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企業間の新たな取引で締結するNDA、守らなかったらどうなる?

2022.06.10

企業間で新たな取引を検討する際には、NDA(秘密保持契約)を締結するのが一般的です。

NDAに定められたルールを守らないと、思わぬ高額の損害賠償責任を負う可能性があります。企業担当者の方は、禁止行為の内容を正しく理解して、NDA違反が発生しないように努めてください。

今回は、NDAによって禁止されている行為や、NDA違反を犯した場合のペナルティなどをまとめました。

1. NDA(秘密保持契約)とは

NDA(秘密保持契約)とは、取引当事者間でやり取りされる秘密情報につき、第三者への流出を防ぐ目的で締結される契約です。

企業間で新規の取引を締結する際には、当事者間で互いの事業に関する重要情報をやり取りすることがあります。営業秘密に当たる重要情報は、当事者の信頼関係の下でやり取りされるため、第三者への開示は予定されていません。

また、他社の介入等を防ぐためには、その取引を検討中であるという事実自体も秘密にしておくべきです。

上記のような考慮の下、取引の相手方が秘密情報を勝手に流出させてしまうことを防ぐため、NDAを締結することが多くなっています。

2. NDAで禁止される主な行為

一般的なNDAでは、主に以下の事項が禁止されています。

2-1. 秘密情報の無承諾開示・漏えい

相手方から開示を受けた秘密情報を、相手方の承諾なく第三者に開示・漏えいすることは、原則として禁止されます。

ただし例外的に、官公庁の命令等による開示は認められるほか、

職務上の守秘義務を負う者(弁護士・公認会計士・税理士など)に対する開示や、関係会社への開示が認められるケースもあります。

2-2. 秘密情報の目的外利用

想定している取引を検討する目的を超えて、秘密情報を利用することは禁止されます。

(例)
・取引とは無関係に秘密情報を利用して、独自に製品開発を行う
・相手方から開示を受けた顧客リストを利用して、取引とは無関係に自社事業の営業活動を行う

2-3. 秘密情報の無断複製

流出リスクが増大することを防ぐため、秘密情報の無断複製は禁止されるケースが多いです。

NDAの当事者は、秘密情報が記載・記録された書面や記録媒体を、十分慎重に管理しなければなりません。

2-4. 契約終了時に秘密情報を破棄・返還しない

取引の検討が終了した際には、NDAも終了させることになります。その際、やり取りした秘密情報は利用の必要がなくなるため、速やかに破棄または返還すべき旨を定めるのが一般的です。

NDAが終了したにもかかわらず、こっそり秘密情報を保管し続けていると、NDA違反に該当します。

3. NDAに違反したらどうなる?

NDA違反を犯した場合、相手方に生じた損害を賠償しなければなりません。

3-1. NDA違反により相手方に生じる損害の例

NDA違反を犯すと、相手方に対して、思わぬ巨額の損害を発生させる可能性があります。

以下に挙げるのは、NDA違反によって相手方に生じる可能性がある損害の一例です。いずれも相手方の事業全体に波及し、想定外に高額となるおそれがあります。

①営業秘密の他社流出による売上・利益の減少

相手方のノウハウや顧客リストが競合他社に流出した場合、競合他社はその情報を利用して、相手方の市場シェアを奪おうとするでしょう。

その結果、相手方の売上・利益が大幅に減少する可能性があります。

②信用の失墜による売上・利益の減少

相手方自身の責任ではないとしても、保有していた営業秘密が流出した事実が報道されれば、相手方の社会的な信用の失墜に繋がりかねません。

社会からの信用を失い、ブランドイメージが低下すれば、相手方の売上・利益は減少する可能性が高いです。

③取引機会の喪失による逸失利益

NDA違反が発覚すれば、当事者間で予定されていた取引は頓挫し、検討中止となってしまうかもしれません。

その場合、取引によって相手方が得るはずだった逸失利益が、NDA違反によって生じた損害と評価される可能性があります。

3-2. 違反者は相手方に生じた損害を賠償する義務を負う

NDAに違反した当事者は、上記で挙げた例を含めて、相手方に生じた損害を賠償する義務を負います。

損害賠償の範囲は、NDAで定めたルールによって変わります。以下に挙げるのは、NDAにおける損害賠償規定の文言の一例です。

<損害賠償責任を広い範囲で認める場合>
「相手方に生じた一切の損害を賠償する」

<標準的な範囲で損害賠償責任を認める場合>
「相手方に生じた損害を、相当因果関係の範囲内で賠償する」
「相手方に生じた損害を、民法の規定に従って賠償する」

<損害賠償責任の範囲を狭く限定する場合>
「相手方に生じた損害を、違反行為によって直接生じたものに限り賠償する」
「相手方に生じた損害を、相当因果関係の範囲内で賠償する。ただし、損害賠償の上限を●万円とする」

いずれにしても、相手方に巨額の損害が発生した場合には、その大半を賠償する義務を負うことが想定されます。

NDA違反によって深刻な結果が発生し得ることを意識して、秘密保持義務の遵守に努めてください。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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