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【カブガールが行く】室戸市でオーシャンビュー!バイクで行く女子二人旅

2022.06.15

前回の記事では和歌山港から出るフェリーに乗り、徳島港へと上陸した私とななちゃん。

これから1泊2日の四国旅が始まるぞ!と意気込んで走り出したのですが、その前に寄り道をすることになりました。というのも私の身体にちょっとした、本当に些細な事件が起きたのです。

腹が減っては戦ができぬ

徳島市の街は瀬戸内海特有の雰囲気を持っている。海が近くて穏やかで、深緑色。私の地元、広島にも似ているような気がした。

「結構車が多いんやな」

ななちゃんが言う。徳島港を出た私たちは海沿いの市道を走り、高知県へ向けて南下しようとしていた。その途中の信号を待っている間、右にあるイオンモールの駐車場では絶え間なく車が出入りしている。

そうだね、なんて答えようとした時、

「ググゥ……」

代わりにお腹が返事をした。まだ11時にもなっていないのに、早過ぎやしないだろうか?

情けなくなりつつもこれからの道中を思い浮かべてみる。主には国道55号線を走って高知県に入り、海を眺めながら室戸岬へ向かう予定だ。景色は良いはずだけど飲食店は少ないんじゃなかったっけ。

徳島市内でなにか食べておかないとお昼ごはん抜きになっちゃうかもしれない。そう思い、ななちゃんに提案をしてみた。

「ねぇ、徳島ラーメンって食べたことある?」

「ないよ!どんなのだっけ?」

「醤油ベースに生卵が乗ってるんじゃなかったかな」

「ええな!食べたい~!」

スマホで調べてみると、すぐ近くに老舗中華そば店があることがわかった。口コミには「今どきの流行ではなく、昔ながらの徳島ラーメンをいただくことができます」とのコメントが並んでいる。

開店は11時。ちょっと早いけど、5分や10分待てばいい。

ナビを見ながら訪れたその店は思っていたよりも小規模で、一度は気が付かずに通り過ぎてしまった。3台ほどしかない店の駐車場には既に1台の軽ワゴンが停めてある。開店はまだのはずだけど、既に営業は始まっているらしい。

バイクを停め、ガラガラと大きな音がする木製の引き戸を開ける。テーブルが4つとカウンター5席ほどの小さな店内。お店のお母さんが暖かく出迎えてくれた。

「中華そば2つ、普通盛で」

出てきた麺の上に生卵は乗っていなかった。

「徳島ラーメンと言えば生卵のイメージだったけど…最近できたルールだったんかな?」

「まぁええやん。肉が甘じょっぱくて美味しい!味は思ってたよりも濃いめやな」

食べている間にも続々とお客さんが入ってきて、気が付けば狭い店内には人がたくさん。全員が作業着姿。仕事の合間に昼食を食べに来たのであろうことがわかった。地元に愛されている店なんだな。

元祖(?)徳島ラーメンに元気をもらい、再び出発したのであった。

高知と言えばアイスクリン

順調に走り続けていた私たちは、予定通り国道55号線を通って南下した。しかし1時間ほどかけて徳島県阿波市に入ったあたりで、またひとつ問題に突き当たった。

「暑いな…」

「うん、ヤバい。もはや真夏やん…」

あと10kmほど走れば海が見える。そうすれば風が吹いて気持ちいいはずと励まし合ったのだけど、事実として夏日、おまけに目が痛くなるぐらいの直射日光のもと走っているのだ。今が辛いのだから、この先の道なんて慰めにならない。

8年ぐらいバイクに乗ってきて、最近ようやく気が付いたことがある。

ツーリングの時って、どんなに調子良く走っていても定期的に休憩をしなければいけない。

不調を感じる前に休んで水を飲む。身体と脳みそに疲れを悟らせてはいけないのだ。そうすることで、最後まで体力を保ったまま走り切ることができる。

「つまり、そろそろどこかで休憩をした方がいいってことだ」

徳島県海部群 日和佐の街に入ると、歩道にお遍路さんがいた。昔ながらの菅笠をかぶって白衣を羽織り、そしてウォーキングシューズを履いてリュックサックを背負っている。

一見アンバランスだが、山道を歩くことが多いお遍路さんにおいては合理的なチョイスなのだろう。伝統的な遍路用具すべてを揃える必要はないのだと、以前知人から聞いたことを思い出しながら彼の背中を追い越した。

真っ黒に日焼けした手足が筋肉質で、エンジンに頼っているにも関わらずヒィヒィ悲鳴をあげている自分が少し恥ずかしくなった。

「それでもね、やっぱりご当地のおやつを食べるのが大切だと思うんだよね」

道の駅日和佐で、もっともらしく言いながら2段重ねのアイスクリンをペロリと舐めた。

アイスクリンは高知県の名物アイス。一番人気のミルク味と、ご当地感のある土佐文旦味をオーダーした。ねっちりとシャリシャリの真ん中ぐらいの食感と、牛乳みたいな優しい味が特徴だ。

ベンチに座ると激しい鳥の鳴き声が降ってきた。見上げれば、燕の巣だ。あと10日もすればきっと巣立つのだろう。フワフワの雛たちは押し合いへし合い親鳥から食べ物を受け取っていた。

こんな小さな鳥ですら頑張って鳴いているんだもんな。500mlペットボトルのスポーツドリンクを買い、一気に半分を飲んで再びバイクにまたがった。

室戸市でオーシャンビュー!

道の駅日和佐を出ると、ほどなくして海沿いの道に入った。ゴツゴツした黒っぽい岩の上に穏やかな波が寄せているのが見える。海岸に沿って緩やかにカーブした道は、小型バイクでトコトコ走るには丁度良い。

胸いっぱいに空気を吸い込むと潮の香りがする。バイクに潮が付くと錆びやすくなってしまうのだけど、今日は細かいことは気にしないことにした。

「やっほーぅっ!この景色を待ってたよ~!」

気が付けば室戸市に入っていた。目的地のむろと廃校水族館までは、あと10分だ。

お魚天国、むろと廃校水族館

むろと廃校水族館は、国道55号線から1本山側に入った小道沿いにある。

看板に従って右折すると、爽やかな水色の建物が見えた。3階建てで、不思議と元小学校であることがわかる構造だ。母校でも何でもないのに懐かしさがこみ上げてくる。

元校庭の広いスペースはアスファルトで舗装され、駐車場化されている。自転車置き場には壊れた不動っぽい角目スーパーカブが置かれていたので、私たちもその隣にバイクを停めさせてもらうことにした。

「見て。登校9時、下校17時だって!」

ななちゃんが入り口の表示を指さして笑う。開館・閉館時間の表示だ。元学校ならではのシャレが効いている。

入場料600円を支払って館内に入ると、さっそく一風変わった展示がお出迎えしてくれた。

「タッチプール」「やさしく触ってね」と書かれたその水槽は、どう見ても手洗い場なのだ。しかしビニールで保護されたシンクの中には海水と砂が入れてあり、海老やナマコ、ヒトデなどが飼われていた。(もちろん水道は使えないようにしてある)

「ちょっと美味しそうに見えるね…」

そう言いながらこぶしよりも大きな海老を撫でた。

ボイルにしてマヨネーズをつけたらよく合うに違いない。クリームソースとパン粉をまぶしてグリルにするのもいいな。…生きている姿を見ながら具体的な食べ方まで想像する私は酷い人間なんだろうか?

教室だった空間を丸ごと使って設置されているのはウミガメの水槽。5匹の大きなカメが、おもちゃの飛行機の翼みたいなヒレを上下に振りながら悠々と泳いでいる。

「よく見ると目が人間っぽいんだよね」

そう言いながらななちゃんが水槽に近づくと、水面近くを泳ぐカメがパシャ、と海水を飛ばしてきた。悲鳴をあげながらも嬉しい気持ちがこみ上げる。だって、こんなに近くでウミガメを見たのは初めてなんだもの。

ただしカメは見た目以上に噛む力が強いので、上から手を入れて触るのはもちろんNGだ。

最後はむろと廃校水族館一番の見せ場、25mのプールを丸ごと使った大胆な展示だ。ウミガメや魚が数えきれないほど、自由気ままに泳いでいる。

「あれはカンパチ、クロダイ…真鯛もいる!イワシの群れも!」

「やだ、お腹空いてきた。今日の夕ご飯って魚の予定だよね?」

どうして水族館に行くと食べることばかり考えちゃうんだろう。自分がここまで食い意地が張った人間だとは知らなかった。

カンパチは直線的に素早く、真鯛は蝶のようにヒラヒラと泳いでいる。よく見るとクロダイはサメやエイの後ろを追いかけているようだ。普段水槽を見る時は横から見ることが多いため、上からの景色は新鮮だった。

飼育員さんがカメの甲羅を洗うのを眺めながら、だんだん陽が傾いていくのを背中で感じた。

下校前、記念にブリかサバの人形が当たるクジを引くことにした。ハズレはなし。4等では30cmほど、特等ではなんと1mほどのビッグサイズ当たるのだ。

「特等が当たっちゃったらどうしようね?」

「紐で縛ったら持って帰れなくもないかな…」

心配をしていたけれど、もちろん特等が当たるはずはない。ななちゃんが3等、私が4等。持ち帰りやすいサイズ感で、ある意味くじ運があるということにさせてもらいたい。

モチモチした触り心地のアジとサバを撫でながら、バイクの元に戻ったのであった。

【続く】

むろと廃校水族館にて。かつて小学生たちに使われていた跳び箱はくり抜かれ、イモリが展示されていた。

教室らしさが残されている部屋。大きな三角定規、子供の頃武器代わりにして遊んでいたな。

ガチャガチャで魚のエサを買うこともできる。

購入したエサは、ボラの大群の水槽で使う。まるでパニック映画に出てくるピラニアみたいに群がるボラたち。

子供のころは不気味で入る勇気がなかった理科準備室は、骨格展示に使われている。

屋外プールではちょうど飼育員さんがウミガメの甲羅を洗っていた。竜宮城に連れて行ってもらえそうなぐらい大きい!

文/高木はるか

アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。

高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com

編集/inox.

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