アイテムのサブスクは本当にお得なのか?アウトドアアイテムのサブスクを6カ月継続してわかったこと
「サブスクリプションサービス」、略してサブスク。定額制で利用するサービスで、音楽や動画を視聴するサービスから、服やアクセサリーが借りられるサービスや、自分に合ったコスメやコーヒーが毎月届くサブスクもあり、さまざまな「サブスク」が誕生している。
アメリカも「サブスク」全盛期
日本同様、筆者が住むアメリカでもサブスクブームはまだまだ続いており、その業種は日本よりも多岐。定番の動画や映画のサービスのほかにも、「セルフケアアイテム」、「手芸アイテム」、「ペットアイテム」などアイテムが毎月届くサブスクが増加。「アイテムサブスク」は、毎月何が送られてくるかわからないため、「今月はこれがきた!!」とSNSに投稿する人も多く、福袋のようにワクワク気分が味わえることも人気の理由となっている。
アウトドアアイテムのサブスク「Nomadik」
サブスク世代ではない筆者は、音楽や動画は旧式でダウンロードをして視聴しているが、愛読するアウトドア雑誌に「アウトドアギアのサブスク」の情報があり、「面白そう!」と思い登録してみることに。
正直、このようなサービスは、それぞれ「縛り」があり、初めにきちんと内容を読まないと後で痛い目に合うような気がして、サブスクリプションサービスに手を出すのは抵抗があった。
しかし、「キャンセル&スキップはAnytime」と書かれていたので、「それならいいかな」と思いアイテムサブスクデビューをしてみることに…。
「Nomadik」のサブスクのコースは、毎月届く「マンスリーコース」と、1年に4回届く「クォータリーコース」の2つがあり、「マンスリーコース」は「1カ月、6カ月、12カ月」と期間別に値段が設定されている(期間が長ければ長いほど、1カ月分の料金が安くなる)。私は、1カ月分のサブスク料金が送料込みで$32.99の6カ月コース(合計$197.94)に登録した。
ワクワクしながら待って届いた1回目は…
登録して、2週間後に1回目のボックスが到着。
事前に何が入っているかの告知はなく、ちょっとした福袋気分。ボックスを開けるときはワクワクした。
1回目に入っていたのは…
-ハンモック
-UCOのマッチ
-リペアキット
-旅行サイズのトナー
-ハイドレーションミックス
ハンモックは持っていたため、「アイテム被り」になってしまったが、思った以上にバライティに富んでおり、満足。
基本的に「サブスクボックス」が届くのは、15日前後。この頃になると、家に荷物が届いていないかちょっとワクワクした気分になった。
送られてくるボックスには、毎月テーマがあり、あるときはテーマが「キャンプダイニング」で、キャンプ用のボウルやカトラリーが入っていたり、あるときはテーマが「キャンプファイヤー」で、キャンプライトやスモアの串などが入っていた。
月により、自分が欲しいものかどうかの「当たり」「ハズレ」はあるが、普段自分が買わないアウトドアギアが送られてくることもあり、「次回使ってみよう」という気持ちになった。
しかし、やはり「サブスク」には落とし穴がある
ボックスのワクワク感も楽しんだので、6回でこのサービスをやめようと思っていたら、6回目のボックスが届く前に、次の6回分の料金がカードから引き落とされていた。
ホームページには電話番号がなかったので、メールで問い合わせを試みるが、1週間たっても返事がない。その後も何度かしぶとくメールで問い合わせてみると、やっと返信がきて、「登録して6カ月前にキャンセルしないと、次の6カ月分も継続になります」との返信。
サブスクの恐ろしいところは、「6カ月終わるので次の更新をしますか?」の連絡がないところ。正直いつが更新日か覚えていなかったので、知らない間に次の更新がされていたのだ。
しかし、「いつでもキャンセルできますよ」となっていたので、「キャンセル」の希望をいうと、カードから引き落とされた次の6カ月分のキャンセルは無理なので、その次の更新はキャンセルするとのこと。
「キャンセルはいつでもできます」というセールストークは、更新はいつでもキャンセルできますということだった。
私が細かいルールを見ていないのがいけなかったので、更新のキャンセルができないことは「勉強」と思うことにした。しかし、支払い料金が1回目よりも高くなり、1回目は6カ月$197.94(1回分約$33)だったが、2回目に引き落としされた値段は$260.23(1回分約$44)となっていた。その部分を問い合わせると、「送料代金分」とのこと。
ホームページには6回分は送料無料と書いているが、それは初回のみ。それ以降は送料がかかるとのこと。
そんなメールのやり取りをしているうちに、いつも楽しく届くのを待っていたボックスへの気持ちがだんだん冷めてきてしまった。サブスクは楽しいが、ちゃんとルールを把握していないとあとあと手間がかかる。
詐欺が多いアメリカでは、ネットでオーダーしたモノが届かないことはよくある。私も何度かその詐欺にあったことがあるが(学んでいない)、店舗がある大手のサービスではない会社で、インターネット上で商品やサービスを依頼するときは・・
―店舗がちゃんとあるか確認
―きちんと住所・電話番号が記載されているか
―メールアドレスがフリーアドレスになっていないか
―その会社のレビューをネットで確認する
今回の「Nomadik」も後でレビューを確認すると、「メールをしても返信がない」「商品が届かない」などあまりよくないレビューがあった。もちろん、このアウトドアのサブスクリプションを楽しんでいる人もいるし、サブスクリプションサービスで、きちんとした対応をする会社は多い。
「アイテムサブスク」は、きちんとルールを把握してオーダーすれば便利なサービスだが、更新が6カ月や12カ月など長い期間の場合、更新する時期を忘れがちで、サービスを止めたいときでも、そのタイミングを逃す人も少なくない。また、亡くなった方のカードにサブスクの支払いが払い続けられていた話もよく聞く。
大雑把な私には、アイテムサブスクは向かないと感じたが、福袋のように何が届くかわからないワクワク感は楽しく、気になるジャンルのアイテムサブスクがあると、懲りずにまたついついチェックしている自分がいる。
文/舟津カナ
編集/inox.