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「こだわりを捨て、与えられた環境下で最善を尽くす!」ボディビル世界チャンピオンの筋トレ哲学

2022.05.21

連載/ボディビル世界チャンピオン山岸秀匡の「筋!言」

筋肉ひとつで世界を渡り歩き、日本人で唯一、ボディビルの世界大会アーノルドクラシック212で王者を獲得した山岸秀匡氏。日本ではあまり知られていなかったボディビル競技のために、単身米国に渡って、未開の世界を切り開いてきた。

その足跡を追いながら、ビジネスシーンに役に立つ言葉を紹介する「山岸秀匡の筋言」、3回目の言葉は「与えられた環境下で最善を尽くせ!」である。(前回の記事はこちら

劣悪な環境でも逃げない

新刊書「筋トレは人生を変える哲学だ」((KADOKAWA発刊、定価1540円)では、人はそれぞれ異なる環境にあると語っている。平坦な道のりを行ける者があれば、一方で困難な道のりしか残されていない者もいる。与えられた環境が劣悪だからといって、歩みを止めてはならないと山岸氏は語る。

“トレーニング愛好者のなかには、トレーニング環境が変わることをとにかく嫌がる人がいます。もっとマニアックになると、脚はどこの店舗のどのマシン、胸はここ、腕はここ、と部位別に自分のベストを定めて回っている人も少なからずいます。

仕事で長期出張が入ってしまったり転勤になったり、あるいは店舗が臨時休業をしたり。いろいろな都合に応じて柔軟に対応していけばいいものを、気持ちをうまく切り替えられず「ああ、もう終わった」と諦めてしまう人がいます。

細かくこだわることが楽しい、という気持ちはわかります。だけれども、必要以上に固執してしまうとトレーニングのためのジムのはずが、ジムのためのトレーニングになってしまう。本末転倒です。

(米国からの)帰国後、ミッドプレスでトレーニングを再開した当初、私自身も戸惑いを感じました。

ジムの設備は、標準的なもので決して悪くはありません。ただ、それまで自分が身をおいていた聖地・カリフォルニアのトレーニング環境とは、細部において異なる部分が多かったのです。

だけれども、そんなのは当たり前。言っても仕方がないことであり、仕事ができる場所、トレーニングに打ち込める環境を提供していただいているだけでありがたいことだとすぐに思い直しました。

ボディビルディングを始めてから挫折を経験するまでずっと、右肩上がりで「より良い環境」を求め続けていました。身体が刺激に慣れてしまうのと同じで、私自身も気づかぬうちに整えられた最高のトレーニング環境に甘やかされていたのかもしれません。

贅沢を言えばキリがありません。このタイミングで改めて与えられた環境下で最善を尽くすことをしてみようと気持ちを新たに取り組みを始めたのです。(「筋トレは人生を変える哲学だ」より引用)”

鳴かずんばそれもまたよしホトトギス

いろいろな事情で環境が変化して、絶望的になってしまうのはビジネスシーンでもよくあること。細かいことにこだわり過ぎて、目的を見誤ってしまうことを松下幸之助氏も戒めている。

「ぼくはね、何ごとでも、何かにこだわっていたら、うまくいかないと思っています。だから、ぼくならこういう態度でありたいですね。「鳴かずんばそれもまたよしホトトギス」。つまり、自然の姿でいこうというわけですよ」(松下幸之助の人生談義より抜粋)

鳴かなくてもいいよ、と、さらりと流して次に進む。そんな自然体で、与えられた環境下を受け入れ、ベストを尽くすべきだと松下幸之助は説いている。

同じように山岸秀匡氏も、ジムに通えなかった時は器具の要らないスクワットを一日1000回。腹筋、背筋、腕立て伏せで、筋肉を維持した。水を入れたビニール袋を棒の両端に括り付けてバーベルの代わりにして、ベンチプレスやカールをしたこともある。工夫次第でできることがある、と山岸氏は語っている。

偏見すら力に変えることができる

山岸氏がボディビルのために渡米した頃、よく言われたのが「日本人は体が小さく、フィジカルが弱い」という偏見だった。ボディビルだけでなく、スポーツ界全体で、日本人選手はこうした偏見に身をさらされていた。

ハイレベルなコンテストでは、身体の大きなアフリカ系人種が大半を占め、トップを競っていた。しかし、小柄な日本人選手と思われていた山岸氏は、そんなハンデを吹き飛ばし、少しずつ実績を上げていった。

“私の活躍は、ボディビルディングはサイズがすべてではないことの体現であり、また、アジア系人種に向けられがちな「勤勉でまじめというステレオタイプ」の払拭につながるという見方もありました。それにより、じわじわと人気が高まっていたのです。

2社(サプリメントのトップブランドであるギャスパリニュートリションと、人気フィットネス雑誌のマッスルマグ・インターとの契約)が私に目をつけた本当の理由は、そこでした。特にギャスパリはアジアをマーケットに展開する考えもあったため真っ先に声をかけてくださったのです。

環境、とは少し違うかもしれないけれど、これもまた与えられたもの(=人種の違いによる骨格の違い)のなかで最善を尽くし続けた結果と考えます。何事も文句を言ったり諦めたりするのは簡単。だけれども、まずはできることをすべてやることで拓ける道があることも知っていて欲しいです(同引用)”

生まれながらにもったハンデを、逆に優位に活かすことができた山岸氏。素質による差が大きいと言われるボディビルの世界で、日本人として初の世界大会王者の座を獲得できたのも、ちいさなこだわりを捨て、大きな目標に向けて突進した結果だと説く。第三回目の筋(金)言、「与えられた環境下で最善を尽くせ」は、あらゆるシーンで私たちの心の支えになってくれる言葉である。

著者 山岸秀匡(ヤマギシヒデタダ)

1973年6月30日生まれ。北海道帯広市出身。早稲田大学で本格的にボディビルを始め、2002年にプロボディビルダーとなる。2007年からミスター・オリンピアに出場し、2015年には3位入賞。2016年、アーノルド・クラシック212で日本人初優勝を成し遂げた。

書籍紹介

定価: 1,540円(本体1,400円+税)
https://amzn.to/3EHUvOr
https://bit.ly/3vU0PiB

取材・文/柿川鮎子

編集/inox.

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