長引く円安進行や原油価格上昇など後ろ向きなニュースの多い日本経済。今、日本株に手を出すのは悪手なのだろうか。「決してそんなことはない」と語るのは、YouTuberのぽんちよさんだ。堅実な投資でFIREを達成した彼ならではの視点で、日本経済を読み解く!
YouTuber ぽんちよさん
2019年よりYouTube活動を開始し、チャンネル登録者数は32万人(4月末現在)。書籍2冊を出版。2022年4月にFIREを達成。
円安で得する国内企業をリサーチすべし
長期化したコロナ禍に収束の兆しが見え始めましたが、不安定な世界情勢や日米の金利差拡大などネガティブな情報を耳にすることが多く、投資家には苦しい時期が続きます。
日本株は今、買い時ではないと思われがちですが、視点を変えることが大切です。ドル高では、国内企業でも海外売上率が高ければ利益が増えやすいということ。世界で活躍する企業に投資するチャンスなのです。
まずは日本株から、と考える初心者は少額から始めて少しずつ伸ばすことをおすすめします。単元未満株のような制度をうまく活用して、自分のできる範囲から資産を増やすという考え方が重要だと思います。
【投資スタンス3か条】
(1)目先の利益にとらわれるな
(2)ネガニュースをポジ投資に換えろ
(3)まずは少額から始めよう
Q1 新型コロナ「収束or感染拡大」それぞれのシナリオは?
A1 マーケットの主体は「withコロナ」から次のフェーズへ
2021年まではコロナ禍の影響を大きく感じていましたが、今はウクライナ情勢や日米の金利差拡大がマーケットの主体となっています。半導体のような製造系は、ロシア由来の貴金属など一部分でも調達が滞ると製造工程全体に影響が出てしまうという懸念があります。また日本経済全体で原油価格高騰を引き金とした原価率の上昇もネガティブな要素でしょう。円安によるネガティブな影響も注視していきたいです。コロナ禍で打撃を受けた小売・飲食業は今後徐々に回復すると思いますが、コロナ前ほどの水準には戻らないでしょう。経済はすでにコロナを織り込んだ〝withコロナ〟に入っており、今後はさらに次のフェーズへ向かっていくと思っています。
Q2 現在進行しているのは良い円安? 悪い円安?
A2 社会全体ではマイナス、投資家にはプラス
日本はコロナ禍による不況から抜け出せていない中、日銀が金融緩和を継続しています。その一方で、アメリカは経済が回復し金融緩和縮小へ動いており、2国間で経済的な回復の度合いに差が生じています。現在の円安はこれが原因なので、社会的なデメリットは大きいように感じます。しかし、日本株の投資家にとってはチャンスと捉えることもできます。日本企業のうち、海外売上比率が高い会社だと、円安によって決算上における日本円換算の利益が増えるので追い風になります。目安として、海外売上比率50%以上の企業であれば、購入を検討してもよいでしょう。
ドル円は4月22日時点で128円を突破。専門家の間では135〜140円に到達する可能性も指摘されている。
Q3 円安&世界的なインフレ情勢でも強いのはどんな株?
A3 グローバル企業や半導体系企業が狙い目です
トヨタ自動車(7203)や村田製作所(6981)、任天堂(7974)などグローバルで活躍しており、海外に拠点を伸ばしてきた企業は円安のメリットを受けます。企業の想定ドル円レート(企業側の決算時における想定)より10%以上高い企業は伸びが期待できるでしょう。昨年大きく注目を浴びたSUMCO(3436)など半導体系の企業も海外に製造拠点を構えるものがほとんど。ブーム後に期待感の反動で失望売りが起こりましたが、今後は実勢に伴う株価上昇に加え、円安効果も上乗せされるので伸びると予想しています。
Q4 2022年後半に向けて、日本の株式市場はどうなる?
A4 円安進行で大企業は○、日本社会全体では×
日本社会全体にとっては逆風ですが、海外で活躍する国内企業は円安が続く限り株価は上昇していくでしょう。日本銀行は金融緩和解除の時期ではないという判断を下しており、円安の流れは夏頃までは続くことが予想されます。今保有している日本株はそこまで温めて、円安が進んだ状態でいったん売却。おそらく2022年後半に再び円高になるタイミングがくると思うので、そこで日本株から外国株式へ移るという作戦は有効でしょう。中小企業に関しては、現状は基本的に避けておくのが無難かもしれません。
Q5 日本株デビューのおすすめは?
A5 単元未満株がおすすめ!
今回注目の企業株として紹介した、海外売上比率の高いグローバル企業や半導体系の企業は1株当たりの価格が非常に高いものが多く、1単元での購入は現実的ではありません。そこでおすすめしたいのが単元未満株。注目企業の株を手軽に買える手段として活用していきましょう。ただし手数料が高い点や、始値・終値でしか売買できず、指値注文もできないなどいくつかデメリットがあることを念頭に置く必要があります。
単元未満株とは?
通常、上場企業は100株を1単元として購入しなければならない。一方、単元未満株では100株未満(通常1株から)でも購入できるため、少額で株式投資を始める初心者に向いている。
ぽんちよさんのYouTubeチャンネルでは「日本株」以外に「副業」についても解説!
今年4月にFIREを達成したぽんちよさん。株式売買による利益はもちろん、実はサラリーマン時代からせどりをはじめとした様々な副業に挑戦しており、そちらでもコツコツ稼いでいる。FIREとまではいかなくとも、副業によって生活を豊かにしたいと思っている人にとって役立つ情報や考え方が紹介されている。
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取材・文/桑元康平
※掲載している情報は2022年4月28日時点のものとなります。
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2022年上半期はオミクロン株の大流行やウクライナ情勢など波乱の幕開けとなった。年初から下落基調だった日経平均株価は依然として不安定な値動きが続いている。下半期に向けても円安や原油高など、先行き不透明な状況の中、今後の投資方針を決めかねている個人投資家も多いだろう。この先の資産運用はどうすればいいのか?
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文/DIME編集部
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