視覚スケールを当てて意識下を読み取る
視覚を通して脳で生まれる感情は本能とも言われ、ごく日常的に使っている。例えばある色を明るくすると若さや新鮮なイメージを受け取り、さらに明るく淡くするとやさしさを感じているのだ。
このような視覚情報をスケール化してみると、塩の量を測るような具合で測れ、意識下の感情と一致することがわかる。
私たちは何気なく今日の気分に合う服の色を決め、相手もその気分を感じ取っている。視覚スケールの仕組みをアクティブに利用すれば意識下の感情にアプローチすることが可能になるのだ。
色を味方につけたマクロン氏、仏大統領選に勝利
こうした視点から、2022年4月フランス大統領選において極右候補との接戦を制したマクロン氏のネクタイ色は興味深い。選挙の定番色は赤と青の力強い対決色相だがマクロン氏はそれを避けた。
2022年4月24日、フランス大統領選挙で勝利を収めたエマニュエル・マクロン氏。
人には色や形を通して生まれる意識下、本能と言われる感情があり、心の奥に届いて行動を誘導する。マクロン氏陣営はその仕組みを見事に生かしたようだ。以下、視覚デザイン研究所による分析レポートを見ていこう。
青色の同系色で穏やかな安心を伝える
改めてマクロン氏のネクタイ色に注目してみよう。視覚スケールの中の色相型とトーン型に当てて意識下の感情を翻訳したのが下図だ。
マクロン氏の色相型は「中心・仲間・安心」を表し、トーン型は「真剣・誠実」を表し「対立のない安心できる国を真剣に求める」気持ちが表れている。フランスの人々はネクタイ色からマクロン氏の感情に共感し投票行動につながったよう。
一方、プーチン氏とトランプ氏2人のネクタイ色は赤色でスーツの青色と対決型であり、スーツの暗色トーンとネクタイの色との対比が相手を厳しく威圧する感情を表している。
赤と青は戦争色相
下図は第一次世界大戦下のアメリカの戦争ポスター。選挙の定番色である赤と青はどの時代でも勝負色となっているようだ。
関連情報:https://www.shikaku-d.com/designlab
構成/Ara
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