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自転車に乗っている時に交通事故を起こしてしまったら法的責任はどうなる?

2022.06.03

交通事故は自動車だけでなく、自転車を運転している際にも遭遇する可能性があります。接触した相手にケガをさせた場合、自動車運転中の交通事故と同等の損害賠償責任を負う可能性もあるので、十分注意しなければなりません。

今回は、自転車の運転中に交通事故を起こした場合に、運転者が取るべき対応や、負担する法的責任などをまとめました。

1. 道路交通法上、自転車は「軽車両」

公道における交通を規制する道路交通法では、自転車は「軽車両」と定義されています(同法2条1項11号)。

軽車両にはエンジンが付いておらず、道路における危険を生じさせるリスクが比較的小さいため、自動車等と比べれば、適用される交通規制は緩やかです。

その一方で、軽車両は自動車などと並んで「車両」(同項8号)あるいは「車両等」(同項18号)とも定義されており、交通事故時の対応などについては、自動車などと同等の規制が適用されます。

2. 自転車の運転中に事故を起こしたら? 義務付けられる対応

道路交通法により、交通事故を起こした自転車の運転者には、以下の対応が義務付けられています。

2-1. 運転の停止・負傷者の救護・危険の防止等

軽車両を含めて、交通事故の当事者となった車両等の運転者は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止するなどの必要な措置を講じなければなりません(道路交通法72条1項前段)。

交通事故を起こしたにもかかわらず、自転車でその場から走り去ったり、被害者を救護せずに逃げたりした場合、道路交通法違反となります。

自転車の運転者が上記の義務に違反した場合、「1年以下の懲役または10万円以下の罰金」が科されるので注意が必要です(同法117条の5第1号)。

2-2. 警察への事故報告

交通事故を起こした自転車の運転者は、上記の措置を講じた後、警察官に対して以下の事項を報告しなければなりません(道路交通法72条1項後段)。

・交通事故が発生した日時、場所
・交通事故における死傷者の数、負傷者の負傷の程度
・交通事故によって損壊した物、損壊の程度
・交通事故の当事者となった車両等の積載物
・交通事故について講じた措置

警察官が現場にいるときはその警察官に、現場にいないときは110番通報などにより、最寄りの警察署・派出所・駐在所の警察官に報告します。

警察官に対する事故報告義務に違反した場合には、「3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科されます(同法119条1項10号)。

3. 自転車の場合、自動車よりも交通事故の責任は軽いのか?

自転車の運転者が交通事故を起こした場合、自動車の運転時よりも責任が軽くなるイメージを持ちやすいかと思います。

しかし法的には、自転車の運転者にも、自動車運転時と同等の責任が発生することがあるので、十分注意しなければなりません。

3-1. 損害賠償の根拠は「不法行為」|自動車と自転車で違いはない

交通事故の損害賠償責任は、「不法行為」(民法709条)を根拠に発生します。

不法行為とは、故意または過失により、他人に対して違法に損害を与える行為です。手段は限定されていないので、自動車事故でも自転車事故でも、運転者は不法行為の責任を問われる可能性があります。

たとえば自転車運転中に歩行者と接触し、歩行者が転倒時に中枢神経を損傷して、身体に麻痺が残ってしまったとします。

この場合、自動車事故のケースと同様に、自転車の運転者は歩行者に生じた損害を賠償しなければなりません。身体に麻痺が残ったことを考慮すると、損害賠償の総額は数百万円から数千万円に及ぶ可能性があります。

このように、自転車であっても交通事故を起こせば、被害者に対して巨額の損害賠償責任を負うこともあり得る点にご留意ください。

3-2. 自転車の場合、過失割合が減算されることがある

交通事故の損害賠償額は、当事者間における責任の負担割合を示す「過失割合」によって大きく左右されます。

たとえば被害者だけに1,000万円の損害が生じた場合、加害者に100%の過失があれば、被害者は1,000万円全額の損害賠償を受けられます。

これに対して、加害者の過失が80%、被害者の過失が20%の場合、被害者は800万円の損害賠償を受けられるにとどまります。

このように過失割合が変化すると、損害賠償額が大きく上下する可能性があるのです。

自転車の場合、特に自動車やバイクと接触した交通事故のケースでは、自転車側の過失割合が減算される傾向にあります。自動車やバイクに比べると、自転車は「交通弱者」に当たるからです。

ただし、自転車同士の接触事故や、歩行者との接触事故では、上記の理由で過失割合の減算が行われることはない点にご注意ください。

4. 自転車保険への加入が義務化されている自治体もある

最近では、自転車の運転者に自転車保険への加入を義務付ける自治体が増えています。

参考:東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例|都民安全推進部
参考:自転車損害保険等の加入義務化について|埼玉県
参考:自転車損害賠償責任保険等のご案内|神奈川県

2022年5月末時点では、自転車保険に加入しなくても罰則を受けることはありません。

しかし前述のとおり、自転車の運転者も巨額の損害賠償責任を負う可能性があります。もしものリスクに備えるためにも、自転車保険への加入をご検討ください。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
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