
急速にDXが進む中で注目されるITエンジニア。理系の専門分野という先入観があるかもしれないが、実はすでにエンジニアの約3分の1は文系出身者なのだ。
分業体制により活躍の場が広がる
エンジニアの有効求人倍率はここ10年1倍を下回ったことがなく、人手不足が顕著だ。「プログラミングが難しそう」「残業時間が長くて大変そう」といったイメージが、求職者に二の足を踏ませている。海外では理系出身で情報科学に精通した人が就く仕事として知られているのも、それを助長する。しかし日本では、文系出身のエンジニアの割合が増えている(下図)。
実は、日本ではプログラミングが苦手で専門知識がない文系でも、エンジニア経験が積める環境が整っている。例えば、機能の開発要件をまとめたり、プログラミングを専門で行なう下請け業者の管理をしたりといった仕事も、広義のエンジニアとして認識されている。これらの仕事で経験を積み、実践的なプログラミングを学び、専門性を高めれば、最前線で活躍するエンジニアへと成長できる可能性がある。実際にどのような文系出身者が活躍しているのか。また未経験から転職することは可能なのか。最前線で活躍するエンジニアたちを取材していく中で、様々なヒントが見えてきた。
文系出身者が3割超!IT技術者の最終学歴はどう変化してきたか?
エンジニアの総数は右肩上がりに増えているため、情報系・理系出身者が減っているわけではない。またここでいう技術者の定義には、プログラミングをしないプロジェクト・マネージャーやITコンサルタントといった職種まで含まれている。
取材・文/久我吉史