小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

「働きがいのある会社」に認定された企業がチームの信頼関係を構築するために取り組んでいること

2022.05.15

今、社内外の多様なメンバーと組んで仕事をすることが増えている。そうした中、重要視されていることの一つが、いかにチーム内の信頼関係を築くかということだ。実際に企業内でチーム内の信頼関係を上手く築いている企業は、どんなことを意識し、そこにはどんな施策や工夫があるのか。

Great Place to Work Institute Japan(以下、GPTW)の「働きがいのある会社」に認定されており、上司・部下間の信頼面にも長けている2社にインタビューを行った。

チーム内のフィードバックと自己成長で信頼関係を構築~コンカー

コンカー社内風景

一社目は、株式会社コンカーだ。本社は東京都中央区銀座、創立は2011年、従業員数は338名で、出張・経費管理、請求書管理クラウドサービスを主に手掛ける。GPTWの「働きがいのある会社」に認定されており、ランキング(中規模部門)では、2018年~2022年まで5年連続で1位を獲得している。

そもそもGPTWが定義する「働きがいのある会社」とは、マネジメント層と従業員との間に信頼があり、一人ひとりの能力が最大限に生かされている(For All)会社のことを指す。認定されるということは、社内やチーム内で信頼を築くのが上手いことが期待できる。

コンカーでは、チームで働く際、全社的にどのような考え方の下で動いているのか。

今回、話を聞いたのは、同社のマーケティング本部 マーケットディベロップメント部 エンタープライズグループ マネージャーを務める山崎康行氏。営業やエンジニアなどを経験し、現在は大企業担当チームを率いる中心的な人物として活躍している。

「コンカーが大切にしている文化・考え方に『フィードバック』と『コーチャビリティ』があります。コーチャビリティとは、他者からのフィードバックを受け入れてより良い行動・自己成長に活かすことです。フィードバックについては、代表取締役社長の三村が社内研修の講師を務める『フィードバック研修』というものがあり、全社員が受講必須になっているほど、会社として力を入れている考え方でもあります」

どうやらフィードバックとコーチャビリティがチームの信頼性を高めるためのキーワードと言えそうだ。この2つを実践した事例を紹介してもらった。

●「フィードバック」と「コーチャビリティ」の事例

「先日同僚から、チームの情報共有に使っているチャットツールにおける私の投稿が真面目過ぎるために、チームメンバーが投稿しづらく、ゆえにチーム内の活気がないのではというフィードバックをもらいました。その後、自ら振り返って納得し、早速、翌日には『これからは雑談も取り入れていくから、チームメンバーからもドシドシ投稿して欲しい』と伝えました。

現在では、メリハリをつけながら各メンバーからの投稿が増加し、以前よりチームの一体感と活気を感じます。ちょっとしたことではありますが、このような些細なことでも、相手を信頼しフィードバックする。そして、フィードバックされたほうも相手を信頼しているからこそ、それを真摯に受け止め、より良い行動に活かす。この一連の流れがチーム内における信頼関係の形成につながっていると感じます」

●チームリーダーが意識していること

コンカー社内風景

続いて山崎氏自身が、チームリーダーとして、普段意識していることを教えてもらった。

(1)「コミュニケーションは受け手がすべて」

「これは尊敬する方にアドバイスいただいたことです。『自分が何を伝えたかではなく、相手がどう受け取ったか、理解したか』が重要であるということです。伝えたい内容をそのまま伝えるのではなく、伝える際の言葉選びや伝えるタイミングを意識しています。また、相手がどう受け取ったかを、その後の会話や行動からさりげなく確認するようにしています。『一方通行ではなく、双方向で初めてコミュニケーションが成立する』ということを常に念頭に置くようにしています」

(2)「自ら言ったことはやる(実践・行動する)」

『これは上司にアドバイスいただいたものです。例えば、私自身が『仕事を楽しむ』という目標を掲げているにも関わらず、普段、同僚と接する際に笑顔がなく常に疲れた顔で、後ろ向きな発言が多かったらどうでしょうか。もしくは、フィードバックをもらったにも関わらず、その後に何も改善策が実行されていなかったらどうでしょうか。

周りのチームメンバーや、フィードバックをした人からすれば、この人は言っていることとやっていることが違う人、あるいは口先だけで信頼ができない人だ、と思ってしまいます。そのため、自ら言ったことや掲げたこと、フィードバックをもらったことは必ず実行することを徹底しています。当たり前と思われる方も多いと思いますが、信頼関係を築くというのは、この当たり前の積み重ねだと思っています」

信頼関係構築のスタートは、部下の「個人ビジョン」に真剣に向き合うこと~あつまる

あつまる 全社員集合

続いては、株式会社あつまる。本社は東京都渋谷区神宮前、従業員数は67名で、DXソリューション事業を手掛ける。2019年にGPTWの「働きがいのある会社」に初認定された後、4年連続で選出され、2022年には小規模部門1位となった。

あつまるでは、全社的にチームで働く際、どのような考え方の下で動いているのか。

広報担当者に話を聞いた。

「当社の企業理念は『全従業員の物心両面の幸福を追求するとともに、出逢った人たちに無限の可能性を伝え続ける集団である。』です。『心の幸福』の定義は、“人生で一番、今が心が充実していること”としています」

●個人ビジョン経営

「企業理念を実現する手段として、会社の経営計画=全従業員のビジョンの集合体とする『個人ビジョン経営』という経営手法を貫いています。個人ビジョン経営に基づき、従業員一人ひとりのビジョンと日々の仕事が連動するよう、様々な施策があります。例えば、ビジョンを可視化し、達成までの計画を具体的にするための『ビジョンシート』の作成、ビジョンシートをブラッシュアップする『個人面談』、自分自身の約束を公言し、仲間の挑戦を応援する『コーチング』など、業務的にも人間的にも成長できる施策を全社で実施しています」

●チームリーダーが実践していること

社長やチームリーダーである上司は、日頃からどのようなことを実践しているのだろうか? ここでは大きく2つの取り組みを挙げてもらった。

(1)全社ミーティングによってフィロソフィを共有

あつまる「全社ミーティング」風景

「全社での取り組みとして、月に1回(8時間×2日間)全従業員が1拠点に集い『全社ミーティング』を実施しています。全従業員に直接、代表石井の想い・熱意・情報を伝える場、未来からの俯瞰逆算の目線合わせの場として開催しています。

代表石井からの課題改善の共有、外部講師による研修、フィロソフィについて語り合うなどのコンテンツを通して、従業員一人ひとりが、自分自身の日々の行動や考え方を振り返り、成長・改善する機会としています。お金や時間はかかりますが、フィロソフィを共有することが、個人ビジョンの実現につながると考え、重要施策の一つと位置付けています」

(2)部下のビジョンシートについて深く内容を理解

あつまる「ビジョンシート」

「ビジョンシートづくりにおいて、上司は部下のビジョンシートを熟読し、本人との質疑応答を重ね、深く内容を理解していることが部下に信頼してもらう大前提です。『自分の人生に真剣に向き合ってくれている』と部下に感じてもらうことがコミュニケーションのスタートとなります。

ただ、ビジョンシートに対して、上司は内容について経験のシェアはしても、アドバイスはしません。会社の業績アップのために何ができるかではなく、まずは社員自身がやりたいことに向き合います。優先順位を逆にすることで、社員誰もが互いに気持ちよく、業績アップへと邁進できます」

同社の特徴は、社員一人一人を大事にする考えの下、結果的にチームとしての強さを生み出しているところにある。その際、信頼構築のためには「社員ファースト」が重要であるようだ。

中規模、小規模それぞれの企業においてチーム内の信頼構築の手段は異なっていた。しかしいずれも、チームリーダーや上司としてメンバーや部下を尊重し、深く理解し、よく耳を傾けること。これが信頼を高める重要な共通事項であった。

【取材協力】
コンカー
あつまる
Great Place to Work Institute Japan(働きがいのある会社研究所)

取材・文/石原亜香利

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年3月15日(金) 発売

DIME最新号はデザイン一新!大特集は「東京ディズニーリゾート&USJテーマパークの裏側」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。