSNSが現れて、人と人のつながりは多様化。同時に、SNSの課題も明らかになってきた。
「コミュニティづくりを応援」するというミッションは、Facebookの機能(実名制やグループなど)に照らしても、独自の方向性を示している。2020年時点で、6億人以上のユーザーが、自身にとって有意義に感じられるFacebookグループに所属しているという。
これまでも、Meta社はFacebookグループの管理を支援する仕組みを用意し、管理者が集う「コミュニティサミット」を開催するなど、横の関係づくりに注力してきた。「コミュニティマッチングプログラム on Facebook」は、その最新の取り組みのひとつというわけだ。
Facebookは日本では2600万人、世界では30億人近くが利用する巨大プラットフォーム。彼らの提案によって、人と人のつながりはどのようにアップデートされるか? コミュニティマッチングが広く認知されれば、コミュニティ同士が自発的につながるような、大きなムーブメントにつながることも考えられる。現代社会で活躍するビジネスパーソンがフォローしておきたいテーマだ。
●プレスリリース
コミュニティ同士の出会いから、活動の可能性を広げる「コミュニティマッチングプログラム on Facebook」始動
世界ゴミ拾い習慣化軍団〜世界一清潔な日本の文化を広げよう〜
宮古の海をキレイにし隊
取材・文/ソルバ!
人や企業の課題解決ストーリーを図解、インフォグラフィックで、わかりやすく伝えるプロジェクト。ビジネスの大小にかかわらず、仕事脳を刺激するビジネスアイデアをお届けします。
https://solver-story.com/