【短期集中連載:Vol.5】人生100年時代に必要な時間との付き合い方
タイムコーディネーターの吉武麻子です。
シリーズ累計90万部を突破した『時短、効率化の前に 今さら聞けない時間の超基本』監修者の私がお届けしている「自分の心地よさを大切にした時間術」。いよいよ最終回となりました。今回は、これまでのまとめとして「人生100年時代」をテーマに総括したいと思います。
Vol.1:消化不良になりやすい4月の時間の使い方
Vol.2:オンライン時代に必要な時間との付き合い方
Vol.3:時間に対する思い込みを外して、仕事も、暮らしも、人生もより豊かに
Vol.4:朝時間を活用して未来を切り開こう!早起き定着4つのコツ
1、人生100年時代と時間の関係
「人生100年時代」とは、世界的にもベストセラーとなった『LIFE SHIFT』の著者リンダ・グラットン教授が提言した言葉です。今後寿命が伸びていくにあたって、個人も生き方や働き方の見直しが必要と言われるようになりました。また、新型コロナウィルスを発端としてオンラインでの働き方も身近な選択肢となったり、これまで一般的ではなかった業種や職種が広まったりと、変化が大きい時代に生きる私たち。1人1人が人生を豊かにする方法を探っていく必要があるのです。
2、そもそも時間の概念とは?
そんな100時代に必要なことは、自分にとっての「時間」を再定義していくことです。というのも、時間は1日24時間と決まっていますが、それが長いか短いかすら、非常に主観的なんですよね。時間の「質」もしかりです。同じ通勤時間でも「みんな出社しているから仕方ない」「仕事だから」と不満をもちつつ過ごす人と、「せっかくなら本を読んだり考える時間に充てよう」「通勤時間を省きたいから上司に掛け合って週3日にした」とするのでは、毎日の充実度が変わってきます。この充実度の裏側にあるものは、何をしているかではなく個人の「決定権」にあります。時間をどう捉え、どう主体的に使っていくかが、人生の満足度に大きく影響するということを忘れないでいただきたいと思います。
3、時間管理からタイムコーディネートへ
そこで私が提唱しているのが、自分の心地よさを主軸にした「タイムコーディネート」という考え方です。従来の「時短」や「時間管理」では、誰かが決めたやるべきことを、とにかくスピードアップして可能な限り詰め込むという側面が強くありました。一方「タイムコーディネート」では、洋服やインテリアのように自分が好きで心地よいものを、ライフステージに合わせて自ら選び取っていきます。
もちろん、今は猛烈に仕事がしたい!というのもOK。逆に、家族との時間を最優先するのもいいですね。仕事は週3日で、残り3日は副業や趣味に没頭するなど、ワークもライフも諦めないハイブリッドな生き方という選択肢も。人生100年時代だからこそ、みんな一緒の「正解」に自分を押し込めてモヤモヤするのではなく、自分らしく時間の使い方を設計していきましょう。
4、すべてのスタートとなる「心地よさ」の定義
そうは言っても、最初から自分らしい時間の使い方というのも、どうしたらいいか分かりませんよね。そんな場合には、1日の終わりに、今日あった良かったことをリストアップしていくことをおすすめします。「自分の好き」や「心地よさ」が分かれば、それをスケジュールの中で少しずつ増やしていけばいいからです。ちなみに、「今週の良かったこと」というように時間軸を広げてしまうと、日常の小さな喜びよりも分かりやすいものに目がいきがちなので、1日1日の中で幸せの感度を高めていくことを意識してみてください。
もちろん、社会の中で生きる私たち。いきなり全てを自分の思い通りのスケジュールにするというのは現実的ではありません。それでも「自分では動かせない苦手な予定がある日は、気分が上がる時間を確保する」というように、時間の使い方はコントロールできることを覚えておいてください。お弁当に好物の唐揚げが入っている!というようなことでも十分です。
5、心地よい時間の使い方は手放しの意識から始まる
もう1つポイントとなるのが「手放し」の意識です。私たちは自分の使える「時間」に対して「やること」を多く抱えています。だからいつも時間に追われているように感じるのです。時間に追われていては心地よさを感じることができません。時間に追われないようにするためには、抱えすぎのタスクをひとつずつ手放していく必要があります。
今あなたが抱えているタスクは、本当にやる必要がある重要なことでしょうか?あなたではないとできないことでしょうか?今、やるべきことでしょうか?
手放すというのは、無責任に放棄することではありません。そのタスクの重要性や、優先度、適性などから判断し、ご自身にとって、チームにとって、家族にとってよりよい形をつくるようなイメージを持ってくださいね。
6、時間の使い手となって、変化の多い人生100年時代を軽やかに乗りこなそう!
人生100年時代と言われる今、より個々人の「時間」に対する意識が鍵となることをお伝えしました。ちょっと難しそうとか、まだピントこないと思われた方もいらっしゃるかもしれません。でも、価値観の多様化が急速に進んでいる今だからこそ、従来よりも自分らしく生きることが叶えやすくなった時代でもあり、子育てが終わった主婦層や会社に人生を捧げてきたというような方にも挽回のチャンスがあるということです!ライフもワークも充実させたい!という@DIME読者の皆さんは、ぜひ自らが時間の使い手となる意識を持ち、心地よい暮らしを実現していってください。
全5回の連載、お付き合いをありがとうございました!
Vol.1:消化不良になりやすい4月の時間の使い方
Vol.2:オンライン時代に必要な時間との付き合い方
Vol.3:時間に対する思い込みを外して、仕事も、暮らしも、人生もより豊かに
Vol.4:朝時間を活用して未来を切り開こう!早起き定着4つのコツ
<執筆者紹介>
吉武麻子
TIME COORDINATE株式会社代表 タイムコーディネート手帳考案者
海外の広告業界で365日仕事に追われ、結婚・妊娠・出産と自身のライフイベントと葛藤した経験から仕事・子育て・家事・パートナー・自分時間を望むバランスで実現しながら仕事のパフォーマンスをアップさせるオリジナルのタイムコーディネート術を考案。個人事業主、副業・会社勤めのワーキングマザーなど公私ともに時間を効率よく使い、目標実現をさせたい方に時間管理のコンサルティングサービスを提供している。2児の母。監修本『時短・効率化の前に 今さら聞けない時間の超基本』では、会社員向けの時間の使い方も図解を入れて具体的に解説しています。
『時短・効率化の前に 今さら聞けない時間の超基本』(朝日新聞出版)
監修:二間瀬敏史、吉武麻子
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