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29年かけて育成された新品種の台湾茶「台茶25号」が台湾で話題

2022.05.17

日本との関わりも深い「魚池茶業改良場」

2021年9月、台湾中部南投県の「魚池茶業改良場」で、29年かけて育成した新品種の台湾茶「台茶25号」が発表された。

南投県は台湾茶の産地として有名で、なかでも観光地として名高い台湾最大の湖「日月潭」は、台湾アッサム紅茶の産地である。

台湾の紅茶は日本と深いかかわりがある。

日本統治時代に台湾総督府がインドアッサム種を取り入れ、標高600~800メートルの肥沃な魚池盆地で栽培した紅茶の評価が高かったことから、紅茶試験支所を設立したという歴史があるからだ。

日本統治時代には、全台湾での茶樹栽培面積は、約45,000ヘクタールにものぼり、日本への輸出も次第に増加し、1923年には輸出の品質管理のために台湾茶検査所を設置、1930年には茶業伝習所も置かれたほどであった。

紅茶試験支所「臺灣總統府中央研究所魚池紅茶試驗支所」は、日本統治時代の1903年に設立し、1968年に「行政院農業委員會茶業改良場魚地分場」となった。

創立85周年に当たる2021年、トレンドウオッチャーが現地に赴き、 「魚池茶業改良場」を取材した。

「魚池茶業改良場」は、日月潭を望む高台標高850~1000メートルに位置し、茶園の面積は約38ヘクタール、平均気温は約20℃、年降水量は2,000~2,500ミリ、土壌アルカリ度は4.0~4.8の間で茶樹の成長発育に適した環境にある。

「魚池茶業改良場」内の山の斜面には茶畑が広がっており、約30ヘクタールの茶園で大葉種(アッサム種)と小葉種(中国種)が試験研究のために植えられ、現在6種類の品種を育成している。

「魚池茶業改良場」内には、1938年に建てられてから現在も使われている紅茶実験工場等の施設があり、茶葉の加工技術やお茶製品の多様化のための研究開発が行なわれている。

新品種の台湾茶「台茶25号」は、一ヘクタール当たり3,400~3,940キロと生産量が多く、生育旺盛で、干ばつ耐性があり、病害虫に強く、機械摘みも可能である。

赤紫色の新芽が出る「台茶25号」は、アントシアニンの含有量は緑の茶葉の50倍以上で、抗酸化、抗炎症等の作用がある。

緑茶として加工した物にレモン汁を加えると色がピンクに変化する。

「魚池茶業改良場」の研究員によると、旨みは流れるように滑らかで、蘭の花の香りがするとのことである。

「台茶25号」は茶葉加工の違いで色の変化が楽しめる

台湾では飲み物の自動販売機をほとんど見かけることはない。

代わりに街中いたる所にドリンクスタンドがあり、カスタマイズできる様々な種類のドリンクが売られている。

台湾経済部の統計によると、台湾では毎年10.2億杯ものドリンクが売れ、毎年平均で一人当たり43.3杯のドリンクを飲んでいることになるという。

「台茶25号」は、ミャンマー原産種と「台茶13号(翠玉)」の自然交雑による子孫と推定され、赤紫色の新芽が出る特殊な茶樹であることが1992年に発見されてから、育成されてきた。

紅茶に加工すると色はオレンジレッドとなり、緑茶に加工すると薄紫色となる。

緑茶に加工したものにレモン汁を入れるとバタフライピーのようにピンクに変化することから、ドリンクスタンドの商品開発が期待されている。

また、紅茶、緑茶として加工する以外にも、観賞用として庭園や景観栽培にも適している。

現在、植物品種権を申請中で、その後苗木の繁殖、茶農家の栽培生産等に入るため、早ければ2023年末に消費者が茶葉を購入できるようになる見込みである。

参考記事:https://tnc-trend.jp/taiwan32/

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構成/DIME編集部

 


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