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アプリ版を配信開始!ハードからソフトへと舵を切った「ポケトーク」の戦略

2022.05.30

ソースネクストの人気AI通訳機『ポケトーク』のスマホアプリ版が、5月26日からApp StoreとGoogle Play ストアで公開された。言語ごとに最適な翻訳エンジンを自動選択する精度の高い翻訳や、ボタンを押して話すだけのシンプルなUIなど、『ポケトーク』の機能をそのまま、スマホで手軽に利用できる。製品版は買い切りだが、アプリ版はサブスクリプション制で、利用料は120円/週、360円/月、3600円/年から選択可能。初回利用から3日間は無料で試用できるほか、ソフトバンクとの業務提携により、ソフトバンク、ワイモバイルユーザーは同アプリを6ヵ月間無料で利用できるキャンペーンも展開中だ。

ソースネクストは2022年2月に会社を分割し、新会社ポケトーク株式会社を設立。ソースネクストの創業者で代表取締役会長兼CEOの松田憲幸氏が、新会社の代表取締役社長兼CEOに就任している。4月に行われた発表会で、「すべてはグローバル展開のため」と語った松田氏。新会社の設立やアプリ版公開の理由と狙いを聞いた。

ポケトーク代表取締役社長兼CEOの松田憲幸氏。

自動翻訳の社会への貢献度は高い

――新会社を設立して代表取締役社長兼CEOに、松田さんが自ら就任された理由から聞かせてください。

松田氏:『ポケトーク』の構想は、実は2001年からありました。20年前からずっと翻訳機を作ろうと取り組んできたんです。友人によるとその当時から、「これを自分のライフワークにしたい」と話していたようです。ソースネクストの数ある製品の中でも、『ポケトーク』にはそれくらい特別な思いがありました。

新会社を設立したのは、『ポケトーク』の売れ行きが米国や欧州で大変好調で、グローバルに通用する製品だと実感したからです。グローバルで売れるのであれば、投資家もグローバルから募った方がいい。グローバルな視点、投資家の視点に立ったときに、『ポケトーク』はソースネクストの外に出した方がいい、その上で会社名イコール製品名にした方がメリットが大きいと判断しました。

――「ライフワークに」と話すくらい、翻訳機に特別な思いを持たれていたのはなぜですか?

松田氏:やはり僕自身、英語ですごく苦労した……今もしていますが(笑)……という経験があるからです。20歳までは本当に全然できなかったんですが、21歳から今まで36年くらい勉強してきました。でもそれだけ長い時間、一生懸命やってもこのレベルかと、自分では思ってしまう。自動翻訳があれば、そもそもこんな苦労をしなくていいわけです。

米国に住んで10年になりますが、アメリカ人がいかに外国語を勉強していないか、日々実感しています。大学の入試試験にも外国語はありません。その分、ITだったりファイナンスだったり、いろんなことを勉強できる。英語圏以外の人は明らかに不利です。よく「失われた30年」と言われますが、この30年で日本が米国などに大きく遅れてしまったことと、グローバリゼーションに英語が欠かせないということは全く無関係ではありません。そう考えると自動翻訳の社会への貢献度は高い。本当にやりがいがある分野だと思います。

――スマホアプリ版がリリースされましたが、ハードウェアからアプリへ、買い切りからサブスクリプションへというのは大きな転換です。製品版が売れなくなるリスクはないのでしょうか?

松田氏:リスクよりも広がりの方が大きいと判断しました。グローバルなスケールで考えたときには、断然アプリの方が展開がしやすい。ハードはそれぞれの国ごとに、異なるルールに適用していかなければならないので、その分だけ時間もコストもかかりますが、アプリだとそういった手間がないからです。

もちろん、ハードウェアの開発も続けていきます。今、ハードウェアを買ってくれている人たちが、アプリ版に流れる可能性もあると思いますが、逆にアプリで『ポケトーク』を知って、専用端末が欲しいと思っていただけるケースもあると思っています。

――スマホ向けには無料のものも含めて、すでにたくさんの翻訳アプリがリリースされています。これらのライバルに対して、『ポケトーク』アプリの強みは何でしょうか?

松田氏:翻訳精度の高さですね。英語だけでなく、それぞれの言語でベストな翻訳ツールを自動的に選んで翻訳していますので、いわば各言語の一番を集めたオールスターチームのようなものです。また音声で話しかけて音声で読み上げる、非常にシンプルでわかりやすいインターフェースも特徴です。実際に触れていただければ、その違いがわかってもらえるのではないかと思います。

ハードウェア版の『ポケトーク S』(左)と、スマホアプリ版。70言語を音声とテキストに翻訳するほか、12言語をテキストに翻訳。カメラで映した文字などを翻訳できる「カメラ翻訳」は55言語に対応する。

この分野では、米国企業に負ける気がしない

――今後はハードとソフトの両輪で展開されるわけですが、さらにその先にはどういったビジョンをお持ちですか?

松田氏:コロナ禍で訪日外国人が減り、日本人も海外旅行に行けなくなって、『ポケトーク』の販売台数は大きく落ち込みました。ですが今後は、需要が爆発する可能性もあると思っています。十分な生産体制は整えていますが、需要の高まり方によってはハードウェアだけだと応えられない可能性もある。しかしアプリがあれば、そうしたニーズにも対応できます。

最終的な目標は、言葉の壁をなくすこと。そのためにできることが、まだまだたくさんあると思っています。たとえばごく普通に話していて、それが相互に自動翻訳されてワイヤレスイヤホンから聞こえるといった世界も、すでに技術的には可能であとは遅延の問題だけ。また今はクラウドへの通信が必要ですが、いずれはオンデバイスでできるようになると思います。本当にやるべきことはたくさんありますが、ひとつ言えるのはこの分野では、米国企業に負ける気がしないということ。だって、彼らは言葉の壁を感じていませんから。本当に困っていて、切実に必要としている、1番ハンデキャップがある国の企業だからできることがきっとあると思っています。

取材・文/太田百合子

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