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【ビジネスパーソンのためのニュースのミカタ】玉石混交のニュースプラットフォームの特性を知り「石」に躓かない方法

2022.04.26

 最近、フェイクニュースの話題が増えている。また、コロナ禍以降、虚偽情報が蔓延して社会的混乱が起きるインフォデミック(情報感染。information:情報+epidemic:流行病、伝染病の造語)という言葉も耳にする機会も多くなってきた。

 こうしたなかで、情報の事実に力点を置くファクトチェックが注目されつつある。ただし、日々を忙しく過ごすビジネスパーソンの多くは、余計な手間を増やしたり、時間をかけてでもファクトチェックをしたいと思わないかもしれない。いちいちニュースなどを疑っていられないし、手間をかけてチェックしていたらキリがない、というのが本音ではなかろうか。

 そんな方々のために、ここでは、手軽にできるファクトチェックについて考えてみることにした。

 まず、忙しく過ごすビジネスパーソンが手軽に行なえるファクトチェック入門という趣旨を意識し、いきなりだが、結論とも言えるポイントを頭出ししておこう。

1)プラットフォームを知る

新聞、テレビ、雑誌、ラジオの内容がインターネットで配信されるようになり、ニュースサービスやSNSなどの情報が、スマホ画面でフラットに並ぶようになった。とはいえ、ニュースのプラットフォームには、それぞれ特性があることを再認識する。

2)事実に関心を持つ

ニュースなどで扱う情報が事実か否か。これをチェックするのは、意外に困難なことを確認しておきたい。そのうえで、情報に接する。

3)情報の構造を知る

情報(≒ニュース、記事、コンテンツ)の構造を知ることで垣間見えてくることがある。また、タイトルと記事内容が乖離していたり、表現方法などを通じて、発信者の意図が垣間見えてくることがある。

全三回に渡ってお届けするが、今回はまず、「1)プラットフォームを知る」というテーマでニュースの見方を考えていきたい。

ニュースサイトの使い方の基本

 現時点でニュースは毎朝からず新聞を読んで情報スマホなどの普及により、新聞社などのニュースの提供元もデジタル化を加速させている。その結果、GoogleニュースやYahoo!ニュースなどのメガプラットフォームや、SmartNewsやLINE NEWSなどのニュースサービスで、新聞社や通信社、テレビ局のウェブサイトのコンテンツに接する機会は増えている。つまり、比較的信頼性の高いとされる新聞やテレビなどの情報も、インターネットで見ることを前提に考えるほうが、ビジネスパーソンにとってはリアリティがあるだろう。

 そうしたニュースサービスのなかにも、玉石混交の“石”をが混じっていることは否めない。そして、“石”と接触した結果、情報感染や偽情報などの影響を受けたり、場合によっては二次被害を広げてしまうことが考えられる。

 これを踏まえると、次のことを意識してみてはいかがだろう。

1)ニュースサービスは、情報提供元を意識する

ニュースサービスでは、情報提供元の記事が、サービス提供者のアルゴリズムで決まることが多い。情報提供元は「誰か」を意識すると、“石”の判断材料になるはず

2)ニュースサービスは、複数の利用も

複数のニュースサイトを使うという一手間で、情報空間はだいぶ変わる。ポータル系、ニュース系、SNS系などの特性も意識し、いくつかのジャンルを跨いでチェックする。

3)新聞社やテレビ局、ニュースサイトなども利用する

ニュースサービスとは別に、新聞社やテレビ局、ニュース専門サイトなどをチェックすることで、異なる情報空間と接することができる。とくに新聞社の有料版では、ニュースサービスでは読めない部分も読めることがある。記事は全体でひとまとまりとして考えたい。

ニュースサービスは、情報提供元を意識する

もしかして、ニュースサービスを利用する際、それぞれのニュースの提供者を意識しないことが習慣化していないだろうか。また、忙しく過ごしていると、そこを見落としてしまうこともあるかもしれない。初歩的なことかもしれないが、それを誰が出しているかは、大事なポイント。“石”に遭遇しないためにも、この点は踏まえておきたい。

 PCのニュースサービスは、画面表示が大きいゆえか、ニュースを見出しだけでなく、提供元や時間なども含めて表示することが多い。が、スマホでは、提供元もしくは時間のみのことがある。また、提供元をよく見ないと、うっかりと広告をタップしてしまうこともある。そのためにも、情報提供元を意識する習慣をつけておくと良いだろう。

ニュースサービスは、複数の利用も

 繰り返しになるが、ニュースサービスでは、アルゴリズムが表示内容や表示方法を決める大きな要素となっている。それにより、利用者の性別や年齢などをもとに効率よくニュースが見られる反面、アルゴリズムによって情報が偏ることは否めない。

 それを防ぐために有効なのは、情報源を増やすことだろう。もちろん、手間は増えるが、そのアクションによって“石”に躓いたり、自分が二次被害を広める当事者にならずに済むかもしれない。で、あるならば、複数のニュースサービスを利用することを習慣にすることを一考に値するはず。

 たとえば、同じニュースでも、ニュースサービスごとに見出しの扱い方や表示方法などは変わってくる。とくにSNS系のニュースで顕著だが、話題になっていることを、さらに話題にする、という傾向がニュースサービスにはある。もちろん、共通の話題を知るうえでは有効だが、その逆があることは頭の隅に置いておきたい。そのためにも、複数のニュースサービスを利用する一手間は無駄にならないはずだ。

新聞社やテレビ局、ニュースサイトなども利用する

 もし、手間を惜しまないならば、ニュースそのものを複数の情報提供元でチェックするのも有効だろう。同じ事実を扱っても、情報提供者によって異なることが少なくない。あるニュースサイトでは、事実だけを伝えていたとしても、別のニュースサイトでは背景などの説明があるなど、情報量に違いがある。また、一般系と専門系では、同じ事象でも扱い方が異なることは言うまでもない。専門系はより深く知るための情報がある一方、業界内の文脈で扱うため、社会的な影響の視点が弱いことなど、それぞれに違いがある。

 これらは、善し悪しの話ではない。インターネットの普及で、さまざまな情報が手軽に得られるようになったゆえの変化として受け止めたい。

ファクトチェックの手助けになる取り組み

 さて、上記で触れた複数のニュースをチェックする際、複数のニュースサービスやニュースサイトを見るほかに、ファクトチェックを行なっているウェブサイトを使う方法も役に立つ。日本でファクトチェックの普及活動を行なう認定NPOファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)では、「ファクトチェック・ナビ」というウェブサイトを制作・運用している。同サイトでは、ウクライナや新型コロナなど関心の高い話題のファクトチェックを行なっているほか、ファクトチェックについて動画やコミックで解説したコンテンツも用意している。

ファクトチェック・ナビ
動画で学ぶファクトチェック
コミックでもわかるファクトチェック

 このほか、Twitterでは、誤情報対策として、誤解を招く可能性のツイートに、他の利用者が意見や情報ソースを追加できる「Birdwatch」機能を2021年1月から米国で試験的にリリースしている。この機能は、誤情報とされるツイートにBirdwatchノートを追加し、そこに情報を補っていくことなどで、ファクトチェックを行なうもの。ファクトチェッカーや専門家ではなく、米国の携帯電話番号を持ち、直近でテストに参加するコミュニティが主導していることも特徴のひとつ。それにより、視点の多様性を確保することを狙う。

 2022年3月に投稿された公式ブログでは、誤解を招く可能性のあるツイートに同意する割合は、Birdwatchノートを読んだ人のほうが20%から40%低くなることがわかったとか。また、小規模かつ無作為に抽出された人々に、Birdwatchノートを直接閲覧可能にするなど、機能追加もされている。日本での利用は未定だが、こうした機能などを通じて手軽にファクトチェックが可能になることは望ましい傾向といえる。

Twitter ファクトチェック機能「Birdwatch」をさらに充実

https://blog.twitter.com/ja_jp/topics/product/2022/building-a-better-birdwatch_2022

 Yahoo!ニュースでは、記事に読者が投稿できるコメント欄の禁止事項に、「法令違反」「わいせつや暴力的な内容」「過度な批判や誹謗中傷、個人に対する嫌がらせ」「差別発言、ヘイトスピーチ」「不謹慎・配慮に欠ける批判や悪口」などを設けてきた。誹謗中傷に関する投稿が一定以上あるとAIが判断すると、自動的にコメント欄を非表示するなどの対策を行なってきた。2022年3月には、この禁止事項に「明らかな偽情報」を追加。具体例として、<新型コロナウイルスのワクチンを接種すると、流産する。不妊になる。><ワクチン接種された実験用の動物が全て死亡した。>など、ファクトチェックにより反真実とされてものは非表示にする。また、それぞれの禁止事項に投稿例を追加し、コメント欄が安心や共感を得られる機能として利用できるようになることを目指す。

Yahoo!ニュース コメントポリシー
Yahoo!ニュース コメント 取り組みまとめ

アクセルとブレーキをバランス良く

 最後に簡単なまとめをしておこう。逆説的だが、忙しく過ごすビジネスパーソンだからこそ、少し手間をかける。どんな情報環境は大丈夫か、を意識する。これが、ファクトチェックに限らない情報収集の際のポイントといえよう。「私たちは、時間泥棒に時間を奪われかねない世界に生きていることを自覚する」と言い換えられるかもしれない。

 時間泥棒とは、ミヒャエル・エンデの児童文学『モモ』に出てくる灰色の男たちの活動を指すもの。彼らは、<「時間貯蓄銀行」の口座を開き、人間関係にとられる時間や一人のお客にかける時間を節約し、貯蓄に回すと高額の利子が付くと勧める>(ウィキペディア)。『モモ』では、一見ムダに見えることをする主人公モモの仲間と戦うなかで、時間泥棒に支配された世界を克服していく。けれど、最近では、効率よい生活を邪魔する、時間を無駄遣いさせる対象(人、サービス、習慣など)を時間泥棒ということもあるようだ。

 そうしたなかで、ファクトチェックのアプローチは、明らかに前者に分類されるもの。普段接しているニュースの事実が事実であるか? と疑問を持ち、それを能動的に確かめるのがファクトチェックの基本的な姿勢だからだ。

 ニュースサービスやSNSを利用して効率よくスピーディーに情報に接することは大事だが、その一方で、ファクトチェックをする姿勢のようなブレーキも併せ持ち、バランスを取ることも大事とは言えないだろうか。

取材・文/橋本 保

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