女性の社会進出が遅れていると言われる日本。では、女性起業家の活躍状況は、世界の国々と比べて如何ほどのものなのだろうか?
Mastercardはこのほど、Mastercard Index of Women Entrepreneurs(Mastercard女性起業家インデックス、以下「MIWE」)として、世界における女性の労働力の82.4%に相当する65の経済圏の女性起業家の活躍状況を調査した最新のレポートを発表した。
レポートから分析された日本の傾向
本レポートにおいて、65の経済圏のうち、日本は47位となった。なお、58の経済圏を対象とした前年の同ランキングでも、日本は同順位となる47位を記録している。
2020年から2021年にかけてのMIWEスコアの変動において、高所得経済圏の中ではサウジアラビア(+0.7)、アラブ首長国連邦(+0.3)、日本(-0.2)が最も進展が鈍く、企業経営やリーダーシップにおける女性の割合はまだ低調であることが示された。
これと対照的に、米国、ポルトガル、ニュージーランドなどの高所得経済国では、事業主およびリーダーとしての女性の役割が著しく高まっていることがわかった。
また、中東・アフリカ諸国(エジプト、サウジアラビア、ヨルダン、レバノン、イラン、モロッコ、チュニジア、アラブ首長国連邦、カタール)とアジア諸国(バングラデシュ、インド、日本)では、女性がビジネスリーダー、専門家、技術者として昇進する機会が少なく、世界の他の国々に比べて遅れていることも明らかとなった。
「MIWE 65カ国における女性ビジネスリーダーの割合」において日本は14.3%と、去年の14.8%よりも低下している。これは、アラブ首長国連邦(13.9%)やチュニジア(14.9%)と同等の数字であり、アジアで比較すると香港(32.0%)の約半分の結果となった。
日本では、女性が金融機関の顧客として疎外されることはほとんどなく、銀行口座、クレジットカード、デビットカードを所有する確率は男性と同じだ。
しかし、企業顧客としては、中小企業関連制度や事業資金へのアクセス(ビジネスローンの申し込み)がしづらい状況があるため、女性はより不利な立場に置かれやすい傾向がある。これは、金融機関から借入をしている女性の割合が日本は非常に低いこと(オーストラリア21%、カナダ25%、デンマーク18%に対し、日本は4.4%)にも表れている。
また、日本女性の高等教育への進学率は男性とほぼ同じ(女性63%、男性66%)だが、これはオーストラリア100%、ニュージーランド98%、シンガポール92%、台湾90%)と比較してかなり低い状況となっている。
出典元:Mastercard
構成/こじへい
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