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ウクライナ情勢、原油高、米国中間選挙、個人投資家が今すぐ実践すべきリスクへの備えと対処法

2022.06.25

リスク

〝投資は自己責任〟とはよく言ったものだが、何を意識してリスク管理をすればよいのか。また、2022年下期に向けて投資家が知っておくべきリスクは何か。個人投資家向けに長年投資教育を行なうアナリストに実用的な手法を教えてもらった。

福島 理さんマネックス証券 マネックス・ユニバーシティ室長
福島 理さん
テクニカル分析を中心に投資教育を行なう。日本テクニカルアナリスト協会国際認定テクニカルアナリスト。

中長期投資でも取引のタイミングに工夫を

 リスク=投資中の損切りと考える投資家も少なくないが、適切な投資タイミングが来るまで現金で保有しておくこともリスクとうまくつきあう方法である。

「個人投資家は買ったら買いっぱなしで、経済活動の状態を表わす『ファンダメンタルズ』(国や企業などの経済状態などを表わす指標)を意識しすぎて大損することが多いです。中長期の投資を積み立て感覚で行なう場合でも、買うタイミングを工夫するだけでパフォーマンスは変わります」とアドバイスする福島さん。先行きが不透明な2022年の後半に向けて注目しておくべきだという3つのリスク項目を下図にまとめた。

「ファンダメンタルズ分析ではプロには勝てません。投資判断の一助としてプロのレポートを読み解くにとどめ、チャートを活用しながら、売買タイミングを計ってみてください」

【POINT1】2022年下半期に向けて意識しておきたい3つのリスク

ロシア・ウクライナ情勢

2022年2月24日以降、連日のように先行きの不透明感が増すニュースばかりが目立つ。経済制裁によって物流が混乱し、ロシア産の原油や天然ガス、小麦などの輸出が制限され、世界経済の混乱の要因となっている。解決の糸口すらつかめないまま、長期化する恐れも出てきた。

原油高、物価高

資源の輸出制限や物流の混乱により、世界的に物価高の状態が続き「インフレ」状態が膠着化しそうだ。特に原油高は深刻ともいうべき事態となっている。「当面は1バレル=110ドル前後の高値圏で、相場の値動きが激しい展開になりそうです」(福島さん)

原油高、物価高

新型コロナウイルス関連

2022年前半は変異株のオミクロン株は猛威を振るい、感染者が急増し、経済活動の制限を余儀なくされた。今後も新たな変異株の登場に警戒が必要であり、自然災害と同じく想定できないニュースとして投資家が不安を感じて、株価が急落する場面が訪れるかもしれない。

経済不安から株価の下落要因へ

都市封鎖(ロックダウン)や、飲食店の時短営業要請などにより、経済活動が制限されたり、人々が経済低迷を予期したりする点が、株価下落の要因となる。特に中国で、ゼロコロナ政策による都市封鎖が今後も続くと世界経済への影響は大きい。

新型コロナウイルス

米国中間選挙

2022年11月18日に予定されている米国中間選挙では、米国議会の上院議席の3分の1と下院の全議席の改選も行なわれる。バイデン大統領の支持率が低下傾向の中、彼が率いる民主党が過半数を獲得できるか。またできない場合には、議会がねじれ構造となり、今後の経済対策などが遅れて株価が下落するリスクがある。

中間選挙がある年はパフォーマンスが悪い?

「過去50年にさかのぼって調べてみると、中間選挙がある年は、米国株のパフォーマンスが悪くなるという経験則があります」(福島さん)。この経験則のことを総じて『アノマリー』といい、明確な根拠があるわけではないが、世界中の投資家が気に留めている。

米国中間選挙

【POINT2】3つのリスク要因とどう向き合えばいいのか?

チェックしておくべき指標はこの3つ!

原油価格
原油価格が上昇すると、物価高・インフレ懸念で企業のコスト増が業績悪化を招くとして、株価が急落する。短期投資を行なう場合は、原油価格動向を注視し、株価が下落した局面で買うよう工夫したい。

ドル価格(ドルインデックス・ドル円)
ドルそのものの価格はドルインデックス(DXY)で確認できる。「急激なドル高は、米国輸出関連企業のコスト増につながるので、米国経済にとって重石になってしまうおそれがあります」(福島さん)

VIX指数
別名「恐怖指数」と呼ばれる。この値が急騰すると株価が急落する傾向があるが、混乱に乗じて狼狽売りする必要はなく、この値が概ね20以下になって混乱が落ち着くまでは、取引を待つのが無難である。

VIX指数と米国株

2018年から現在までのVIX指数と米国株(S&P500)の動きを見ると、コロナショックが起きた2020年3月にはVIX指数が65以上まで急騰した一方、S&P500が一気に1000ポイント近く下げているのがわかる。その後、値が落ち着くとともにS&P500は上昇している。VIX指数が下落したからといって必ず株価が下落するわけではないことも理解しておきたい。また、ロシア・ウクライナ問題の状況がさらに悪化すると、値が急騰する場面が訪れるので、タイミングに注意したい。

【POINT3】先の見えない時代に成果を出す投資のヒント

原油価格の高騰に飛び乗るのはナンセンス

各国政府が、備蓄放出を決定するなど対策が講じられている。「これ以上原油価格が上がると思って、下がったタイミングで原油先物取引や原油ETFを買うのは避けたほうがいいでしょう」(福島さん)

下がった時こそGAFAM株などの積み立てが効く

右肩上がりを続けている米国株のほうが利益が狙えるとはいえ、株取引は人気投票ですので、自分が知らない株に手を出すのは危険。むしろ下がったタイミングでGAFAM株を買ったほうよい。

売買の判断にはチャートを活用

「チャート表示ができるアプリなら何でもいいです。『200日移動平均線』というインジケーターを表示し、この線より株価を示すローソク足が上にあれば強い相場であると判断。売買のタイミングは『MACD』というインジケーターを表示し、その中の2本の線がクロスするタイミングで取引するのがいいでしょう。また、急激な変動リスクを回避するためには逆指値を入れて損失を限定できるようにしておきましょう」(福島さん)

●200日移動平均線とは?
中長期での株価の流れ(トレンド)を読むために使う線で、大まかな株価の方向を調べるのに使っている人が多い。そのため、この線が下向きになったタイミングで売って、利益を確定するとよい。

200日移動平均線

200日移動平均線が上向きでローソク足が上方にいる状態で、MACDの2本の線が、0より下でクロスしたタイミングが絶好の買いポイントとなる。その後、MACDが0より上でクロスしたタイミングが売りポイントとなる。
出典:マネックストレーダー(マネックス証券)

取材・文/久我吉史

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文/DIME編集部

※掲載している情報は2022年4月28日時点のものとなります。

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