女子刑務所の受刑者らにのる異例のミュージカル公演を目指す、キャリアウーマンの主人公。しかしそれは、自身の名声とキャリアアップのため。
2022年4月12日より独占配信中の『ハードセル ~女子刑務所に入ってみれば~』は、イギリスで製作されたコメディドラマ。
コメディアンのキャサリン・テイトが原作・制作・主演、さらに脇役キャラも演じている。
あらすじ
ウォルズリー刑務所の新しい所長に鳴り物入りで就任したローラ・ウィリス(キャサリン・テイト)は、元イベントプランナーから異例のキャリアチェンジを果たした。
敏腕ぶりが評価されてスカウトされたということになっているが、実は縁故採用だ。
荒廃した女子刑務所を改革して見せると意気込んでいたローラだが、就任早々、個性的な受刑者たちに振り回される。
しかし野心的なローラは次から次へと降りかかるトラブルにもめげず、受刑者によるミュージカル公演を成功させるために奔走する。
見どころ
アメリカの『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』、スペインの『ロック・アップ/スペイン 女子刑務所』、オーストラリアの『ウェントワース女子刑務所』など、女子刑務所ドラマは定番人気のジャンル。
刑務所のように閉鎖的かつ非日常的(世の中のほとんどの人にとっては一生縁がない)な舞台は視聴者の好奇心を掻き立てるし、受刑者一人ひとりが見せる人生ドラマや人間らしさも奥深く、心を惹きつけられる。
本作の場合は、他の刑務所ドラマと違いドキュメンタリー形式なのが新鮮。
女子刑務所モノの中には、“人生いろいろ”など日本の演歌が似合いそうなドラマチックで情感揺さぶるエピソードもあるが、本作はイギリスドラマらしい辛辣さがあるコメディ。
“デキる女性リーダー風”だが実はそれほどデキないローラが、部下から冷ややかな視線を向けられたり空回りしたりしている様子を中心に淡々と描いていく。
やたら厳しいけれど、なんせめちゃくちゃドライなので、観ていてニヤリとすることはあってもそれほど落ち込まない。
もちろんキャラクターに感情移入&共感させる、情感たっぷりなドラマにも良さはある。
しかし本作のように、敢えて突き放した俯瞰的な視点でやや意地悪で皮肉っぽく物事を捉えることによって「そんなに大したことはない」と思えて、逆に気持ちが救われることもあると思う。
Netflixシリーズ『ハードセル ~女子刑務所に入ってみれば~』
独占配信中
文/吉野潤子
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