ぽんちよさんは日本株、ロジャーパパさんは米国株。そして、バンクアカデミーさんは積立投資……。メインの投資商品が違えば見える世界も変わる。それぞれの投資スタイルと照らして合わせて、下半期の投資戦略の参考にしよう。
世界経済の動向
Q1 2022年下半期に注目しているイベントは?
【ぽんちよさん】7月の参議院議員選挙
与党がどのような政権公約を掲げるのか、それにより政策に後押しされる業界がわかるので、今後の投資先を決めるうえで気になるところです。CPI(消費者物価指数)がピークアウトしたと予想される中でのアメリカの利上げの動向も注目です。
【ロジャーパパさん】FOMC*1と8月のジャクソンホール会議
FOMCの決定は米国株に大きな影響を与えます。また、毎年8月に開催する経済政策シンポジウムであるジャクソンホール会議は、ロシアへの経済制裁の影響を確認する機会になります。今後グローバル経済の動向を理解するうえで必須でしょう。
【バンクアカデミーさん】年8回開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)
下半期にも予定されていますが、米国の利上げを含む金融政策などがここで決定されます。利上げにより経済活動が縮小し、株価へのマイナス材料となることが懸念されているため、毎回のFOMCにおける利上げ幅には特に注目しています。
銘柄・商品
Q2 株以外の投資は何をすべき?
【ぽんちよさん】ETF(上場投資信託)や投資信託
現在のような相場が読めない中では個別株だけではなく、指数全体への投資に目を向けるのはいいでしょう。インフレに伴い、今後も長期国債価格が下がり続けるのであれば、債券ETFなども利回りが上昇するのでおもしろいですね。
【ロジャーパパさん】債券、不動産、コモディティー(金、暗号資産)
ポートフォリオ理論によると分散投資はおすすめです。例えば、今のようにインフレや利上げで株は不調ですが、現物の米国現物不動産(木造一軒家)の価格は、株の値動きに反して、インフレの影響で急上昇しています。
【バンクアカデミーさん】株式のみでもいい
リスク分散の観点から債券や金などへの投資もアリですが、長期運用での値上がりを狙うなら株式のみでもいいと思います。実際に私は基本的に株式と現金のみを保有し、株式:現金=5:5程度を維持し続けることでリスクコントロールをしています。
Q3 人気のある全世界株式は今でも優位性のある投資先なの?
【ぽんちよさん】初心者にとっておすすめできる
ただし、長期投資をして持ち続けるという前提です。数%の価格上下に右往左往してしまうような投資メンタルだと厳しいのかもしれません。まずはしっかりとホールドできるような落ち着いた投資姿勢を養いましょう。
【ロジャーパパさん】全米株式でも十分恩恵は受けられる
米国の優良大企業は全世界で事業を行なっているので、ほかの国の経済が成長し株価が上がれば、その恩恵を受けられるようになっています。実際に過去10年のVT*2のパフォーマンスは、VOO*3やVTI*4を大きく下回っています。
【バンクアカデミーさん】資産運用としては間違いない
米国株式のみで十分との声も聞くが、2000年代には暗黒時代とも呼ばれる時期(ITバブル崩壊とリーマンショック)もありました。どこの国が伸びていくかわからないなら「特定の国をあえて選ばない」全世界株式で分散投資しておくのが吉です。
投資のメンタル
Q4 結果が出ない投資スタイルを数年で変えるのはあり?
【ぽんちよさん】ひとつのスタイルに固執する必要なし
投資スタイルというのは常にひとつのものだけを試すのではなく、いろいろな手法を試してみましょう。その相場において一番稼ぎやすいスタイルこそが最適解だと私は考えています。
【ロジャーパパさん】長期なら変える必要はない。短期であれば見直そう
S&P500や全米株式に長期積立投資をしていて、結果が2〜3年で出ていないのであれば、継続すべきです。短期トレードを頻繁に繰り返したり損切りが続いたりするならば変えたほうがいいでしょう。
【バンクアカデミーさん】インデックス投資においては「ひたすらホールド」が原則
つみたてNISAなどでインデックス投資を行なう人は、仮に暴落に直面したとしても長期で見れば値上がりが期待できます。暴落した分、積立投資で安く買えるという心構えを持ち続けましょう。
Q5 大損した時にメンタルを保つ工夫は?
【ぽんちよさん】ポジティブな動機で損切りを!
大損の際の損切りはつらいですが、そういう時こそ銘柄を入れ替えたくなるようなピカピカな銘柄を見つけて、「この株が買いたいけど資金が足りないから、含み損銘柄を売る」と切り替えましょう。
【ロジャーパパさん】過去の数字を見て悲観しない
米国は100年以上も世界一の経済大国であり続ける実績がある。過去100年で30%以上の暴落を8回経験していますが、そのすべての暴落から最高値を更新している。大損した時はこれを思い返します。
【バンクアカデミーさん】インデックス投資では含み損は関係ない
インデックス投資に関しては大損(暴落時の含み損)でも慌てる必要はなく、積立投資により淡々と買い続けることで、暴落時も安く買えるメリットがあると考えて精神的に余裕を持つのがいいです。
投資術
Q6 損切りのタイミングはどう決めたらいい?
【ぽんちよさん】価格ではなく企業に見切りをつけた時
投資スタイルにもよりますが長期投資であるならば、目の前の株価の上下で損切りを決めるのではなく、売上高成長率や会員数上昇率など、自分が重きをおいている数字に陰りが見えてきた時がいいのではないでしょうか。
【ロジャーパパさん】損切りラインを買う前から決めておく
長期積立投資している場合は、損切りはしませんが、短期トレードを仕掛ける場合は買う時に損切りラインを決めてから買います。例えばテクニカルで買うなら20%上がったら利確、10%下がったら損切りと決めておく。あとから変更はしません。
【バンクアカデミーさん】損切りという考えはない
「長期分散積立投資」が大原則のインデックス投資に関しては、損切りという考え方がそもそもないかと思います。なので、どんな状況にあってもひたすらバイ&ホールドを続ける選択肢がベターかと思います。
Q7 リスクヘッジのためにどんなことをしている?
【ぽんちよさん】自分で決めた銘柄を選ぶこと
常に自分が信じ続けられる銘柄であれば、それこそが最大のリスクヘッジになります。暴落してもリスクではなくチャンスだと思える銘柄であれば、好機になるのです。チャンス時に買い増しできるようキャッシュは確保しておきましょう。
【ロジャーパパさん】最大のリスクヘッジは安定収入の確保
暴落が来て株式資産がどんなに目減りしても、安定収入があれば安値で買い増しができる。個別株の銘柄分析をするより、転職や昇格で給料アップを目指して、S&P500や全米株式の積立額を大きくしたほうが、より確実にリターンを増やせます。
【バンクアカデミーさん】株式と現金の比率をコントロールする
例えば資産が1000万円あったとして、500万円を株式、500万円を現金に分けて保有する。仮に暴落により、株式が50%下落して250万円まで下がったとしても、無リスク資産である現金はそのままなので、トータルでの資産は750万円と25%の下落ですみます。
FOMC*1:Federal Open Market Committeeの略で、米国の金融政策を決定する会合(連邦公開市場委員会)のこと。日本では、日銀金融政策決定会合に当たる。VT*2:バンガード・トータル・ワールドストックETFの略称。1本で新興国を含む世界47カ国の株式に投資ができる。VOO*3:バンガード・S&P500 ETFの略称。米国の代表的な企業500社の株価を指数化している「S&P500」に連動する。VTI*4:バンガード・トータル・ストック・マーケットETFの略称。約3800銘柄の米企業から構成される。
文/峯 亮佑
※掲載している情報は2022年4月28日時点のものとなります。
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文/DIME編集部