コロナ禍を経て、オンラインでのビジネスコミュニケーションが当たり前になっている昨今。デキるBtoB新規営業担当者は、オンライン商談にあたってどのような準備をしているのだろうか?
oneではこのほど、全国20歳~59歳の2週に1件程度以上オンライン商談を行っているBtoB新規営業担当者400名を対象にした「オンライン商談に関する調査」の結果を発表した。
営業成績が良い人ほど新規営業のオンライン商談で準備する内容が多い
オンライン商談で準備する内容を聞いたところ、全体では「営業先の企業に関する情報収集」が74.0%と最も多く、次に多かったのが「営業先の業界に関する情報収集」で72.0%だった。商談の準備として、営業先のことを調べる人はやはり多いようだ。
営業成績が「とても良い」「やや良い」と回答した人を「営業成績が良い」グループ、「どちらともいえない」「やや悪い」「とても悪い」と回答した人を「営業成績が普通」のグループとして営業成績ごとに見ると、営業成績が良いグループの方が普通のグループよりも商談に向けて準備する内容が多い傾向にあることがわかった。
特に差がついたのは、「全般的なニュース・トレンドの確認」を準備している割合で、営業成績が良いグループは46.8%、営業成績が普通のグループは26.3%と20.5ポイント差があった。商談本番でどう振舞うかも重要である一方で、商談前の準備も商談がうまくいくかを左右しているのかもしれない。
Q1. あなたが新規営業のオンライン商談の際に準備する内容をお答えください。(複数回答)
オンライン商談を始めた頃と現在とで変えたことを聞き、営業成績が良いグループの回答をピックアップした。営業成績が良い方がオンライン商談を重ねて変えたことは多岐にわたるが、特に多かったのが資料の作り方と話し方だった。
資料に関しては、商談相手にわかりやすいようシンプルなものに変えたという回答が複数見られた。オンライン商談では商談画面での共有が前提となるため、資料の見やすさに一層配慮しているようだ。
話し方に関しては、話すスピードをゆっくりにするという回答が複数見られた。オフラインに比べ言葉が伝わりづらいオンラインでは、意識して話すスピードを遅くする必要があるのだろう。
また、一方的に話すのではなく相手側から言葉を投げかけてもらえる工夫をしたり、相手側の質問に回答する時間を確保したりするという回答もあった。オンラインはタイミングが掴みにくく話を切り出しづらいところがある。
自分が話すことに集中していると、相手がなかなか話せないということがオフラインよりも発生しがち。だからこそ、相手が発言をしやすいよう工夫をすることが重要なようだ。
カメラはパソコンについているカメラをそのまま使ってしまうという人も多いだろうが、カメラを買い替えて、相手に不快感を与えないようにするのは大切という声もあった。買い替えはなかなかハードルが高いかもしれないが、画面での自分の映り方を再検討してみるのも良いだろう。
Q2. あなたがオンライン商談を始めた頃と現在で変えたことがあれば、変えたこととその理由をお答えください。(自由回答)(n=233)
【資料編】
「資料をわかりやすくするために、文字を大きくし、シンプルにするように変更した。」(47歳/男性)
「プレゼン資料は、より要点のみシンプルに、わかりやすくする。バックアップの詳細資料は、多めに用意する。」(53歳/男性)
【話し方編】
「話し方をゆっくりにした。」(50歳/男性)
「アイスブレイクの時間をしっかり取るようにした。一方通行だけでなく、先方からも何か言葉を投げてもらえるような問いかけをしている。」(42歳/女性)
「できるだけプレゼンテーションの時間は短くコンパクトにして、相手側の質問に回答する時間を割くよう工夫している。」(59歳/男性)
【画面編】
「カメラを新しく買い替えて、相手に不快感を与えないようにした。これは結構大切だと思う。画像が悪いと相手に良い印象はまず与えられない。」(44歳/男性)
オンライン商談で商談相手の印象が悪くなる場面は「相手がリアクションをあまりしてくれなかった」
オンライン商談で商談相手の印象が悪くなるのはどのような場面か聞いたところ、「相手がリアクションをあまりしてくれなかった」が40.5%と最も多い回答だった。
次いで「機材・ネットトラブルが起こった」が31.8%となった。機材・ネットトラブルが商談中に起こるのは、分かりやすいトラブルでもあり、実際印象が悪くなる場面としては第2位なのだが、それよりも印象に響くのはリアクションの薄さのようだ。
オンライン商談では、オフラインに比べ相手にあまりリアクションが伝わらない。しかし、その伝わりにくさを放置してしまうと、結果は重大かもしれない。意識して相手に伝わるようなリアクションをした方が良いだろう。
Q3. オンライン商談で商談相手の印象が悪くなるのはどのような場面かお答えください。(複数回答)(n=400)
6割以上が「アフターコロナではオフラインで商談を行いたい」
新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いた状態では、商談をオンラインとオフラインのどちらで行いたいかを聞いたところ、初回の商談の場合は「オンライン」「どちらかといえばオンライン」と回答した方が合わせて66.3%、「オフライン」「どちらかといえばオフライン」と回答した人が33.8%となった。
重要な商談の場合も聞いたところ、「オンライン」「どちらかといえばオンライン」と回答した方が合わせて74.5%、「オフライン」「どちらかといえばオフライン」と回答した人は25.5%だった。
今回のアンケートに回答した人は2週に1件程度以上オンライン商談を行っているBtoB新規営業担当者であり、比較的オンライン商談に慣れているにもかかわらず、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いた状態であればオフラインで商談をしたい人が多数派であることがわかった。
特に重要な商談では、初回の商談と比較してオフラインで行いたいと回答する人が10.5ポイント多くなっている。今後新型コロナウイルスの感染状況が落ち着けば、現在はオンライン商談が多くなっているが、次第にオフライン商談にシフトしていくのではないだろうか。その一方、オンラインで商談を行いたいと回答する人も3割程度いるため、オンライン・オフラインの併存も起こりそうだ。
Q4. あなたは新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いた状態であれば、「初回」の商談はオンラインとオフラインどちらで行いたいと思いますか。(単数回答)(n=400)
Q5. あなたは新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いた状態であれば、「重要」な商談はオンラインとオフラインどちらで行いたいと思いますか。(単数回答)(n=400)
Q5の回答理由を自由回答で聞いた。オンライン・どちらかといえばオンライン派では、オンライン商談の効率の良さや手軽さを理由として回答した人が複数いた。また記録の残しやすさや参加者の増やしやすさといったオンライン商談の柔軟性を重視する人もいた。決定権者が海外にいるなど、元々オンライン商談がメインの選択肢である場合もあるようだ。
オフライン・どちらかといえばオフライン派では、多くの方が話しやすさや、相手の反応の感じ取りやすさを理由に挙げていた。オンライン商談だと、オフラインに比べ相互のやり取りがしづらいということを感じていのかもしれない。
また相手の職場を見られるという回答もあった。オフラインはオンラインよりも相手の全体を見やすいというのも利点の一つなのだろう。
Q6. Q5でそのように回答した理由をお答えください。(自由回答)(n=400)
【オンライン・どちらかといえばオンライン派】
「移動時間がないので、効率が良い。」(50歳/男性)
「場所を選ぶことなく、手軽に相談ができるのがとても魅力的であるから。また無駄に時間をかけなくて済むことが魅力的であるから。」(48歳/男性)
「記録が残るし、参加者をいくらでも集められる。」(52歳/男性)
「決定権者が海外にいることが多いので、日本側と海外側とまとめてミーティングできるから。」(30歳/女性)
【オフライン・どちらかといえばオフライン派】
「雑談も弾むので話しやすくなるし、人となりを感じやすい。」(36歳/女性)
「言葉のニュアンスや反応がよくわかる。」(54歳/男性)
「実際の説明の説得力や相手の理解はフェイスtoフェイスの方が良いと思っているから。」(52歳/男性)
「相手の職場も見られる。」(52歳/男性)
<調査概要>
1.調査の方法:WEBアンケート方式
2.調査の対象:全国20歳~59歳の2週に1件程度以上オンライン商談を行っているBtoB新規営業担当者
3.有効回答数:400名
4.調査実施日:2022年3月24日(木)
出典元:株式会社one
構成/こじへい
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