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マンパワーグループの執行役員・田村紀和さんがチームビルディングで大事にしている「部下への接し方」

2022.06.14

■連載/あるあるビジネス処方箋

前回から3回にわけて、女性のビジネスリーダーを紹介する。今回は、その2となる。75カ国・地域で幅広くネットワークを展開する総合人材会社であるアメリカのマンパワーグループの日本法人・マンパワーグループ株式会社(東京都港区・従業員3770人)の女性執行役員・田村紀和さんに、リーダーとして必要な資質や力、部下育成などチームビルディングについて取材を試みた。

田村さんは広報室室長として2人の部下を、CX推進課課長として2人の部下を率いる立場であり、執行役員としても経営に参加している。

1回:リーダーシップのあり方
2回:部下への接し方 
3回:マネジメント

◆プロフィール

田村紀和(たむら きわ)さん

外資系ホテル勤務を経て、2000年にマンパワーグループ株式会社入社。戦略的顧客に対する企画提案職に従事。2009年に退職し、海外に滞在。2010年に帰国し、人材サービス会社に入社。マネージャーとして事業開発に取り組む。2012年にマンパワーグループ株式会社に復職。2014年広報室室長兼CX推進課課長。2019年から執行役員。

ネガティブなフィードバックの伝え方はとても難しい

上司として部下に接するのは、実に難しい。命令をしているだけでは、リーダーとは言わない。指示や助言をする場合でも、細心の注意が本来、必要になる。特に否定的なことを言わなければいけない時は、リーダーの経験、力量と見識、人間力が問われる。田村さんは、どのように試みているのだろうか。

「メンバーに例えば、ベストを尽くしたアクションについて結果が伴っていない、もしくは第三者からの評判が悪いといったネガティブなフィードバックを伝えざるを得ない時は、確かに難しいと思います。これが唯一の正解といったアプローチはきっとないのでしょうね。一人ひとりの受け止め方、反応は違いますから、それぞれを丁寧に観察し、その都度、対応を変えていく必要があります。

ネガティブなフィードバックは、そのまま伝えないほうがいい人がいるのかもしれません。伝えるにしても、タイミングを変えたほうがよい場合もあります。

この“どのように伝えるか”は部下育成やチームビルディングをするうえでの、1つのボーダーラインに思います。とても難しいものです。私の経験で言えば、緊急性を伴わない内容はその時点では伝えるのは避け、とりあえずは自分の心の中で消化する時もあります。

トライアンドエラーの繰り返しで、コミュニケーションの難しさを感じた時期もありました。その時期を超えると、メンバーたちが成長していく姿を見るのが楽しみになってきました。

そんな余裕ができると、自分が発する言葉も変わってきます。例えば、仕事の進捗が遅れているメンバーがいるとします。今は、「なぜ、できていないの?」ではなく、「スピードアップをするためには、私や他のメンバーはどのような支援が必要か」と言います。支援は必要なく、進捗管理に課題がある場合がほとんどです。その場合は、本人に課題の洗い出しをしてもらいます。

チームビルディングにはコミュニケーションが重要

日々の仕事においては、部下にどのように指示をしているのか。全体の大きな枠組みやそのポイントなどは、どうしているのだろうか。この枠組みを伝える時に、リーダーの力量に差が出る。多くのリーダーは仕事の細部は具体的に伝えることができるが、枠組みは得てして大まかなアウトラインであり、詳細に言葉として伝えることが難しいからだ。

「物事を進めるうえで何らかのフレームワークはあるものですが、これを言葉でメンバーに伝えるだけでは、正確には理解してもらえない場合があります。私は、状況に応じてホワイトボードやメモに書いたり、イラストや絵を描いたりしています。それをメンバーがさらにうまく、まとめ直してくれる時があります。

メンバーの状況によって、文字で起こす場合とイラストなどにする場合を使い分けています。全体像を伝えなければいけない場合は、イラストやマトリックスを使うことが多いのです。“フレーム”なので、大きな円を描き、円の外部にマーケット状況、内部に社内の状況をランダムに書き出します。そこに数字やプロセスを載せていくというシンプルなものや、重要度、緊急度マトリクスもよく使用します。

フレームを理解出来ていても、メンバーが自身の考えを整理できていない場合があります。この際はこちらから質問を投げかて、その回答を文字に起し、客観的視点を交えた簡易チェックリストを作成します。文字に起すことによって見えていなかったものが可視化され、本人の中でストーリーの整理が可能になるのです。

最適なアクションを起こすためには、チームの状況把握と、先ずは自分が動いてみる事が大切だと考えています。各自の考えを整理する、もしくは潜在能力を引き出すアクションですから、軌道に乗ると、アイディアが溢れ出てきます。

私自身の状況把握が中途半端だと、メンバーに効果的なアクションでアプローチが出来ないために、議論が錯綜し、疲労感だけが残る結果になります。こういうアクションの後で、各自に対応してもらう場合もあります。私が意識しているのは、口頭だけで伝えないこと。可能な限り、いろいろと工夫し、理解してもらえるような伝え方にしています。

今では、メンバーの間で話し合う時にも各自が手元にメモを置いて、そこに書き出して意思疎通を図ることも増えてきました。このような繰り返しで、チームビルディングを進めているのです」

チームビルディングというと、人事コンサルタントなどの中には特別な知識やノウハウを持つことを説く人がいるが、田村さんはまずはふだんのコミュニケーションを丁寧に繰り返すことを重視している。

ふだんのコミュニケーションの中でメンバーへの説明を大切にする。田村さんは、リーダーには説明責任があると話す。例えば、個々のメンバーへの指示や意思決定、その理由などのほかに、部署の業績や進捗、その理由や背景、さらに会社の状況などだ。

「何かの問題にぶつかるなどしてうまくいっていないために説明が難しい場合でも、説明は可能な限りすべきと考えています。その際に例えば、『これは経営(役員など)が決めたので…』『アメリカの本社が決定したことなので…』といった話し方では、メンバーにはなかなか伝わらないと思います。

この伝え方は自社のことであっても、他人事のように見る、いわば“他責”になりかねいと私は受け止めています。メンバーには、他責の姿勢で仕事に取り組んでほしくないのです。意思決定に関わっていない場合、自らの問題として意識するのはとても難しいことですが、他の人が決定した事でも“必ず理由と背景がある”という話をするように心がけていいます」

次回(最終回)では、田村さんが今後のマネジメントについてどのように考えているか、を取り上げたい。

文/吉田典史

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