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「Slack会社見学」「トーク番組ライブ配信」オンライン採用のミスマッチを防ぐ企業のユニークな取り組み

2022.06.03

コロナ禍でオンラインでの会社説明会や面談が定着しつつある。しかし、その一方で、コミュニケーション不足や伝達できる情報に限りがあるなどの原因から、採用のミスマッチが生じている問題もある。そうした中、新しいアプローチ手法を取り入れている企業があるという。

今回は、「Slack会社見学制度」を開始したスタートアップと共に、ライブ配信による会社説明を行えるサービス「リクライブ」を取り上げる。

正社員採用のミスマッチを防止!Slack会社見学制度

Web制作の支援事業などを手掛ける熊本発のスタートアップ、株式会社Lbose(エルボーズ)は、「Slack会社見学制度」を今年4月から始めた。これは同社が業務やコミュニケーションを実施するコミュニケーションツールSlack上に採用候補者を招いて、見学や質疑応答を行う取り組みだ。

同社はもともと社員全員がフルリモートで、Slackがいわば仮想オフィスのような位置付けとなっている。そのSlackの一部を、NDA(秘密保持契約)を結んだ採用候補者に開放することで、リモート業務の疑似体験やオンライン上での社内風土を体験・見学できるようにした。実際、このSlack会社見学を経て、正社員登用となった人が1名出たという。

●取り組み実施の背景

同社の執行役員で、Slack会社見学の「受付係」の役割も担う椿原ばっきー氏に、取り組みの背景を尋ねた。

執行役員 椿原ばっきー氏

「本取り組みは正社員採用のミスマッチ解消のために開始しました。当社は、かつて80%以上がフリーランスでしたが、事業拡大を機に正社員採用の強化を行うこととなりました。一般的な採用プラットフォームでの採用は候補者の素性が見えづらく、採用候補者側としてもフルリモート勤務での勤務イメージがわかない等のミスマッチが起こる可能性を懸念しました。そのミスマッチを減らす方法として、Slack会社見学制度をスタートさせました」

ばっきー氏 受付イメージ

「当社はもともと創業時からフルリモート・フルフレックスの働き方を導入し『Slackがオフィス』と捉えて非同期のテキスト中心のコミュニケーションで業務を進めています。出社とリモート勤務を並行して行うハイブリッドワークを採用する企業では、意思決定のプロセスや情報がリアルとオンラインに混在しがちですが、フルリモート勤務を採用している当社では、ほぼすべての情報や意思決定のプロセスをSlack上で閲覧することができます。そこで、コンプライアンスに触れない範囲で採用候補者に閲覧していただくことが、双方のミスマッチ解消になると考えました。

また、フルリモートというのはまだまだ少数派ですし、人によって向き不向きなど相性の問題がかなりあると感じています。これらの課題をまとめて解決する方法として、Slack会社見学を開始しました」

実際のSlack会社見学で行われたやりとりイメージ

●見学者からの声

実際に、Slackでは会社見学者から出た質問やリアクションとして、次のようなものが出たという。

【見学者から出た質問】
・事業面・組織面のそれぞれで最も大きな経営課題は何か
・代表のどんなところをリスペクトしているか
・普段、経営陣の間ではどのような内容のコミュニケーションをしているか
・5年後どのような事業や組織になっていることを計画しているか
・セールスチームは、どんな人が何名くらいいるのか
・事業部長はどのような業務をしているのか
・心理的安全性はどのように担保しているのか

【見学者からの声】
『Slackがオフィスとなっているのが理想的でした。『働く場所が家になっただけで、何かとテレカンをする』といった会社もありますが、工夫不足だと情報の非対称性が生じやすく、個人もチームもパフォーマンスを出しきれません。Lboseであれば私が求める高度なリモートワークができると感じました。

また、心理的安全性が高く、考えや感じたことを忌憚(きたん)なく発信でき、それに応える文化や関係性が醸成されていると感じ、多様な働き方でしかも様々な領域のプロフェッショナルなみなさんとご一緒できたら、刺激をいただきつつ楽しく働けそうだと思いました。Lboseのチームのあり方や働き方は、時代の最先端を進んでいると感じ、ぜひ私も、ともにその景色を見てみたい、体現し作り上げてもみたいと思いました」

今年3月に試験導入した際、実際に1人の人材獲得につながったというが、どのような経緯だったのだろうか。椿原氏は次のように述べる。

「NDA(秘密保持契約)締結後、Slackの主要チャンネルへ招待しました。そして、採用担当者がZoomでSlackの画面を共有しながら各チャンネルで行われているやりとりについて説明しました。その後、約1週間、自由に各チャンネルを閲覧していただき、気になる点や疑問があった場合は、採用担当者へ質問いただくという形にし、一つずつすべてに回答していきました。Slack会社見学実施の前に、すでに内定を出していましたが、見学が決め手になり内定を承諾いただきました。応募から内定承諾までリアルの面談は行っておらず、すべてオンラインで完結しました」

もともと「Slackがオフィス」となっている同社では、いわゆる職場見学をSlackというバーチャルオフィス上で実施したと言ってもいいだろう。特殊な取り組みではあるが、他社であっても、オンライン採用のミスマッチを課題に感じている場合は応用できそうだ。

「ライブ配信」のトーク番組出演による採用活動

続いては、ライブ配信サービス「リクライブ」。これはライブ配信を採用活動に活用できるプラットフォームだ。サービス開発は2018年から行われており、2020年にベータ版をリリースし、2021年4月には本リリースをして運用開始をした。多くの企業が利用し、リクライブの番組に出演してトークを繰り広げることで、会社の魅力を発信している。

リクライブのライブ配信イメージ

リクライブを運営するのは、北海道発の株式会社NKインターナショナル。リクライブ編集長 二宮翔平氏に開発背景などを聞いた。

●採用活動にライブ配信を活用した背景

そもそもリクライブを開発した背景とはどんなことにあったのだろうか。

リクライブ編集長 二宮翔平氏

「当社NKグループでは、新型コロナウイルス流行前の2017年より採用のオンライン化に取り組んできました。モバイル販売代理店や飲食店など全部で50店舗近くの店舗型運営をしていますが、採用課題として『移動時間、出張費のコストカット』があり、本社のある帯広からリモートで全同各地の応募者と面談や面接を行えるように環境を整えていきました。ただ、2017年当時、会社説明会だけは現地に行かなければいけない風潮であり、大型の採用イベント出典は避けられない状況でした。

2018年当時、採用におけるライブ配信で最適なツールやサービスがなく、合同説明会にかかる移動時間やコストに悩み続けていたこともあり、きっと全国の企業や、就職活動をする学生を抱える学校についても同じ悩みを抱えているのではないだろうかと思い、サービス開発がスタート。2020年の7月末にベータ版として無料で会社説明会をライブ配信で行えるサービスを『リクライブ』としてリリースしましたが、そのときにはコロナ禍により対面での説明会が軒並み中止となっており、Zoomが普及し始めました。いわゆるオンライン型採用が世の中に一気に普及したのです」

リクライブ スマートフォン画面イメージ

Zoomの普及により、各社が自らオンラインで動画やライブ配信で会社説明会などを実施しはじめた。ところが、課題も同時に浮かび上がってきたという。

「採用のオンライン化が進んだことで、求職者と企業の間で『採用のミスマッチ』という新しい弊害も生まれていたことにも気がつきました。理由は求職者が本当に知りたいことを企業が伝え切れていなく、社風や雰囲気を知りたい求職者がオンラインでそれを知る術がなくなってしまったことでした。そこで当社は2021年4月に『採用のミスマッチをなくす』をミッションに切り替え、『MCが企業のリアルを追求するライブ番組』という手法で、これまで300回以上のライブ配信を実施してきました」

●リクライブ経由で人材を獲得した企業の事例

過去のリクライブ配信画面イメージ

リクライブのライブ配信は、ただ単に会社情報を社員が出演して発信するのではなく、リクライブのスタッフがMCとなり、トークをしながら自分の会社情報を発信できる形式が主流となっている。そのライブ番組に出演した会社の中には、リクライブを通じて採用に至ったケースもある。

【東京都・出版会社】
1回のライブ配信を視聴した学生が実際にエントリーし採用へ。配信中はコメント等で聞きたいことを率直に質問し、回答することで臨場感のある採用動画となった。

【北海道・アパレルショップ運営】
ライブ配信時はライブ視聴、ライブ配信後もアーカイブを複数回視聴し、企業理解が深まり、かつ志望度が上がり、応募・採用につながった。

●採用につながるライブ配信のコンテンツとは?

リクライブのメンバーたち

二宮氏によれば、採用を目的とする場合、ただ単にライブ配信をするだけでなく、工夫が必要だという。特に大事にしていることは次の3つだそうだ。

1.企業が通常の採用フローでどうしても伝え切れなかった内容に特化して配信する。
2.求職者が本当に知りたいことは良いところだけでなく、リアルな話をする。
3.かっこよく見せるのではなく、現場で働く社員の素(いつも通り)を見せる。

「リクライブはすべて1時間のライブ配信で、リクライブの番組に出演いただくことにしています。企業が自由にライブ配信することも可能ですが、ほとんどの企業は番組出演となっています。従来の会社説明会では、企業のハード面、いわゆる事業内容や募集要項にある内容を20分~2時間で説明している企業が大半です。また会社説明会で話すのは、人事部や総務部の採用担当者ですので、採用候補者は現場で働いている人からお話を聞く機会が少ないのが現状です。しかし、採用候補者が本当に知りたいのはもっと他のことです」

実際、リクライブが47都道府県100大学の就活生100名と各1時間ほど面談を実施して調査を行ったところ、こんな声が挙がったという。

『入社したら先輩となる新入社員(入社3年以内)がどんな人なのか、どんな仕事をしているのか、良いところ悪いところはなんだと思うか』
『代表メッセージには企業理念など書いてあるけど、実際、社長ってどんな人なんだろう』
『女性の働き方ってどうなのかな』
『口コミの情報に左右されるけど、企業担当者に本当かどうか聞けない』

「こういった情報を企業に自分たちで発信してもらうのはむずかしいものです。その声を代弁してリクライブが第三者として聞くことに価値があると思っています。採用担当者だけではなく、現場で働く人にライブ配信に出演してもらい、そこから企業の『雰囲気』を感じてもらうことにこだわっています」

コロナ禍で採用のオンライン動画やライブ配信の手法が広がったものの、うまく活用しきれていない企業も多いのではないだろうか。そうした中、リクライブは「第三者」という立場をうまく利用して企業のリアルをうまく発信する手段となっているようだ。

採用のオンライン化によるミスマッチは、今、多くの企業が悩んでいる課題。今回紹介したSlack会社見学やトーク形式のライブ配信は一つの解決策となるのではないだろうか。

【参考】
Lbose「採用のミスマッチを無くす「Slack会社見学制度」をスタート」
「リクライブ」

取材・文/石原亜香利

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