日本の、いや世界の誰もが知っているキャラクターと言えば「ハローキティ」があげられるだろう。レディー・ガガやアリアナ・グランデほか、海外セレブ界隈でもファンを公言する人は非常に多いのだ。
そんな筆者もキティラーの一人。家にはご当地根付けが1600以上(それ以降数えていない)、部屋には様々なレアものキティぬいぐるみがずらり…。今回、そのハローキティがロボットになる!ということで、発表会にお邪魔してきた。そこで衝撃の体験をしたのである。
NTT東日本とサンリオの協力タッグで実現するまで
2016年、NTT東日本はコミュニケーションロボット向けの音声認識・音声合成機能を提供する「ロボコネクト」の提供を開始した。そしてその「ロボコネクト」に接続可能なロボット「Sota」を活用して、これまで非接触・非対面での業務効率化、人員不足の解消など推進してきた。
オフィスや観光施設での受付業務、無人店舗での検温お願い、介護レクリエーションの司会・信仰補助など、特にコロナ禍での利用シーンは確実に増えてきた。
「ハローキティロボット」と「Sota」。「ハローキティロボット」の方が大きい。
サンリオは思いやりや友情などを、キャラクターを通して育んでいくソーシャルコミュニケーションビジネスを信条としており、「これからのコミュニケーションにはエンタメ性の高いものが望まれている。それならロボットがいいのではないかと。音声が出るぬいぐるみは発売したことはありましたが、ロボットはいつかぜひやってみたいと思っていました」(サンリオ ライセンス営業本部 執行役員 門本洋一郎氏)。
そんなサンリオが「Sota」に出合い、一緒に何かできないか!とNTT東日本へ声がけをしたのが「ハローキティロボット」誕生のきっかけだという。
東日本電信電話 ビジネス開発本部 第三部門長の増澤俊也氏は今回のコラボについてこう語る。
「ハローキティは圧倒的に広い世代への認知度が高いキャラクターで愛されています。Sotaはもともと介護のレクリエーション補助からスタートしたロボットで、その後コロナ禍に伴って非接触・非対面の受付業務や検温で活用されるようになりました。ハローキティと一緒にできることで、ファン層が広がることを期待しています」。
左よりサンリオ 門本洋一郎氏、ハローキティ、東日本電信電話 増澤俊也氏。キティは「ハローキティロボット」を大事そうに抱えていた。
ハローキティロボットができる6つのこと
想定されているのはオフィスや施設などでの使用。以下のような6つの機能を備えているという。
その1 プレゼンテーションができる!
Microsoft Power Pointと連携して「ハローキティ」がプレゼンをしてくれる。スライドのノート欄に書き込んだ言葉を話してくれるのだ。それに合わせて動きやセリフを自由に設定でき、最大5台まで掛け合いもできるという。
発表会では「ハローキティロボット」と「Sota」が交互にパワポ資料に沿って機能を紹介してくれた。その姿を温かく見守るお二人。
その2 各種案内業務
タブレットとロボットが連携し「声」「文字」「画像」で案内してくれる。会話の蓄積データを分析することで、よりお客様の要望にマッチする案内役として進化させることも可能だ。
施設のフロア案内のデモでは「トイレはどこ?」などと声をかけると映像とともに「ハローキティロボット」が声で案内してくれた。
その3 検温を促す
検温の呼びかけ、測定結果案内を「ハローキティロボット」が実施する。セリフは自由に設定可能。キティの呼びかけなら、子どもも喜んで検温してくれそうだ。
その4 オフィスの受付業務
来訪者を検知して、受付案内してくれる。担当者に通知がいき、ロボットを通して伝言ができる。また受付以外の時間も会社案内などのセリフを自由に設定が可能。
訪問したオフィスの受付にハローキティロボットがいたら、ついほっこりしてしまう。
その5 レクリエーションの司会・進行
約200ほど準備されているコンテンツ「会話」「体操」「脳トレ」「ゲーム」を、その映像に合わせて「ハローキティロボット」が司会進行をしてくれる。介護施設でのQOL向上、子ども向けの知育・STEAM教育にも活用が可能だという。
ハローキティは再来年で誕生50周年を迎えるキャラクターだ。そのためシニア世代にも非常に親しみが深く、レクリエーションでの活躍も期待されている。
その6 子どものプログラミング学習に使用
3種類の学習ツールがあり、小学低学年~中学生まで幅広く学習が可能。実社会で活躍するロボットを学習に使用することで、先端技術をリアルに感じることができる。
このロボットの最大の衝撃ポイントは…「声」!!
この発表会で一番の衝撃の体験だったのは「ハローキティロボット」の声を聞いたことだ。筆者はキティラーなので、もちろん「サンリオピューロランド」ほか、生のハローキティに会ったこともかなりの数ある。そんな自分でもこのロボットの「声」は、キティそのものだと感じたのである。
ロボットというと、どうしても「?」という発音をしたり、機械的な会話になりがちなのだが、それがなく、とても流暢なのだ。普通にキティと会話をしているという感覚に陥る、と言えば通じるだろうか。
まさか、ハローキティと自分が会話ができる日が来るなんて!
これはNTTグループのAI関連技術「corevo」のひとつであるAI音声合成技術のなせるワザで、オリジナルのハローキティの声を忠実に再現することが可能となったそうだ。
自然な音声というだけでなく、単調な話し方にならず感情表現も可能。そして数時間のオリジナル音声収録だけで、再現性の高い音声合成を作成することができるという。
誰もが知っている「ハローキティ」の声が不自然だと、どうしても「そうだよね、やっぱりロボットだし…」と一線引いてしまいかねないのだが、この技術のおかげで「ハローキティロボット」は、ハローキティそのものが話しているような感覚を実現させたのだ。
できれば自宅に置いて、毎日キティと会話したい!今回の「ハローキティロボット」は法人向けであったが、そういった個人向けのロボットも今後開発していけたら…という話も発表会で聞けた。一家に一台「ハローキティロボット」…楽しみすぎる!ちなみにサンリオのほかのキャラクターのロボットの可能性についても「今後増やしていくことができたら」と前向きな意見を聞けたことを追記しておく。
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取材・文/町田玲子(編集部)
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