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マンパワーグループの執行役員・田村紀和さんに聞く在宅勤務で変化した「マネジメント」のポイント

2022.06.15

■連載/あるあるビジネス処方箋

前々回から3回にわけて、女性のリーダーを紹介したい。今回が、最終回となる。75カ国・地域で幅広くネットワークを展開する総合人材会社であるアメリカのマンパワーグループの日本法人・マンパワーグループ株式会社(東京都港区・従業員3770人)の女性執行役員・田村紀和さんに、リーダーとして必要な資質や力、部下育成などチームビルディングについて取材を試みた。

田村さんは広報室室長として2人の部下を、CX推進課課長として2人の部下を率いる立場であり、執行役員としても経営に参加している。

1回:リーダーシップのあり方
2回:部下への接し方 ~メンバーにダメージを与えないように~
3回:マネジメント

◆プロフィール

田村紀和 (たむら きわ)さん

外資系ホテル勤務を経て、2000年にマンパワーグループ株式会社入社。戦略的顧客に対する企画提案職に従事。2009年に退職し、海外に滞在。2010年に帰国し、人材サービス会社に入社。マネージャーとして事業開発に取り組む。2012年にマンパワーグループ株式会社に復職。2014年、広報室室長兼CX推進課課長。2019年から執行役員。

働き方の選択肢が増え、これまで以上に情報共有やコミュニケーションが大切

最近、在宅勤務が増えてマネジメントのあり方が変わりつつある。田村さんは、どのように捉えているのだろうか。

「会社としては、在宅勤務とオフィスへ出社する勤務の双方を業務上支障がないことを前提に全社員に認めています。私の場合は現在、平均で週1~2日が在宅勤務です。メンバーも、そのくらいです。働き方の選択肢は増えているとは実感していますが、これまで以上にメンバー全員の情報共有やコミュニケーションが大切になっているとも思います。

この2年間は毎日(月~金)2回、朝(午前10時)と夕方(午後17時)に、原則としてメンバー全員が参加するミーティングを1回につき、15分ほどオンラインでしています。私は表情をメンバーに見せるため、毎回、画面に顔を出すようにしているのです。それをメンバーに求めることはしていません。

ミーティングの目的は各自の仕事の進捗の確認ですが、それに加え、全員の心身の状態を確認したいのです。部署や各自の仕事がスムーズに進んでいる時は、メンバーたちの団結力が強くなり、テンションは高くなります。うまくいかない時には個々がバラバラになりがちです。モチベーションが下がることがありえますから、この時には細心の注意を払っています。

在宅勤務を始めるよりも前からメンバー間の情報共有を進めるために、1つの仕事をメンバーがペアを組んでするようにしています。どちらかをメインの担当者に、もう1人をサブと位置づけています。このような仕組みや機会を増やすことも、チームビルディングに大切な視点だと考えています。

マイクロソフトTeamsの機能をフル活用しています。出社在宅問わず、情報を“タイムリーに”“過不足なく”チーム内で共有することが最優先、という共通認識を持って対応することが重要です」 

女性が経営判断に関与する重要性が高まっている

現在、20人を超える執行役員の中で唯一の女性が田村さんだ。どのように認識しているのだろうか。

「ある意味で恵まれていたように思います。現在の会社でも複数の部門が関与する企画提案、広報に携わってきましたから、社内外の様々な部署の人と接することが多かったように感じます。

それが、ネットワークや人脈を作るうえで役に立ちました。ですから、一般職の頃から管理職や役員の仕事を私なりにイメージできる機会が多かったように思います。はじめて管理職になったのは2006年の頃ですが、ためらうものはあまりなかったのです。

自分が管理職や役員の仕事の様子を早いうちからイメージできる環境にいたこともあり、今年の6月から、女性の管理職が役員と一定の期間、マンツーマンで仕事をする機会をスタートしました。このプロジェクトに実行責任者の1人として関わっています。今後、役員になってほしいと私たちが願う女性管理職に、役員はどのような仕事をしているのか、とイメージできるような場を作りたかったのです。

まずは、イメージができることがキャリア形成では大切です。このプロジェクトの状況を見つつ、一般職が女性の管理職にマンツーマンで学ぶ機会を設けることも今後、提案していきたいと考えています。

仕事をする際には、「100%+αの考え」で臨んできました。持っている力を出し切り、さらにそれよりも上のレベルのものを追求してきたつもりです。それをメンバーにも、機会あるごとに伝えています。100%+αの姿勢で取り組まないと、大きな成長はしないように思います。

雇用形態や働く場所の選択肢が増え、キャリアに対する考え方も多様化していますから、女性が経営判断に関与する重要性が高まっています。女性がためらうことなくその機会にチャレンジできるよう、今後は、+αの成長を後押しする仕組みづくりに寄与していきたいと考えています」

女性の管理職や役員を増やそうとする企業は増えてはいる。全管理職のうち、女性を何%にするといった数値目標が先行するケースが多い。企業取材をしていると、これが各部署で混乱をもたらす傾向があることを知る。

管理職になり、部下を率いてチームを時間内に作り、業績を上げることは相当に難しい。まして、今は社員の価値観やライフスタイル、就労のあり方、雇用形態、キャリア形成のあり方などが多様化している。さらには、労働時間の規制やパワハラなどへの厳しい法的な対応も整いつつある。

こういう時には、本来は数値目標を設け、一定の縛りをかけるものではなく、昇格の際には経営層が柔軟に対処すべきものと私は思う。たとえ、数値目標を達成できなかったとしても、管理職にふさわしい人のみを選ぶべきである。そうでないと、優秀な人材(この場合は部下)がつぶれてしまう場合があるかもしれない。

日本の場合、いったん管理職にした後、降格にするのは法的に困難であり、事実上、不可能に近い。こういう硬直した人事のあり方でありながら、安易に管理職にするのはリスクがあまりにも大きい。

この意味でも、田村さんらが進めるプロジェクトは理にかなっている。私が30年程の取材を振り返ると、外資系企業で頭角を現す女性には共通項があるように思う。

その1つが、ビジネスをするうえでの枠組み(フレームワーク)を的確に捉え、それをメンバーと共有する技術を身につけていること。もう1つが、メンバーを効果的に動かす術を心得ていること。この2つを確実に、着実に堅実にできるからこそ、リーダーとしてチームを作ることができるのだろう、と私は見ている。

日本の新聞や雑誌、ネットニュースでは「女性の管理職や役員を増やそう」とは呼びかけるが、なぜか、外資系企業で頭角を現す女性には優れた一面があることをきちんと報じない傾向がある。この3回のシリーズでは、このあたりまで踏み込みたいと思っていた。

読者諸氏は、田村さんから何を感じるだろう。

文/吉田典史

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