CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. パワー ジャパンは、2022年の生命保険保全手続満足度調査の結果を発表した。総合満足度ランキングは次の通り。第1位のプルデンシャル生命(707ポイント)は、7年連続の1位。「顧客対応」「連絡・案内」「手続・書類」の全ファクターで最高評価だった。第2位はソニー生命(685ポイント)、第3位は東京海上日動あんしん生命(662ポイント)だった。
「J.D. パワー 2022年生命保険保全手続満足度調査概要」
年に1回、直近1年以内に保全の手続きや連絡を行った顧客を対象に保全期の問合せや手続きにおける保険会社・保険代理店に対する満足度や活動実態を聴取し明らかにする調査。今年で11回目の実施となる。
■実施期間:2021年11月中旬~12月上旬
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:生命保険を保有し、直近1年以内に契約・請求を行っていない人のうち直近1年以内に保全の手続き・連絡を行った人(20歳以上)
■調査回答者数:7434人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「顧客対応」(43パーセント)、「連絡・案内」(35パーセント)、「手続・書類」(22パーセント)となっている(カッコ内は影響度)。
保全期間中に保険会社のホームページを閲覧・利用した顧客は年々増加している。2020年にはホームページ利用率は37パーセント、2021年には42パーセントだったが、今回の調査では46パーセントと毎年5ポイント程度増加している。ホームページへのアクセス手段は依然として「パソコン」がもっとも多いが、「スマートフォン」が増えている。2020年には「パソコン」が68パーセントであったが年々減少し、今回では54パーセントになった。一方で「スマートフォンのウェブブラウザー」は2020年の25パーセントから32パーセントに、「スマーフォンのアプリ」は2020年の2パーセントから9パーセントとそれぞれ増加し、スマートフォンは2020年の27パーセントから41パーセントにまで増えている。ただし、「スマートフォン」での利用者の大半は「アプリ」ではなく「ウェブブラウザー」が中心となっている。
アクセス手段別に総合満足度を見ると「スマートフォンのアプリ」の場合がもっとも高く(706ポイント)、次いで「タブレット(ウェブブラウザーとアプリの合計)」(680ポイント)、「スマートフォンのウェブブラウザー」(658ポイント)だった。最も低いのは「パソコン」(644ポイント)となった。ホームページのアクセス手段の中心となっている「パソコン」や「スマートフォンのウェブブラウザー」を利用した場合、総合満足度はあまり高くなさそうだ。ホームページの利用やスマートフォンでの利用は進んでいるが、満足度の高い「スマートフォンのアプリ」による利用はホームページ利用者の1割程度にとどまっている。ホームページの利用で顧客満足度を高めるためには、スマートフォンのアプリを開発して顧客に提供することやウェブブラウザーによる利用にもスマートフォン用画面の利用ができるように工夫することが重要と考えられる。
J.D. パワー/グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門常務執行役員の梅澤希一さんは次のようにコメントしている。
「今回の調査では、スマートフォンによる利用が年々上昇しているほか、スマートフォンのアプリ利用時の満足度が高いことが確認された。スマートフォンはパソコンに比べて場所を選ばない利便性が評価をされていると考えられる。もっとも一層の利用率拡大のためには利便性のみならず、他社の生命保険契約を含めた一元管理機能など機能性の向上の取り組みも重要であると考えられる。また、各種変更手続きの実施や保険商品についての情報収集における利用者の満足度向上の観点からは、多くの情報から求める情報を見つけやすくするようにスマートフォン用画面での利用を想定した設計が一層重要になってくると考えられる」
構成/KUMU
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