グーテンベルクは、デスクトップ型高速FFF(熱溶解積層)式3Dプリンター「G-ZERO」を6月1日より販売開始する。販売価格は98万円(初年度保守・サポート込み)。
極東精機製作所と安久工機との協力により開発・製造された、高速造形が特徴の低価格な業務用3Dプリンター。一般に、ハードウェア開発でプロトタイプ→量産設計の段階はつまずきやすいとされているが、3社ともに大田区に位置し、プロダクトデザインを含めてゼロ距離でコミュニケーションを取ることで、性能・コストの両面を考慮した量産設計を実現。「G-ZERO」の筐体部品の多くが、大田区を中心とする専門性の高い加工技術を持つ製造業社により生産されている。
「G-ZERO」は、これまでのFFF式3Dプリンターの欠点であった“遅い”という弱点を克服し、研究開発や加工現場での試作・一品物製造のサイクルを加速し、少量から中量生産の間を埋める製品で、一般的な既存他社製品の造形速度40-80mm/sに対して、G-ZEROは最大500mm/sを達成。これまでのFFF式3Dプリンターでは、大きな造形物になると半日以上かかるのが一般的だったが、高速化により多くのものを一日のうちに造形可能となった。
これまで、FFF式3Dプリンターは個人や企業R&D部門により試作や治具、一品物の製作用途に使用されてきたが、「G-ZERO」は、営業時間内での造形、学校の授業中など、時間的制約により使用が難しかった領域にも展開可能。高速造形により新たな領域での3Dプリンターの活用が期待できる。
■主な仕様
本体サイズ:430×480×470mm
本体重量:26kg
造形エリアサイズ:250×210×200mm
ノズル数:1
ノズル直径:0.4mm
最高ノズル温度:350度
最高ベッド温度:120度
ビルドプレート:マグネット吸着式スプリングシート(ベッド表面にBuildTak、PEI`シート等)
最高チャンバー温度:60度
対応樹脂:PLA/ABS/PC/ASA/PA/TPU等
レイヤー厚み:50~250μm
キネマティクス:CORE-XY
プリントヘッド最高駆動速度:500mm/s
プリントヘッド最大加速度:20,000mm/s2
サポート除去方法:ブレイクアウェイ
対応スライサー:PrusaSlicer/Cura
製品情報
https://gutenberg.co.jp/3dprinter
構成/立原尚子