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商品情報をふせて100万本サンプリング!謎に包まれたキリンの新しいチューハイ「ミステリー缶」の正体

2022.05.14

あえて情報を伏せた新商品を、100万本もサンプリング!?

コロナ禍で家飲み需要が高まる中、市場が大幅に拡大しているのがRTD(Ready to drink:栓を開けてすぐに飲める飲料)市場。中でも競争が激化しているのが、缶チューハイ市場だ。各社がさまざまなキャンペーン合戦を繰り広げる中、注目を集めているのが、キリンビールが2022年5月16日に情報解禁を予定している商品。

4月26日から、商品情報を一切明かさない「ミステリー缶」という形で、なんと100万本ものサンプリングを行っているのだ。同商品は、試飲した97%の人が「完璧なチューハイ」と答えたという自信作だが、「先入観なく味わってもらいたい」と考え、このキャンペーンを行なうことにしたという。はたして既存のブランドの新ラインなのか、あるいはまったくの新ブランドなのか、どのような製法なのか、今までと何が違うのか…。すべての情報は、解禁日の5月16日まで待たなければならない。

2022年4月26日に行われた発表会で、キリンビールの松村孝弘RTDカテゴリー戦略担当カテゴリーマネジャーは「コロナ禍の閉塞感の中で、リフレッシュを求めるニーズが増えている。人々がチューハイに求める最大の期待『爽快で、気持ちいい』に真正面から向き合いったのが今回の商品だ」と語った。その発表会では、松村氏も登壇したゲストも、数えきれないくらい「完璧」を連呼。どれだけ完璧なのか、さっそく「ミステリー缶」を入手し、味わってみた。

2022年4月26日に行われた発表会。左からキリンビールの松村孝弘RTDカテゴリー戦略担当カテゴリーマネジャー、カズレーサー、朝日奈央

ひと足先に「ミステリー缶」を味わったカズレーサーも味に太鼓判。「むしろ、『完璧じゃない』と答えた3%の人たちが気になる(笑)」

「キリンはもう、このおいしさを超えられないかもしれない」

4月26日から、全国の商業施設、書店、フードテイクアウト店商などでサンプリングされているキリンの新チューハイ「ミステリー缶」

缶には商品名はもちろん、製法や原料のヒントになる情報は最低限しか載っていない。その代わりにでかでかと書かれているのは、キリンビールの熱い想いだ。

「チューハイを造り続けて20年以上、キリンはもう、二度とこのおいしさを超えられないかもしれない。」

そこまで言いますか!そんなにハードル上げて大丈夫?と、飲む前から心配になるほどだ。

プルトップを開け、グラスに注いでいる間にも、爽やかで甘いレモンの香りが広がる。この香りの広がりは初体験!期待が高まる。

口に流し込んだ最初の印象は、「お、レモンの酸味のキックがけっこう効いてるな」。だがその酸味を受け止めるように、すぐにすっきりした甘みが広がる。酸味と甘みが時間差で来て、すぐにひとつに融合する感じ。リフレッシと癒しが交互に波のように訪れるので、ずっと飲み続けたくなる。確かにこれはおいしいし、今までにない味わいかも。

缶の表示を見ると、アルコール5%と、平均的な度数。果汁は2.7%。この表示だけでは、味から受ける突き抜けた印象の理由は見えてこない。やはり情報解禁を待つしかなさそうだ。

「チューハイは甘いから、自分向けではない」という非ユーザーへのアンサー

熾烈な缶チューハイ市場で、飲料会社がさまざまな戦略を練っている中、“新たな付加価値”戦略をとっているのが、キリンビールだ。例えば2020年10月に、RTDで初めて麹を入れて“うまみ”を加え、食事と合う味わいに仕上げた「麹レモンサワー」を発売。2021年3月にはレモン果汁を酵母発酵させた「麒麟 発酵レモンサワー」を発売。上記2品は、ビール類・RTD飲用者の多くがRTDに対して抱いている「人工感」を、「麹」「発酵」という切り口で逆転させたもの。5月16日に情報解禁となる今回の商品は、チューハイの非ユーザーの7割が抱いている「チューハイは甘すぎて、自分向けではない」というイメージを払拭するために開発された商品だという。

確かに、お酒の弱い層も飲めるような設計にしたため、甘くなっている缶チューハイも多い。とはいえ、「だったら甘さを減らせばいい」という簡単な話ではない。ペットボトルのミルクティーでも「微糖」カテゴリーが伸長していたが、微糖を好む層の好みもコロナ禍で微妙に変化。「日常に刺激を与えてくれる贅沢感を求める消費傾向」が高まっていて、微糖でも以前より甘めが好まれるよう変化しているという。そうした変化に対応し、キリンビールのグループ会社であるキリンビバレッジは、ヘルシーさも甘さもかなえる新商品「キリン 午後の紅茶 ミルクティー 微糖」を2022年4月5日に発売している。

今回の「ミステリー缶」の試飲でも感じたのは、商品開発のきっかけは「甘いというイメージの払しょく」であっても、決して「甘くない」だけのチューハイにはなっていないということ。さまざまな飲料を通じて、日本人の好む微妙な甘さを研究してきた同社ならではの繊細さを感じた。

ちなみに「100万本もサンプリングして大丈夫なのか」と不安になるが、「麒麟 発酵レモンサワー」は発売からわずか4日で1,000万本(250ml換算)を突破しているというから、十分勝算はあるのだろう。

全貌が明らかになるのは5月16日

取材・文/桑原恵美子
取材協力/キリンビール株式会社

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