ローランドは、映像や音声信号をリアルタイムに解析して照明機器を自動的にコントロールできる、同社初のビデオ・ライティング・コンバーター『VC-1-DMX』の発売を開始した。
本体サイズは幅180×奥行き115×高さ41mm、570g。価格はオープン価格。
リアルタイムで映像・音声信号、MIDIの解析と高速処理を実現
ビデオ・ライティング・コンバーター『VC-1-DMX』
コロナ禍により、自宅、カラオケボックスやバーなど身近なスペースで、コンサートやスポーツなどのライブ配信やコンテンツを楽しむ機会が増えているといわれている。
ただし、気軽に良い音や映像を楽しめるものの、ミュージシャンや選手の動き、映像に合った照明など、ホールやスタジアムで得られる躍動感や臨場感まではなかなか実現できないもの。
そんな中、今回発売された『VC-1-DMX』は、リアルタイムで映像や音に合ったダイナミックかつ本格的な照明の演出を自動的に行ない、さまざまなイベントを効果的に演出する機材だ。
『VC-1-DMX』を使った照明演出イメージ
『VC-1-DMX』は、ハードウェア処理により、映像や音声の信号を遅延なくリアルタイムに解析し、照明機器の制御信号である「DMX」(※)を自動的に生成。照明専門のオペレーターがいなくても、機器を自動的にコントロールして、光による魅力的な空間を演出できるという。
例えば、アーティストのライブ映像を入力すると、映像に合わせて照明の色や明るさを変化させたり、音楽のテンポに合わせてミラーボールの回転速度を変化させたりすることが可能。また『VC-1-DMX』と電子楽器をMIDI経由で接続することにより、演奏にぴったりと合った照明で会場を盛り上げることもできる。
(※) 照明機器の調光や調色などを制御する通信規格。主に舞台照明や演出機器の制御に使用されている。
そんな『VC-1-DMX』の主な特徴は以下のとおり。
シンプルな接続・設定で音と映像と照明を同期
『VC-1-DMX』は、映像や音声、MIDI信号を入力すると自動で解析して、照明機器を制御するDMX信号に変換出力する新しいコンバーター。DMXに対応する複数の照明機器を連結し、まとめて制御することもできる。
高度な映像解析が可能
『VC-1-DMX』は、HDMIに含まれる映像信号を最大32エリアに分けて色情報を解析し、各エリアの輝度情報を抽出。抽出されたデータをDMXの各チャンネルに割り当てることで、接続された照明機器を制御する。
音楽に合わせて動く光の演出
『VC-1-DMX』は、HDMIまたはアナログのオーディオから入力された音声を解析して、ビート(拍子)やテンポ(速さ)、無音情報を抽出する。ビート情報に合わせて照度に強弱をつけたり、テンポに合わせてミラーボールなどの照明機器の回転速度を合わせたりするほか、無音の時には自動的に照明を消すこともできる。
MIDIコントロールでより凝った照明演出も
『VC-1-DMX』は、MIDIからDMXへの変換もサポート。システムの拡張制御が必要な場合にも幅広く対応する。MIDIコントローラーを接続すれば、MIDIのコントロール・チェンジ情報を使い、照明全体の調光や、ムービングライトの上下左右の動きなど、さまざまなDMXパラメータをMIDIコントローラー側から制御することが可能。
また、キーボードや電子ドラムなどの電子楽器からMIDIノート情報を使用して、ライブ・パフォーマンスに同期した照明効果を加えることも。USB MIDIにも対応し、照明コントロール・ソフトウェアや音楽制作ソフトウェアからDMX機器を制御することもできる。
設定を自在にカスタマイズ
macOS / Windows用のDMX設定用ソフトウェア「VC-1-DMX Tool」を使えば、手持ちのDMX対応照明機器に合わせて『VC-1-DMX』をカスタマイズ。個々の照明機器に合わせて、映像や音声からの解析情報やMIDIコントロールなどを512のチャンネルのDMXに割り当てたり、複数の『VC-1-DMX』へ設定をコピーしたりすることが可能だ。
関連情報
https://proav.roland.com/jp/products/vc-1-dmx/
構成/清水眞希
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