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メタバースでラジオの公開生放送を行なったTOKYO FMとBMWのユニークなPR戦略

2022.05.11

BMWとTOKYO FMのコラボで感じたメタバースの可能性

BMWは、TOKYO FMとのコラボレーションで、Metaが提供するVRヘッドセット「Meta Quest 2」とVR空間「Horizon Workrooms」を活用したバーチャル空間で「クルマのJOY」を共有するラジオ番組「TOKYO FM Holiday SPECIAL Drive through the New World~#JOY MOVES ME~」の公開生放送を4月29日(金)に行なった。

今回のラジオ番組は、クルマには欠かせないラジオを、常に先端の技術とコンテンツでアップデートし、リスナーに新しいラジオ体験を提供してきたTOKYO FMと、時代のパイオニアとして常に新しい可能性を追求してきたBMWとのコラボレーション。さらに、Horizon Workroomsを活用したラジオの公開生放送は、TOKYO FMおよびMetaとして初の取り組みとなった。

その公開生放送では、TOKYO FMでのオンエアに加え、バーチャル空間において、YouTube Liveにてライブ配信も行なわれた。番組パーソナリティは、浜崎美保氏(TOKYO FM「Skyrocket Company」パーソナリティ)が務め、ゲストにダンスクリエイターのTRF・SAM氏、ELLY/CrazyBoy氏、コメントゲストに中尾明慶氏を迎え、「JOYなエピソード」や、「EVが作る新時代のクルマのJOY」などクルマにまつわることをテーマにトークが展開された。

そして、そのバーチャル空間での公開生放送は、Metaが提供するサービス「Horizon Workrooms」およびVRヘッドセット「Meta Quest 2」を用いて実施し、事前募集で集まったリスナーが「Meta Quest 2」を装着して参加。番組内では、バーチャル空間内に集まった視聴者同士がリアルタイムで会話をしたり、またELLY氏がアバターとなって「Horizon Workrooms」に参加して番組を盛り上げた。

BMW×TOKYO FMコラボのメタバースラジオ公開生放送の背景とは?

さて、今回の公開生放送イベントに先駆けて、メディア向けに「BMWメタバースラジオ公開生放送体験会」が行なわれた。まずは、BMWのブランド・コミュニケーション・マネジャーである井上朋子氏が登壇し、その背景について説明。

ビー・エム・ダブリュー ブランド・コミュニケーション・マネジャー 井上朋子氏

1916年にエンジンメーカーとして創業したBMWは、すでに約50年前からEVの試験開発を行なっており、1972年のミュンヘンオリンピックのときには、「1602 Electric」というEVモデルを発表していたという。

さらに、翌年の1973年には、自動車業界で初となる「環境化マネージャー」ということを推進したことにはじまり、それ以来、BMWにとってサスティナビリティという概念が伝統となりつつあるのだという。

「ix」

そして、2011年にBMW iブランドを発足し、昨年にはEVモデルの「ix」が誕生した。続けて、サスティナビリティという言葉を具現化するために、CO2排出量削減に向けた取り組みを強化していることを説明しつつ、拡充するEVラインナップを紹介。

「i4」

また、BMWのブランドスローガンである「駆けぬける歓び」について、“走り”という側面だけでなく消費者の求めるコアバリューである“JOY”の部分のアップグレードが必要であること。それには、単なる製品性能に対する“歓び”だけでなく、自分の行動範囲や視野を広げ、多彩な経験が自分自身の人生を豊かにしてくれるような「人生を駆けぬける歓び」として、すべての人々とJOYを共創していけるブランドであるべきだと考えているという。

そこで、「人生を駆けぬける歓び」として、すべての人々と価値を共有する「#JOY MOVES ME」というプロジェクトを展開。そんな背景とともに今回、時代のパイオニアとして新たな体験を提供すべく、業界初となるメタバースラジオを実施することとなったと説明した。

エフエム東京 執行役員 デジタル戦略局長 嶋裕司氏

続いて、エフエム東京の執行役員デジタル戦略局長である嶋裕司氏が登壇。今回、初の試みとなるVR空間から生放送を行なう新しいスタイルのプログラムは、出演者のJOYなエピソードをメッセージテーマとしながら、4時間にわたってお届け。それぞれ遠い別の場所に住んでいるリスナーが、パーソナリティの横に座って一緒に放送が楽しめたり、会話ができたりと初めて提供できる全く新しいエンターテインメントだと説明。

さらに、このプロジェクトのパートナーでもあるBMWの電気自動車iシリーズは、先進性や未来性があり、そのよさを表現する企画としてラジオの持っているリスナーとの距離の近さやクルマとの親和性をどのように打ち出していくか検討。そこで現在、コロナ禍におけるリモート会議やライブ配信サービスなど、新しいかたちの楽しみ方が広がっていることもあり、ラジオの特長でもある情報が深く伝わりやすかったり、SNSとの連動性のよさを活かしながら今回の公開生放送の実施に至ったのだという。

なおTOKYO FMは、今年4月26日で開局52周年を迎えたのだが、ちょうど2年前の50周年のときに、ラジオ局からオーディオコンテンツ事業者へシフトしていくという宣言をしたという。そこで今回のようなラジオ業界という枠を超えて、今後もオーディオコンテンツ事業者としての企画力、発信力をより高めていきたいと抱負を語った。

「Horizon Workrooms」を活用したバーチャル空間を体験!

そして、バーチャル空間での公開放送がどのようなものなのか、筆者も参加リスナー役として体験させてもらった。体験会の会場では、かなり離れたそれぞれの場所にブースが設置されており、放送当日のパーソナリティを務める浜崎美保さんも参加。

まずは、Meta社の最新VRシステム「Meta Quest 2」を装着すると、会議室を模した3Dのバーチャル空間に参加者がアバターとなって集合。その空間でリアルタイムで違和感なく、それぞれの人と会話ができるのでおもしろい。さらに、自分の手の動きまで表示してくれるので、例えば相手とじゃんけんをするというようなことも可能。

ちなみに、この手の動きについては、実際に自分の手にセンサーのようなものを取り付けるわけではないのに、指の繊細な動きまでもしっかりと再現してくれるのには驚かされた。また、相手がアバターであるのは分かっているのだが、浜崎さんのような女性から話しかけられると、恥ずかしくて目をそらしてしまうほどリアルに感じた。

そして、筆者が運転したくてウズウズしているのを察したのか(?)体験会の最後に、EVモデルの「ix」を少しだけ試乗させてもらえた。その走りは、ほんの数分乗っただけでもわかるほど、とても静かで上質な先進性の感じられるもので、いたく感心させられた。もし機会があれば、ぜひ改めてその詳細な試乗リポートを行ないたい。

さて、今回のBMWとTOKYO FMのコラボによるメタバースでの公開ラジオ番組という取り組みだが、ネットさえ繋がっていれば世界中のどこからでも参加ができ、憧れの著名人やいままでは出会えなかった人たちとリアルなコミュニケーションがとれるため、参加者にとっては大変魅力的だ。

企業側も、商品やコンテンツの魅力を直接アピールできる場として、うまく活用できるだろう。ただ、どんな見せ方でアピールするのか、そこがカギになりそうだ。

今回のような車の場合、メタバース内にバーチャルカーを登場させることは可能だと思うが、実際の車を試乗させる、触らせる、にはまた別の施策が必要になる。試乗映像のVR体験で没入させることはできると思うが。

メタバースとアバターが定着することを想定して、アバターが乗る車をメーカーが公式で販売する、なんてのもアリか?

何にせよ、今後、続々と登場するであろうメタバースを活用した企業のPRイベントにどんな新しい施策が導入されるのか注目していきたい。

関連情報:http://www.bmw.co.jp

取材・文・撮影/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)

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