シューズボックスに新しい価値を与える!
近年、海洋プラスチックごみ問題や地球温暖化問題など、世界的にSDGsへの関心が高まっている中、ゴールドウインが展開する「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」が、シューズボックスに新しい価値を与える「Upcycle Collection」を始動して話題となった。
「Upcycle Collection」とは、ザ・ノース・フェイスが段ボールアーティストの島津冬樹氏とともに、シューズボックスに新しい価値を与えるというもの。そのシューズボックスには、ミシン目が施されており、「パスポートケース」「ポーチ」「ラゲッジタグ」「ピルケース」を作製することができるようになっている(※パスポートケースの紐は製品に付属しない)。
このプロジェクトは、世界各国を尋ね歩き、その土地ごとに多種多様なデザインのダンボールから財布や家具など、さまざまなプロダクトを制作する島津氏の「不要なものから大切なものへ」という活動コンセプトに共感しコラボレーションが実現。
本来であれば廃棄されるシューズボックスに、楽しみながら新たな命を吹き込むことによって、さらに新しい価値観が芽生え、地球環境を考えるきっかけになることを願っているのだという。
島津冬樹氏のプロフィール
1987年生まれ。多摩美術大学卒業後、広告代理店を経てアーティストへ。2009年の大学在学中、財布が買えなかったため、家にあった段ボールで間に合わせの財布を作ったのをきかっけに〝Carton〟として活動を開始。個展やワークショップのほかテレビや雑誌などのメディアで幅広く活動。2018年自身を追ったドキュメンタリー映画『旅するダンボール』(監督:岡島龍介/配給:ピクチャーズ・デプト)が公開。また初のエッセイ「段ボールはたからもの 偶然のアップサイクル」(柏書房)、「段ボール財布の作り方」(ブティック社)がある。
また、2021年7月から10月にかけて「THE NORTH FACE」一部直営店限定で、不用となったシューズボックスに新たな役割を与える参加型インスタレーション『Think out of the box ― UPCYCLE STAND TOUR』を実施した。
Velocity Knit II GORE-TEX Invisible Fit(ベロシティ ニット ツー ゴアテックス インビジブル フィット)
そして、このシューズボックスは、環境配慮型のアーバンライフスタイルシューズ「Velocity Knit コレクション」で、プロジェクトの第一弾として採用。シューズ本体の素材も100%リサイクルニット材をアッパーに採用するとともに、アウトソールには石油成分を削減し自然顔料を使用した「Vibram N-OIL(ビブラム ノイル)」を採用。
Velocity Knit Lace II GORE-TEX Invisible Fit(ベロシティ ニット レース ツー ゴアテックス インビジブル フィット)
機能面では、「GORE-TEX Invisible Fit(ゴアテックス インビジブルフィット)テクノロジー」の採用により高い防水透湿性、蒸れの軽減などの快適性を追求した防水シューズで、天候や気候に左右されず幅広く活用できるようになっている。
Velocity Knit Mid II GORE-TEX Invisible Fit(ベロシティ ニット ミッド ツー ゴアテックス インビジブル フィット)
今回の取り組みは、楽しみながら身の回りにあるものの価値を考え直すことで、環境配慮について意識するきっかけにつなげること。自分で実際に作り直すことで、別のモノに生まれかわるというエコなサイクルを体感できる。そんな、楽しみながらサステナビリティを学べるという点でいうと、キッズ向けアイテムなどとも相性がよさそうだ。
関連情報:https://www.goldwin.co.jp/tnf/special/upcycle-collection/
取材・文/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)