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現在開発が進んでいる錠剤タイプの新型コロナワクチンは感染予防だけでなく空気感染の抑制効果も期待できる可能性、デューク大学研究チーム報告

2022.05.20

錠剤タイプの新型コロナワクチンに有望性

開発段階にある錠剤タイプの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンは、感染予防だけでなく空気感染の抑制効果も期待できることが、動物実験で示された。

米デューク大学のStephanie Langel氏らが実施したこの研究結果は、「Science Translational Medicine」に2022年5月5日掲載された。

一般的に用いられているmRNAワクチンは筋肉注射で投与し、新型コロナウイルス表面のスパイクタンパク質に対する中和抗体産生と細胞性免疫応答を誘導することで新型コロナウイルスによる感染を防ぐものと考えられている。

新しいワクチンは錠剤で、スパイクタンパク質を発現させるベクターとしてアデノウイルス5型を用いており、鼻腔および肺の粘膜組織で免疫系による病原体防御の最前線として機能する免疫グロブリンA(IgA)の産生を増大させることで新型コロナウイルスを中和する。

「鼻腔や肺をウイルスから防御することで、ワクチンを接種した人がくしゃみや咳で感染性ウイルスを伝播させるリスクを低減することができる」と研究グループは説明する。

ハムスターを用いた試験では、このワクチンの接種により、血液中および肺で強力な抗体反応の促進が確認された。

また、ハムスターを高レベルの新型コロナウイルスに曝露させてブレイクスルー感染を起こさせると、ワクチンを接種したハムスターではワクチン未接種のハムスターに比べて臨床症状が少なかった。

さらに、ワクチンを接種したハムスターでは、鼻腔および肺でのウイルス量が少なく、そのため、空気中に拡散されるウイルス量も少なかったという。

Langel氏は、「われわれの研究結果から、粘膜免疫は空気感染による新型コロナウイルスの拡散を低減する上で有効な戦略であることが示された」と主張する。

研究グループは、現行のmRNAワクチンにより、重症化および入院のリスクは低減されるが、ウイルスに対する確実な防御手段にはならないことを指摘する。

Langel氏は、「特に、小児のワクチン接種率が不十分であることを考えると、ブレイクスルー感染したワクチン接種済みの患者から未接種者への感染拡大は、公衆衛生上の1つのリスクとなっている。COVID-19を予防するだけでなく、ワクチン未接種者への伝播も低減するワクチンの開発には大きなベネフィットがある」と述べている。

今回の研究は、従来株に焦点を当てたものであったが、Langel氏は、「今後はオミクロン株に対するこのワクチンの効果を検証する予定だ」と話す。ただし、動物実験で得られた結果が、ヒトを対象にした試験でも再現できるとは限らない。

なお、今回の研究には、ワクチンの開発元である米Vaxart社および非営利の臨床研究機関である米Lovelace生物医学研究所のチームが参加している。(HealthDay News 2022年5月6日)

Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.abn6868

Press Release
https://corporate.dukehealth.org/news/investigational-mucosal-covid-vaccine-protects-against-disease-and-transmission

構成/DIME編集部


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