小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

「BALMUDA Phone」は進化を止めない?アップデートされたソフトウエアバージョン2の気になる中身

2022.05.27

■連載/石野純也のガチレビュー

 高い注目を集めてスマホ市場に新規参入を果たしたバルミューダだが、その第一号機である「BALMUDA Phone」は賛否両論を巻き起こした。手のひらに収まるコンパクトさや、丸みを帯びたボディがスマホのトレンドとは逆行していたこともあり、成功を疑問視する声も少なくなかった。メーカー版で約10万円という価格設定ながら、スペックがミドルレンジモデル相当だった点は、批判が起こった理由の1つだ。

 一方で、同社は発売以来、着実にバージョンアップを重ね、不具合をつぶしてきた。こうしたマイナスをゼロに持っていく修正だけでなく、「ウォッチ」アプリを「時間と天気」アプリに刷新したり、「計算機」アプリで換算できる通貨を増やしたりと、機能追加には積極的だ。端末そのもののアップデートとは意味合いが異なるが、「スケジューラ」アプリをGoogle Playストアに置き、Android全体に提供し始めたのも、発売後に同モデルの世界観を広げる動きと言えるだろう。

ソフトウエアバージョン2にアップデートされたBALMUDA Phone。端末自体は本コーナーでレビューしているため、今回はアップデートされた部分に絞って印象をお伝えする

 そのBALMUDA Phoneのソフトウエアが、バージョン2に進化した。使用するシステムフォントの刷新や、タッチパネルの精度向上、カメラの速度向上など、幅広い機能や仕様に改善が加えられている。同社の言葉を借りれば、このバージョンアップは「体験価値」を向上させる取り組みと言える。では、実際、バージョン2のソフトウエアでBALMUDA Phoneはどこがどのように変わったのか。一足先に実機を触れ、最新バージョンの実力を確認した。

システムフォントを一新して、大きく変わった画面の印象

 ソフトウエアバージョン2で一番わかりやすいのは、システムフォントを刷新したこと。元々のBALMUDA Phoneには、Android標準の「Noto Sans」というフォントが採用されていたが、ソフトウエアバージョン2に合わせ、新たに「AXIS Balmuda」というフォントを開発し、これを標準とした。ソフトウエアバージョン2からは、設定で2つのフォントを切り替えることが可能になっている。

システムフォントに、AXIS Balmudaを採用した

 AXIS Balmudaは、デザイン雑誌の『AXIS』が自社の紙面用に開発したフォントを、BALMUDA Phone向けに落とし込んだもの。漢字、ひらがな、カタカナに加えて欧文が入り混じる日本語の文章において、可読性が高く、紙面の地の色に映えるのが特徴。BALMUDA Phoneでも、文字が画面内に多い時に、スッキリとした印象になる。これまで標準だったNoto Sansと比べると、1つ1つの書体が細いためだ。

上が新フォントで、下が旧フォント。文字を拡大してみると、よりスッキリした印象の書体になっていることがわかる

 線が細い書体のため、画数の多い漢字が特に読みやすくなる。AXIS Balmudaよりやや太めだったNoto Sansの場合、少し画面と目の距離を離すと、複雑な漢字がゴチャッとしたように見えてしまったが、そのような欠点が解消されている。漢字の判別がしやすくなったのは、メリットの1つと言えるだろう。サイト側でWebフォントのようなものを使っていなければ、ブラウジング時にもきちんと反映される。文字の多いニュースなどを読む際の体験価値が向上したと言えるだろう。

上が新、下が旧。漢字やアルファベットが混ざり、文字が多いサイトを読むのに適しているのが、AXIS Balmudaだ

 このフォントが映えるのは、BALMUDA Phoneのディスプレイが4.9インチと小さいためだろう。ディスプレイがコンパクトなぶん、必然的に文字のサイズも小さくなってしまうため、スッキリした印象のAXIS Balmudaの方がこの端末には適しているように感じた。システムフォントとして適用されるため、先に挙げたブラウジング時はもちろん、設定メニューやアプリアイコンの名称など、いたるところにAXIS Balmudaが適用される。そのため、本体そのもののイメージが少し変わるはずだ。

設定メニューにも、新フォントが適用されている

壁紙を追加、タッチパネルのチューニングで操作性もアップした

 フォントの変更に合わせて、プリインストールされている壁紙の種類も増えた。新たに搭載されたのは、グラデーションがかかった淡い色合いの壁紙。スマホをパーソナライズするため、自分で撮った写真やネットで見つけた画像を設定する人も多いと思うが、標準の壁紙は端末のデザインにもマッチしている。新たに採用したAXIS Balmudaとも相性がいいので、プリインストールの壁紙を設定していた人はこちらに変更してもいいだろう。

グラデーションのかかった淡い色調の壁紙が追加された

 BALMUDA Phoneのホームアプリには、イニシャルや電話番号といった個人情報を記載しておくことができるが、この機能はそのまま。計算機やスケジューラなどの内蔵アプリをウィジェットのようにホーム画面いっぱいに広げて配置できる機能に変更はない。Androidスマホの一部、特に国内メーカーのそれは、比較的Android標準のユーザーインターフェイスに近づいてしまったが、ホーム画面は利用頻度が高いだけに、端末の世界観に直結する。この部分をきちんとカスタマイズしている点は、評価できる。

 ただし、ソフトウエアバージョン2に合わせて、もう少し体験価値を向上させるようなアップデートも加えてほしかった。例えば、上記のホーム画面1つを丸ごと使って標準アプリを配置する「Tools」は、便利な反面、画面を占有してしまうのが難点だ。2画面目にTools、3画面目にアプリのアイコンを置いていると、3画面目に少々アクセスしづらくなる。ToolsとToolsの間に、アイコンを並べるホーム画面を配置することもできない。標準アプリをウィジェット化するなどして、設定の自由度はもっと高めてほしい。

Toolsは便利な反面、ホーム画面を丸々1つ占有してしまう。サイズを可変できるウィジェットだとありがたい

 体験価値の向上という観点では、タッチパネルの追従性が上がったのも大きなアップデートと言えるだろう。ただし、これはチップセットのクロック周波数やディスプレイのリフレッシュレートが上がったためではなく、ソフトウエアのチューニングによって実現しているという。確かに、ブラウジング時にスクロールさせてみると、以前より指の動きをしっかり画面に反映されるようになっている。そのぶん、操作がしやすくなった印象だ。

タッチパネルのチューニングで、操作感が上がっている

 ただし、性能の高いチップセットに、高いリフレッシュレートのディスプレイを採用したフラッグシップモデルに比べると、やはりわずかながら反応に対する遅れもある。こうした点は、ハードウエアに依存するところだけに、ソフトウエアの改善ではなかなか解決するのが難しい。バージョン2でのチューニングの成果を生かした、次のモデルに期待したいところだ。

カメラのUIや動作速度を改善、ただし課題も残る

 システムフォント、レスポンスに続く、3つ目の改善点がカメラだ。カメラのアップデートは、大きく2つに分かれる。1つがユーザーインターフェイスの改善。もう1つが、動作速度や暗所でのクオリティ向上だ。まず、ユーザーインターフェイスについては、メインカメラとインカメラを切り替えるボタンが表示されるようになった。初期バージョンでは、設定メニューでカメラを切り替えていたため手間がかかったが、バージョン2ではそれがワンタッチになった。

カメラ切り替えボタンがシャッターボタンの横につき、インカメラをすぐに呼び出しやすくなった

 もっとも、最初のユーザーインターフェイスがあまり褒められるものではなかったという意味では、ようやく“普通”になったと見ることもできる。メインカメラとインカメラの切り替えボタンは、ほとんどのスマホで一般的になっている操作の作法。ここで差別化を図るのは、得策とは言えない。同様の観点で、カメラのモード切り替えには課題が残る。

 BALMUDA Phoneには、標準の「フォト」や「ムービー」に加えて、「料理」「人物」「夜景」という3つのモードが搭載されているが、いずれもユーザーが手動で切り替える必要がある。AIを使ったシーン判別のような機能には非対応。昨今のスマホには当たり前のように搭載されているだけに、自動でモードを選択する機能がないのは物足りなさを感じる。切り替えのメニューも隠れているため、モードを切り替えるだけで1つ操作が増えるのも残念だ。次回のバージョンアップでは、こうした点まで見直してほしい。

モード切り替えは手動で、メニューを開く必要がある。このユーザーインターフェイスは煩雑なため、要改善だ

 シャッターラグが少なくなり、撮りやすさは上がった。きちんとシャッターを押した瞬間の写真が残るため、失敗が減るはずだ。ただ、画質面では依然として課題もある。明るい場所で風景写真を撮るぶんにはあまり問題はないが、光の当たり方が複雑な室内だと、写真が明るくなりすぎてしまったり、逆に暗すぎてしまったりすることがある。後者に関しては、よく言えば雰囲気のある写真だが、前者は失敗のようにも見える。測光がピンポイントすぎて、それに伴う露出調整が極端な印象だ。HDRの効きも弱い。

ピントの位置を少しずらすと露出が大幅に変わってしまうのが難点。HDRの効きも弱い

風景や料理の写真は比較的自然に撮れている。AIを使って補正し、彩度を高めに仕上げる昨今のスマホとは傾向が異なる

 カメラのセンサーやレンズは変えられないため、限界はあるものの、画質調整等のソフトウエアにはさらに磨きをかける必要があると感じた。その他の部分は、発売時点から大きく変わっていない。コンパクトさゆえの使い勝手のよさや、トレードオフになるディスプレイの見づらさなどはそのまま。指紋センサー兼電源ボタンも同じ位置にあり、認証の速度は上がったものの、指が置きにくいところは当然ながら変わっていない。

 隣接業種から参入し、初めて開発したスマホなだけに、業界の常識にとらわれない大胆な機能、仕様も多い一方で、まだまだ粗削りに見える部分は少なくない。とは言え、継続的にソフトウエアをアップデートし、体験価値を上げていこうという姿勢は評価できる。ソフトウエアとはいえ、アップデートにはコストがかかるだけに、おざなりになってしまうメーカーも少なくない。夏にはOSそのものもAndroid 12にアップデートされる予定だ。ユーザーの評価を上げていくには、こうした地道な努力をコツコツと積み重ねていく必要がありそうだ。

【石野's ジャッジメント】
質感        ★★★
持ちやすさ     ★★★★★
ディスプレイ性能  ★★★
UI         ★★★★
撮影性能      ★★★
音楽性能      ★★★
連携&ネットワーク ★★★★
生体認証      ★★★
バッテリーもち   ★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

興味のあるジャンルを登録して@DIMEをもっと便利に!話題のコーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」やAmazonギフト券が当たるキャンペーン実施中

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2022年6月16日(木) 発売

DIME最新号の特別付録は「LEDテープライト250」! 特集は「超快適ウエアラブル」「最新EV図鑑」!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。