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竹歯ブラシ、ペーパー型歯磨き粉、紙製ファイル、プラスチック新法の施行で注目を集めるユニークな脱プラ商品

2022.04.24

2022年4月1日に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」、いわゆる「プラスチック新法」を受け、各社がより取り組みを強化している。飲食店のプラスチック製のストローやカトラリー、ホテルアメニティ類の脱プラが進んでいる。

今回は、その中でもホテルアメニティ等を竹製などオーガニック素材へ転換できるブランド「MiYO Organic」や、プラスチック製クリアファイルの代替となる紙製ファイルを提供するリンテック社の取り組みを紹介する。

12品目の廃棄物排出の抑制が義務化

「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」では、基本的にプラスチックの不必要な使用はしないこと、つまりリデュースとリユースが勧められている。どうしても使わなくてはならない場合は、再生素材や再生可能資源、紙、バイオマスプラスチックなどの再生できるものに切り替えるよう呼びかけられている。

そして、国が特定プラスチック使用製品として定めた12品目について、年間5トン以上取扱う小売業、Eコマース、宿泊業、飲食店、配達飲食サービス業、クリーニング業に対し、プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制が義務付けられた。

12品目とは「フォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー、ヘアブラシ、くし、カミソリ、シャワー用キャップ、歯ブラシ、ハンガー、衣類用カバー」である。

環境負荷にならないよう、提供方法を工夫する方法として、スプーンやフォークを有償提供する、プラスチックの代わりに、木製スプーンや紙ストローを提供する、テイクアウト飲料の蓋をストロー飲み口機能付きに変更する…などが挙げられる。

カトラリー類を多数の店舗で取り扱う各飲食チェーンでは、すでに施行前から取り組みが開始されている。

コーヒーチェーンのドトールコーヒーでは、全国のグループ店舗で使用する使い捨てマドラーを、2021年11月中旬より順次、FSC認証紙の高密度厚紙マドラーに切り替えていくことを発表。日本マクドナルドは、2022年2月から木製フォークやスプーン、紙製ストローを横浜エリアの一部店舗で導入開始している。

スターバックス コーヒー ジャパンは、2022年3月17日付けで、2022年春から使い捨てのカップ、蓋、カトラリーの削減を目指す施策の拡大、および新素材への切り替えを行うことを発表した。2030年までに廃棄物を50%削減するという目標に向け、使い捨てプラスチックの削減、リユース(再利用)やリサイクルの促進、サスティナブルな素材への変更などを通して、地球資源を大切に活用し続けるという目的で行われる。

各社とも、カトラリーの脱プラや循環の仕組みづくりに本格的に力を注いでいる。

ホテルアメニティをオーガニック素材へ「MiYO Organic」

ホテル業界では、ヘアブラシ、くし、カミソリ、シャワー用キャップ、歯ブラシ、ハンガーといったホテルアメニティへの対策を急がねばならない。

そのような中、注目されているブランドが株式会社豊和による「MiYO Organic」だ。2020年5月よりサスティナブルブランドとして竹歯ブラシを中心にホテルアメニティ製品を取り扱ってきたが、このほどプラスチック新法に対応すべく、環境に優しい竹を使ったホテルアメニティセットの提供を始めた。

ラインアップは、オーガニック竹歯ブラシ、オーガニック竹綿棒&コットンセット、オーガニック竹ヘアコーム、持ち歩きコットンポーチ、綿100%巾着。ホテル利用客にギフトとして持ち帰ってもらう意図もある。

使用している竹は、天然の循環素材。成長サイクルの中でCO2を吸収したり、根から葉まで無駄なく使うことができ、竹素材を選ぶこと自体が環境に配慮した選択になるという。

●プラスチック新法を受け、問い合わせが20~30倍に

プラスチック新法施行を経て、竹歯ブラシなどのホテルへの導入はどのくらい進んでいるのだろうか。同社の二代目で、MiYO Organic代表を務める山本美代氏は次のように述べる。

「MiYO Organicは、2020年5月から環境に配慮した竹歯ブラシの販売を開始し、ホテル様向けアメニティも展開してきました。2021年にプラスチック新法案の施行が決定してから、問い合わせは徐々に増えていき、2022年に入ってからは、発売当初に比べ20~30倍の問い合わせをいただきました。法律が変わることで、宿泊事業者様、アメニティ業界全体の意識が大きく変化したことを感じております。

これまでの弊社の竹歯ブラシは累計販売数100万本以上です。ホテル事業者様のゴミ廃棄量は家庭のものと比べても、かなり量が多くなりますので、弊社の竹歯ブラシだけで考えても、それだけ多くのプラスチックゴミを削減できたと考えることができます」

MiYO Organicがホテルアメニティを開発したのは、プラスチック新法を意識したものだったのだろうか?

「開発を始めたのは2018年12月でしたので、今回の法律の話が出る数年前で、もちろん、意識していませんでした。当時、札幌に出張したホテルのアメニティで歯を磨いていたときに『この歯ブラシは夜と朝使って捨ててしまう』ということに気づいた瞬間があり、1日に世界中でどれだけの歯ブラシゴミが発生しているのかと想像し、愕然としたのがきっかけでした。当時はサスティナブルなアメニティの選択肢がなかったので、自分で作ろうと決めました。

そのような課題意識から開発をスタートしたのですが、一番むずかしいのが事業者様と一般ユーザー様の環境意識へのアプローチでした。民間企業レベルではむずかしい課題だっため、法律施行は大きく意識を変える起爆剤となると思いました」

●「歯磨きペーパー」を新展開

「歯磨きペーパー」

歯磨き粉の新しい選択肢として、脱プラスチック仕様の「歯磨きペーパー」を開発し、この4月よりホテルアメニティ向けとして予約受付を開始した。

従来の歯磨き粉は、中身の劣化や固まってしまうのを防ぐために、プラスチックやアルミの容器に入れる必要があった。そこで、歯磨き粉をペーパー状にすることで、パッケージにも紙を使用することに成功。製品の物性を守るため、紙パッケージの内側に薄いPE(ポリエチレン)を貼り合わせているが、同社従来比約98%のプラスチック部分を削減している。

すでに販売している竹歯ブラシとセットで使うことで、より一層のプラ排出量削減を目指す。

歯磨きペーパーは、歯ブラシにはさんでのせた後、そのまま口にブラシごと含む。唾液や水分に反応して泡立つため、通常通り歯磨きを行える。

歯磨きペーパーの需要はどのくらいを見込んでいるのだろうか?

「具体的な数字は、私たちも未知数です。ただ、リリースして以来、たくさんの反響をいただいていますので、歯磨き粉の新しい選択肢として皆様に選んでもらえるようになったら嬉しいですね。

ホテルアメニティとしてはもちろんですが、軽くて持ち歩きに便利なので、トラベル用や出張、防災用としても活用できます。少しでも荷物を減らしたい登山やキャンプをされる方にもおすすめしたいですし、洗面台まで歩いていくのが大変な方の介護の現場など様々な活用方法が考えられると思います」

●今後の展望

今後はどのような展開を考えているのだろうか。

「竹歯ブラシをはじめとして、環境に配慮した日用品はまだまだ一般の人にはなじみが少ない商品だと思います。大きな理由の一つとしては、日常の買い物ルートの中にそういったサスティナブルな選択肢が棚に並んでいないということがあると思います。ただ、ここ数年でそこにも変化が出て、サスティナブルな商品がとても増えたと感じます。今後、例えばドラッグストアやコンビニなどで環境に優しい商品として展開をしていければ、プラスチックではない選択を選ぶ人も増やせるのではと頑張っています。

そのためにも、環境に良いというだけではなく、使っていて心地よいプロダクトをどんどん開発していきたいです」

リンテック社の「透ける・書ける」紙製ファイル

シール・ラベル用の粘着紙・粘着フィルムなどの粘着製品や、さまざまな機能を持たせた特殊紙に強みを持つリンテックは、紙本来の優しい肌合いや筆記適性、柔らかな透け感を兼ね備えた特殊紙を新開発したことを発表した。

その名も「SUKEKAKE(スケカケ)」。特徴の「透ける、書ける」がその由来だ。

SUKEKAKEは使いやすさを考慮した厚みやコシのほか、鉛筆やボールペンなどでの筆記適性を持つ。オフセット印刷やレーザープリンタでの印字にも対応し、透明感のある紙素材として、幅広い用途で活用できる。主原料に木材パルプを使用し、グリーンパルプを100%配合している。グリーンパルプはリンテックの登録商標で、合法的かつ適切に管理された森林からの木材を原料とするパルプ(森林認証パルプ、植林木パルプを含む)、再・未利用材から得られるパルプ、非木材パルプなどで、無塩素漂白(ECF)により製造されたパルプの総称だという。

同時にプラスチック製クリアファイルの代替として同製品を使用した紙製ファイルも発売した。

「SUKEKAKE」紙製ファイル

紙製ファイルは、表面に直接書き込むことや印刷・印字が可能。そのままシュレッダーで廃棄できるほか、従来のプラスチック製ファイルに代替することで脱プラスチック需要にも対応する。

直接書き込むことも可能

●プラスチック新法を背景に特殊紙の需要が高まる

プラスチック新法施行により、特殊紙の需要はどのように変化しているのだろうか。リンテック株式会社 執行役員 事業統括本部洋紙事業部門長 青木 智氏は次のように答える。

「大手企業を中心に脱プラへの関心が非常に高まっており、例えばホテルのアメニティや化粧品の包材用途などで、プラスチック素材の代替として当社の特殊紙への引き合いが増えています。今後は、環境意識の高い中小企業からもお問い合わせが増えてくるのではないかと予想しています。

また、直接販売する機会はありませんが、個人のお客様に対しても日常生活で必要となる身近なモノの中で、新たに紙化のご要望にお応えできないか、市場のニーズや声に耳を傾けながら、検討を重ねていきたいと考えています」

「SUKEKAKE」開発に当たり、プラスチック新法を意識したところはあるのだろうか。

「SUKEKAKEについては、昨今の脱プラ需要の高まりを受けて、プラスチック新法が施行される以前から開発を進めておりましたので、直接的に同法を意識したということはありませんが、発売日と新法施行日が同じタイミングとなったこともあり、多くのお客様から反響をいただいております。今後も当社では、環境配慮をコンセプトとしてプラスチック素材に代わる特殊紙の機能を訴求し、幅広い用途に向けて積極提案を図っていきたいと考えております」

●コンビニ等向け耐油耐水紙の需要も高まる

脱プラ需要の高まりを受け、その他の特殊紙や環境に配慮したラベル素材の開発・提案にも力を入れているという。

「当社では、コンビニエンスストアやファストフード店で販売されている揚げ物を包む袋など、食品包材として使用可能な耐油耐水紙もラインアップしています。コンビニ業界でも、プラスチック製の食品容器を紙に切り替える動きが広がりつつあるため、当社ではお弁当容器などに適した厚物の耐油耐水紙の拡販を強化しています。

そのほか、レジ袋の代替や各種包材用途として、水にぬれても破れにくい印刷用紙なども提案しています。また、当社の主力製品の一つであるラベル素材についても、ベースとなる表面基材にフィルムの代わりとして耐水性に優れた紙を使用するなど、環境に配慮した製品のラインアップ拡充に努めています」

プラスチック新法施行を受け、12品目を取り扱う企業は対応が急がれる中、環境に優しいカトラリーやストロー、竹歯ブラシ、紙製ファイルなどその代替製品もぞくぞく開発されている。今後さらなる新製品の開発に期待したい。

取材・文/石原亜香利

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