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遺伝子編集技術でビタミンD前駆体「プロビタミンD3」を豊富に含むトマトの生産に成功、ジョン・イネス・センター研究チーム発表

2022.06.06

遺伝子編集技術でトマトからビタミンD摂取が可能に?

将来、遺伝子を編集して作られたトマトがサーモンに並ぶビタミンDの摂取源となる日が来るかもしれない。

英ジョン・イネス・センター教授のCathie Martin氏らは、遺伝子編集技術によって、ビタミンDの前駆体であるプロビタミンD3を豊富に含んだトマトを作り出した。この研究成果は、「Nature Plants」に2022年5月23日発表された。

ビタミンDは、植物由来のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と動物や卵黄由来のビタミンD3(コレカルシフェロール)の総称である。

ビタミンD3は、体内のコレステロール合成経路の中間代謝産物である7-デヒドロコレステロール(プロビタミンD3)が紫外線にあたってプレビタミンD3となり、さらに体温によりその構造が変化することで生成される。

この研究では、CRISPR-Cas9システムを利用した遺伝子編集技術によりトマトの遺伝子が操作された。CRISPR-Cas9システムとは、細菌が持つ外来DNAの排除に関わる免疫機構のことで、これをゲノム編集ツールに応用することで、ゲノム中の任意のDNAの2本鎖を正確に切断し、遺伝子の機能の改変(破壊)を行なえるようになった。

Martin氏らはこのシステムを使って、トマトのプロビタミンD3からコレステロールを合成する酵素である7-デヒドロコレステロール還元酵素をコードする遺伝子を破壊(ノックアウト)した。

その結果、実だけでなく葉にもプロビタミンD3が大量に含まれるトマトができあがった。その後、このトマトに紫外線を1時間照射したところ、実1つからマグロ28gあるいは中サイズの鶏卵2個を摂取した場合と同程度の量のビタミンDが合成されることが確認された。

Martin氏は、「われわれは、ヴィーガンやベジタリアンにも適したビタミンDの摂取源となる植物性食品を作り出した。元々ビタミンDを含む食品は非常に少なく、またそうした食品はほとんどが動物性食品だ。そのため、このことは重要だ」と話す。

なお、ビタミンDを含有する動物性食品には、マグロやサーモンなどの脂肪が多い魚や卵黄などがある。

ビタミンDが不足した状態の人は、世界に10億人いると推定されている。

Martin氏らは、牛乳や植物性ミルク、朝食用シリアルなど一部の食品にビタミンDが添加されている米国でも、国民の4人に1人はビタミンD値に問題があると指摘する。

特に高齢者や肌の色が濃い人たちは、日光を浴びてもビタミンDが合成されにくいため、リスクが高いという。

ビタミンDには、骨を丈夫に保つだけでなく神経や筋肉の正常な機能にも寄与し、免疫防御を助ける働きもある。したがって、「ビタミンDが豊富な食品を積極的に摂取することは良いことだ」と同氏は話す。

ビタミンDのサプリメントや栄養強化シリアルを摂取すれば、それで事足りるのではないかと考える人もいるかもしれない。

この点についてMartin氏は、「サプリメントの摂取でも問題はないが、植物性食品から摂取する方がはるかに良い。なぜなら、トマトから摂取すれば、食物繊維やビタミンC、リコピンといったビタミンD以外の栄養素も摂取できるからだ」との考えを示す。

一方、今回の研究には関与していない米ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生学大学院のAmanda Palmer氏は、「われわれが摂取する食品に含まれる栄養素の向上につながることであれば、どんなことでも有益だと私には思える」と話す。

同氏はMartin氏らの研究について、「興味深い研究だが、まだ早期の概念実証の段階にある」と指摘。

例えば、保存や加工の過程でプロビタミンD3の安定した状態を維持できるのか、効率良く体内に吸収されるのか、実際に摂取した人のビタミンD値に変化が生じるのか、など多くの疑問点が残っているとしている。(HealthDay News 2022年5月24日)

Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.
写真:左側が遺伝子編集したトマト Photo Credit: John Innes Center

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.nature.com/articles/s41477-022-01154-6

Press Release
https://www.jic.ac.uk/press-release/gene-edited-tomatoes-could-be-a-new-source-of-vitamin-d/

構成/DIME編集部

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