毎日の生活に欠かせないランチ。コロナ禍で働き方やライフスタイルの変化が顕著になる中、ビジネスパーソンのランチ事情にはどのような影響が生じているのだろうか?
リクルートの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」はこのほど、首都圏・関西圏・東海圏の平日のランチの実態についてアンケートを実施。そのうち有職者のランチについて集計が行われたので、その結果を紹介する。
1.平日のランチ、「自炊」が2年連続で増加。「外食」は2年連続で減少
有職者(職業が「公務員」「経営者・役員」「会社員」「自営業」「自由業」の方)の平日のランチについ
てアンケートの集計を行った。
食べ方の最多は「自炊、または家族等が作った食事」で34.9%。前年から微増して、2年連続の増加となった。次いで2位が「小売店や飲食店で購入した食事」で20.5%、3位が「自分、または家族等が作った弁当」で18.8%、4位が「社食、学食」で8.0%、5位が「外食店内での食事」で6.9%と、5位までは前年と順位が変わっていなかった。「外食店内での食事」は、2年連続で減少した。
性年代別では、「自分、または家族等が作った弁当」は男性よりも女性において高く、30代男性では、「小売店や飲食店で購入した食事」が高く、「自炊、または家族等が作った食事」「自炊、または家族等が作った弁当」が低い傾向だった。
先週の平日のランチは、どのように食事したか(全体/単一回答)
2.ランチで「自炊、または家族等が作った食事・弁当」が増えた人が28.7%
次に、1年前と比べて、ランチの食べ方で増えているものを聞いた。以下数値はすべて「増えた」と「やや増えた」の回答者の合計値となる。
「自炊、または家族等が作った食事・弁当」が28.7%と、3年連続で最多だった。次いで、「小売店で購入したもの」が16.6%、「外食店からテイクアウトしたもの」が11.7%となった。
全体的に外食よりも、内食(自炊)や中食のスコアが高い傾向は前年比で変わらないが、内食(自炊)や中食のスコアは前年比では下がっている。一方で、外食のスコアは僅かながら伸びている傾向だった。
性年代別では、20代男女で「増えたものはない」の割合が低く、特に20代男性では内食(自炊)、中食、外食いずれも増加傾向にあった。また、20代男女では「自炊、または家族等が作った食事・弁当」も目立って高く、若年層でランチの食べ方に変化が大きいようだ。
1年前と比べて、平日のランチの頻度が「増えた」「やや増えた」もの(全体/複数回答)
3.ランチ予算、「出前、デリバリー」1,274円、「外食」1,104円。すべての食べ方で前年比増額
平日のランチの形態別の予算を聞いた。最も高かったのは「出前、デリバリーしたもの」で平均1,274円(前年1,171円)、続く、「外食店内での食事」も平均1,104円(前年1,103円)と平均1,000円以上。ともに2年連続で増額した。
他の食べ方に関しても、最も安い「自炊、または家族等が作った食事・弁当」の平均368円(前年360円)まで、すべての食べ方で前年比では増額している。食材を中心とした物価の上昇も関係しているかもしれない。
性年代別では、40代女性で「出前、デリバリーしたもの」が特に高く、平均1,477円。20代女性では「外食店内の食事」が平均1,269円と高かった。前年も同様の傾向が見られたが、「外食店内での食事」は、男性よりも女性で単価が高い傾向があり、女性においては内食や中食の活用が積極的な一方で、外食する時には「ちょっと贅沢」を楽しんでいる可能性がありそうだ。
平日のランチ1回あたりにかける予算・平均値(全体/それぞれ実数回答)
4.「テレワーク」でもそれ以外でも「1人ランチ」が増加傾向
働き方の変化に伴い、1年前と比べてランチの食べ方に変化があったかを聞いた。コロナ禍に関連して「テレワーク増加」の影響を聞くのは2回目となったが、全体的に前年比でスコアは横ばいから減少の傾向で、社会としてのコロナ禍における対応への慣れを感じる結果だった。
それでも「テレワークの増加」により、「1人でランチを食べることが増えた」(30.6%)、「自宅でランチを食べることが増えた」(24.2%)は全選択肢中1・2位と高く、3位は「仕事の時短や効率化を求められた」ため「1人でランチを食べることが増えた」(20.4%)となっており、この上位3回答が全体の2割以上のスコアとなっている。
また、「1人でランチを食べることが増えた」はどの働き方の変化においても選択の上位の回答となっており、全体的に1人でのランチが増えていると考えられそうだ。
働き方の変化に伴う、1年前と比べた平日ランチの変化:「あてはまる」「ややあてはまる」もの(全体/複数回答)
<調査概要>
調査方法:インターネットによる調査
調査時期:2022年3月1日(火)〜2022年3月9日(水)
調査対象:首都圏、関西圏、東海圏に住む20〜69歳の男女(株式会社マクロミルの登録モニター)
有効回答数:5,469件
出典元:株式会社リクルート
構成/こじへい
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