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川崎・溝の口に地域密着型のクラフトビールスポット「みぞのくち醸造所」が登場

2022.05.29

川崎市を横断するJR南武線のほぼ真ん中。古くから栄える溝の口。地元民も会社員も学生も、老若男女、気軽に集まる繁華街。その近くに、クラフトブルワリーが誕生した。飲んできた!

フードメニューも他ブルワリーのタップも注目

東急田園都市線で多摩川を渡って3つめの「溝の口」駅と、JR南武線の武蔵小杉から3つめの「武蔵溝ノ口」駅が交わる町、溝の口(みぞのくち)。地元では昔から「ノクチ」と呼ばれる。大きな電機メーカーもあれば、小さな会社もあれば、学校もあれば、デパート、病院、駅前直結の昔ながら飲み屋街、たいがいのものはある。ただ、あまりファッショナブルなセンスはなく、そのせいもあってか、老若男女、来る者拒まずの雰囲気がある。川﨑育ちの筆者は、地元の友だちと飲むのはノクチが多い。

とはいえ、駅前の再開発は進み、都心にも近いから新たな住民も寄りつくようになり、洗練された雰囲気も醸成されつつある。そして、2022年5月、クラフトビール醸造所がオープンした。その名もずばり「みぞのくち醸造所」。溝の口から徒歩圏内では初のブルワリーだ。はじめに断っておくと、溝の口駅から歩くと10分ほどかかる。最寄りは、ひとつ渋谷よりの高津駅になる。

近年、川﨑市のクラフトビールシーンもじわじわと盛り上がっている。昨年は、東京も含めた、多摩川流域にあるブルワリー15社が連携して販促活動を行うTABAが発足している。T.T BREWERY、東海道BEER川崎宿工場など、クラフトファンに定評の高いブルワリーも。ここに新たな可能性を秘めたブルワリーの登場だ。

運営するのは、飲食店の運営・プロデュース会社の株式会社ローカルダイニング。溝口の近辺に和食屋やイタリア料理店など8店舗を経営する。自社の強みを「地域と人にクローズアップした業態開発とコミュニティ構築」とし、「溝の口エリアの地域密着型ブルワリーをめざしたい」(ローカルダイニング代表 榊原浩二さん)という。

代表取締役の榊原浩二さん。IT会社、コンサルティング会社を経て2009年、ローカルダイニングを設立。1号店は、「溝の口 海鮮大衆割烹 えんがわ」。

みぞのくち醸造所はタップルームを併設。できたてを生で飲めるだけでなく、ローカルダイニングの飲食業の腕を活かしたフードメニューも展開。ガラス越しにピカピカの醸造タンクを眺めながら、新鮮なビールとおいしいフードが楽しめる。

それだけではない。ヘッドブルワーの安川雅志さんがセレクトした、国内外の気になるブルワリーのビールが冷蔵庫にギッシリ。クラフトビールファンにはたまらない酒屋さんでもある。そしてタップには、国内ブルワリーのおすすめが10種ほどもつながれている。

みぞのくち醸造所の自社ビールだけでなく、国内の注目ブルワリーの樽もここで飲める。 

冷蔵庫には国内外のクラフトビールがズラリ。セレクトはヘッドブルワーの安川雅志さん。

定番のビールは3種類。IPAとペールエール、Hazy IPA。この日は、小田原の自社農園で取れたハッサクを使ったヴァイツェンも提供されていた。IPAはもちろん、ペールエールもホップが効いて、さわやか、かつ味わい深い。

カウンターで忙しくしていたのはヘッドブルワーの安川雅志さん。元バーテンダー。さまざまな酒を扱ううちに、ビールの奥深さに惹かれ、都内のブルワリーで修行。みぞのくち醸造所のヘッドブルワーに。

ローカルダイニングが運営するピザ屋のピザをはじめ、ホットドドッグ、ソーセージ、フィッシュ&ポテト。飲みながらいただいたが、どれもおいしかった。

ビールファンだけじゃない、地域のインフラとしてのブリューバーに

醸造所のあるあたりは、溝の口の繁華街からは離れており、新旧の住民が入り混じる住宅街が近い。そのためファミリーでも利用できるよう、コーヒーや、地元農家から仕入れた果物を使った“クラフトジュース”などソフトドリンクにも力を入れる。店頭のテラススペースについても、「ファミリーで楽しめるような空間作りをしていきたい」(榊原代表)と話す。

また、溝の口というのは町中ではあるが、ちょっと奥まると、まだ小さいながら畑が点在する。今後は、地元農家の作物をビールづくりに活かしていきたいと話す。

「ミュージシャンの多い街でもあるのでライブイベントなども開いていきたいですね。醸造所を単なる飲食店ではなく、地域のインフラとしてとらえ、地元のNENGOさんとも連携して、イベントを考えていきたいと思っています」(榊原代表)

NENGOさんというのは、醸造所が入る建物をプロデュースした不動産会社だ。元NTT溝の口ビルをリノベーションした複合施設「BOIL」の1階に、みぞのくち醸造所はある。2階はコワーキングスペース、1階のタップルームの奥はダンススタジオと、テナントの顔ぶれは個性的だ。みぞのくち醸造所が、ビールファンのためのブリューパブではなく、地域のハブになって何か面白いことが始まる可能性は十分あると感じさせる。ノクチから歩いて行けるクラフトビールブルワリーに、どんな人たちが集まるだろうか?

見るからに堅牢な元NTTビル。この1階にあるみぞのくち醸造所に、ピカピカの醸造タンクと13のタップ、注目のクラフトビールが詰まっている。

取材・文/佐藤恵菜

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