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落ちないようにするために必要なことは?ITパスポート試験を一発で合格する方法

2022.05.19

社内でITパスポート受験費用を負担してくれる制度ができた。合格すると金一封が出るので、早速申し込んでみたが、意外と範囲が広い上、実際に仕事で使っているのに知らないことが多かった。合格率は50%前後というが、かなりしっかりやらないと落ちるかもしれない。

いちばんやさしいITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集」(SBクリエイティブ発刊、定価1738円)の著者高橋京介先生に、合格率を上げる勉強のコツについて教えてもらった。先生、よろしくおねがいします。

細切れの時間を有効活用できるスマホ勉強

――仕事をしながら受験しようと思うと、本当に時間が無くて困っています。効率的に勉強するコツはありますか?

高橋先生 コツはスマホを使うことです。昔と違って今は、本だけでなく、動画やWebサイトなど、様々なメディアを使って学習できます。

例えば、スマホを使って動画で学習すれば、通勤途中の電車の中や、お風呂に入りながらなど、細切れの時間を活用することができます。私もYouTubeでITパスポート試験の対策講座を開設しています。ぜひYouTubeで「ITパスポート」と検索してみてください。動画一本あたりの再生時間は6分前後にまとめているので、空いた時間にさくっと学習できますよ。

――なるほど!合格の秘訣としては「モチベーションを維持し続けること」と書かれていますが、これから新年度で新入社員が配属されたり、気が散ってなかなか維持しにくい環境になってしまいます。どうしたら良いでしょうか?

高橋先生 「モチベーションを維持し続ける」のには、2つポイントがあります。1つ目は、「やってみること」、2つ目は「ITパスポート試験の真の意味を知ること」です。

1つ目の「やってみる」というのは、どんなに小さなステップでもいいから、まずは学習を始めてみるということです。「やる気を出すために、やってみる」というのは矛盾しているけど、脳科学的には正しいです。人間は何かをやり始めると、脳にある線条体という部位が活性化して、やる気が出ます。線条体が活性化すると、人間はそれを止めるのが嫌になります。

だから、試験勉強で大事なのは、まずは小さい一歩を踏み出すことです。私のテキストでは単元を小さく区切っています。まずは1章の1節だけを読むぞ!その他の章なんて絶対に読まないぞ!(笑)と決意して始めるのがいいですよ。

テキストのページ見本。ポイントを厳選して紹介している。

ITパスポートは良いシステムを作るための試験

高橋先生 2つ目はITパスポート試験の真の意味を知ることです。真の意味とはITパスポート試験が「良いシステム」を作るための試験なんだ、ということです。

ITパスポート試験では、たくさんの用語を覚えなければいけません。勉強をしていると、時々「なんでこんな用語を覚える必要があるんだろう?」って疑問に思うことがあるんですよね。例えば、私のテキストでは、最初に「経営理念」という言葉について学びます。でも、「これってITに必要なのかな?」って思いませんか?それで、人によっては、なんかITと関係ない用語も覚えさせられるし、ろくな資格じゃないな、やめよ、ってなってしまう。

でも、このような一見ITに関係ない用語でも、出題される理由がきちんとあるんです。それはITパスポート試験が「良いシステム」を作れるかどうかを問う試験だからなんです。

システムは手作業を自動化するために使われます。現代の企業では、この「システム化」が生存戦略の鍵となっています。でも、企業はどんなシステムでもいいから導入したいか、と言われるとそうではないんです。例えば、経営理念という会社の存在意義に反するようなシステムを作ってしまうと、それは会社にとってプラスどころかマイナスになってしまうんです。

つまりコンピュータに関する技術を知っていれば「システム」は作ることができるけれど、それが「悪いシステム」ならば、作ることによってかえって企業にとって損害となってしまうのです。そこでITパスポート試験では、「良いシステム」を作るために、経営理念など、一見ITに関係ない用語も学びましょう、ということになっているんです。

このように出題者の意図がわかれば、試験勉強の時にいだく疑問も少しは解消されるでしょう。

最初は完璧を目指さず、まずは流し読みで

――納得したら、やる気が出てきました!具体的な勉強のコツですが、先生のテキストを買ってきました。まずどうしたらよいでしょうか?

高橋先生 1回目で全部完璧にしようと思わずに、まずは流し読みでいいので、最初のページに手をつけることだと思います。

先ほどモチベーションが大事と言いました。テキストを少しだけでもいいから読みましょう。それができたら、次は1章分読みましょう。そして、章末にある過去問に取り組んでください。テキストを読んでいれば必ず解けますので「できた!」という達成感があると思います。そうすれば、やる気が出て2章3章と進んでいけるはずです。

なお、このテキストには十分な量の過去問題が掲載されているので、別途、過去問題集を買う必要はありません。テキストに掲載された過去問を繰り返し解く方が効率的です。それでも、過去問題集を解かないと不安、という方は、問題集ではなく「過去問道場」というWebサイトを使ってください。このWebサイトの解説は非常に詳しく書かれています。Webブラウザで「ITパスポート 過去問道場」と検索してみてください。

関連のある用語はセットにして覚える

――このテキストは赤いフィルムが付いていて文字を隠しながら繰り返し勉強できるようになっています。また、ページごとにコンパクトにまとまっているので、一つやるだけでも達成感がありますね。

高橋先生 このテキストの特徴は、用語と用語の「関係」を説明していることです。本屋さんで他のITパスポート試験のテキストと比べてみてください。他の本は辞書に近い作りになっています。用語の意味がずらっと並べられて、分野ごとにグループ分けされている印象です。

でも、ITパスポート試験は、先ほど話した「経営理念」から始まって、最後は「ビット」という最小単位に辿り着くまでが、一つの背骨で繋がっています。この背骨を明らかにしているのが本書の大きな特徴です。人間にとって関連のない用語を覚えるのは効率が悪いです。一方、関連のある用語はセットにして覚えることで、記憶に定着しやすくなります。

それから、赤いフィルムを用意したのは、アウトプットを増やすためです。ある程度用語のインプットが進んだら、赤いフィルムで頻出用語を隠して、自分がどれだけ答えられるかをチェックします。こちらも脳科学的にインプットよりも、アウトプットの方が記憶の定着が良いことがわかっているためです。覚えたことは、脳から取り出してみることでより深く理解、記憶できます。

重要用語が消える赤シートつき

合格のポイントは「計算問題は後で」

――問題数が多い上、選択問題なので、試験では素早く判断する必要がありそうです。受験で心掛ける点はありますか?

高橋先生 計算問題を飛ばしてください。過去問題を分析するとおよそ1割が計算問題です。計算問題は解くのに時間がかかるので、コストパフォーマンスが悪いです。計算をする時間があったら、用語を暗記しているだけで解ける問題に取り組みましょう。そして、試験時間が余ったら、初めて計算問題に取り組むことをお勧めします。

それからCBTと呼ばれるコンピュータでの試験形式に慣れておくことが大事です。ITパスポート試験は、紙ではなく、ディスプレイに表示された問題に対して、マウスを使って回答します。ITパスポート試験の主催団体はCBT疑似体験ソフトウェアと呼ばれるソフトウェアを無料で提供しています。このソフトウェアを使うと、本番試験さながらにCBTを体験することができます。CBTでの受験方法を、本番ではなく事前に知っておくことが重要です。

ITパスポート試験の試験時間は120分、問題数は100問です。一問あたりにかけられる時間は72秒です。短い印象がありますが、半数以上の受験生が120分の終了を待たずに挙手をして、試験会場を出ていきます。中には、全部にマークができたからこれでいいや!って出てしまう人もいると思います。でも、合格率は約50%です。あと1点に泣く人がたくさんいます。時間は全部使いましょう!試験にかけた時間、受験料7,500円、交通費がもったいないですからね!

次回の受験に備えて問題を書き出す

高橋先生 最後に、万が一試験を受けて画面に600点未満の点数が表示された人は、試験会場を出たらすぐにコーヒー屋さんに飛び込んでください。そこで、試験で出題された用語をノートに書き出してください。CBTの問題ストックは無限にあるわけではありません。次回の試験できっと同じ問題が何問か出題されます。そのために、記憶が鮮やかなうちに書き出してしまうのです。

ノートに書き出す際はITパスポート試験のシラバスを見ながら書き出すと、用語を思い出しやすいですよ。試験問題は絶対に口外してはならない約束になっています。でも、自分の記憶を自分のためだけに使うのはOKです。次回の受験では、ここで書き出した用語は必ず正解できるようにしてから臨みましょう。

――すごく参考になります!最後に、@DIME読者へ、合格のためのアドバイスやエールがあれば、ぜひお願いします。

高橋先生 高校で学習する科目に「情報」が取り入れられた関係で、ITパスポート試験でも、「プログラミング」に関する問題が出題されることになりました。私のテキストではこのプログラミングについても対策をきっちり載せていますので、安心してください。

それから、IT化の波に乗って、ITパスポート試験の受験者が近年急激に伸びています。令和3年度の受験者数は20万人を超えます。今すごく熱く、意義のある資格試験だと思っています。みなさんも合格目指して一緒にがんばりましょう!

――はい!ありがとうございました!

先生に受験のコツを詳しく聞いて、がぜんやる気になってきた!ITパスポートは単なる資格試験というだけでなく、日常業務の見直しやスキルアップにも役立つ。先生のアドバイス通り、細切れの時間を使って効率的な勉強で合格を勝ち取りたい。

著者紹介
1980年生まれ。群馬県高崎市出身。米国サンノゼ州立大学卒業。好きな食べ物は辛みそラーメン。趣味はDIY。

文/木村圭司

編集/柿川鮎子

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